男は帰る途中、事故に遭遇してしまった。
 
軽自動車がワゴン車に衝突していたようで、彼が見つけた時にはすでに人だかりができていた。
場所としてはごく普通の山道のカーブ。
 
急カーブというわけではないが何故かここでは良く死亡事故が起こる。
 
人通りがほとんどないからスピードを出しすぎてしまうのだろうか?
 
彼がここで事故を見たのは3回目だった。
 
一回目は乗用車が道路脇の木にぶつかり二回目はトラック同士の衝突だった。
 
そんなことを考えてると軽自動車の中から女性の声が聞こえた。
 
「そこに誰かいるんですか?救急車を呼んでください!」
 
その声を聞いて慌てて救急車と警察を呼ぶ。
 
10分もしないうちに救急車が来てワゴン車に乗っていた男性と軽自動車の女性が搬送されて行った。
 
彼はそこにいた若い警察官に事情を話して帰宅した。
 
帰宅してテレビをつけると先ほどのニュースが流れていた。
 
「ワゴン車の男性は即死、軽自動車の女性は病院に搬送されたが3時間後に出血死」
 
これを聞いて、ああ、あの人死んでしまったんだなと感傷的になった。
 
後日、再度警察に事情を聞かれることがあり
その時に担当の若い警察官に「まぁもう少しあなたの発見が早ければ助かったかもしれません、なぁにあなたが気に病むことではありません」と言われた。
 
そんなことを言われても落ち込むものは落ち込む。

その帰り道、またあの山道で人だかりができているのが見えた。