中1の頃部活帰り(夜九時ごろ)に、チャリンコで踏切に引っかかったんだよ。 
雨の日でさ、俺はでかい大人傘をさしてた。
あれって周りあんま見えないんだよね。だから隣にいた女の顔はあんま見えなかった。 
そもそも髪が長いし顔にかかってたから、どっちみち見えなかったんだけどね。 
白いフリルついたワンピ着てて、さだこみてぇなの。
これはべたべたの格好すぎて、心の中で逆に笑った。 

で、その女イキナリ揺れだした。
ピチャッピチャッって。足踏みしてんの。
で思わず女の方見たらさ、踏切じゃなくて俺の方むいてんの。 
大人傘でよかったって心底思った。ビビッてすぐさま目を背けた。 
あからさまな格好して脅かそうとしてるのかと思ったよ。 
でもなんか違う。なんつーの?寒気?っつーか、悪寒みたいな。言葉じゃよく表現できない。
女の方見てないんだけど、なんか女が視界にいる感じがした。 

ってか踏切なげーよ。ここまでで10分位に感じた。でもまだ電車来てるし。 
で、女の足踏みがひどくなった。ビチャビチャうっせーの。 
なんか、『こっち向け』って言ってるようだった。
女見ないようにあたり見たけど誰もいない。すっげ怖い。 
逃げたかった。踏切なんか待ってないで遠回りしてでも逃げたかった。 
けどなんか無理だった。なんでって言われてもよくわかんない。引き返す気が起きなかった。 

やっと遮断機があがって、俺はダッシュしたね。本気で。 
でもなんかペダル重いのよ!!
勘弁してよ!!って思いながら、般若心経の最初の2行(そこしか知らない)唱えまくって必死でこいだ。

途中で気付いた。ライト付けっぱじゃん。コレじゃ重いはずだよ。なんで忘れてたたんだよ。 
なーんだって安心してライト消したね。でもまだ重い。ざけんな。
もう泣くしかなかった。後ろになんかいるってわかんのよ。
泣きながら必死でチャリこいでる途中で、俺は車にはねられた。 

はねられたっつってもそんな大したことはなかったけど、運転手さんすぐ出てきて病院に連れてかれた。
もう女の気配?みたいなのはしなくなった。 
病院では一応頭の検査して、一晩入院しただけだった。 
入院した晩。トイレなんか行けるわけないじゃん。もらしたね。 

次の日、またあの踏切通った。通りたくないけど学校行くには仕方ない。 
でもなんもいなかった。あの女は何がしたかっんだ。


引用元:ほんのりと怖い話スレ36