投稿者:どら


幽霊とかの類いは絶対信じないと豪語する、職場の元先輩から聞いた話です。

先輩(Sさんとします)が休日、自宅の一室で仰向けに寝転んで漫画を読んでいたそうです。すると、顔の両サイドからニョキっと、床から生えてくるような感じで手が伸びてきて、Sさんの顔面をガッと掴んだそうです。そして、「こっちにおいで~」という声と共に、その手がSさんの顔を床に引きずり込もうとしました。

「こっちにおいでって言われても、床が邪魔で無理じゃん」
Sさんは、声に出してそう言いました。すると、顔面を掴んでいた手は跡形もなく消え去ったそうです。
Sさんは何が起きたのか理解できず、近くにいた奥さんに今の話をしましたが、奥さんは取り合ってくれませんでした。

気を取り直して、Sさんは再び寝転んで、読みかけの漫画を読み始めました。
しばらくして、足の辺りがムズムズし始め、突然何者かに足をガッと掴まれました。そして、体ごと強い力で引っ張られたそうです。その時にまた、「こっちにおいで~」という声が聞こえました。

「だからさ、壁が邪魔だからそっちには行けないし」
Sさんが声に出してそう言うと、足を掴んでいた手は、また消えてなくなったそうです。


この話を、Sさんは「幽霊なんているわけないじゃん」と言いながら、僕に話してくれました。