投稿者:おじさん


学生時代に運転免許を取ってすぐに友人と二人で東北一周の旅に出ました。

免許取りたてのくせに毎日長時間運転してたものですから宿に着く頃には身体も神経も結構疲れていました。

田沢湖の近くの民宿に泊まった晩、水辺の近くっていうのは霊が寄って来るんだよなぁ、なんて心霊本かなにかで読んだことをふと思い出していました。

運転疲れもあって、早い時間に二人とも布団に入って眠ってしまいましたが、寝るのが早過ぎたのか私は夜中に目を覚ましてしまいました。

隣では友人がスヤスヤ眠っていますので、起こしても悪いと思い横になったまま何となく考え事をしていましたが、高校時代に少しだけ好意を抱いていたIさんのことを何故だか急に思い出しました。

寝返りをうちながら、そう言えばIさんのお父さん去年亡くなったんだよなぁと思った瞬間、不意に身体がゾーッとして寝返りを打とうとする中途半端な態勢のまま金縛りにあってしまいました。

金縛りに合うのは中学生以来でしたが、何とも言えない嫌〜な感覚のまま、ひょっとすると何か出て来ちゃうのか?などと不安に思っていると、身体の横に投げ出している拳の人差し指の付け根の辺りをツンツンツンツン突かれました。

隣に寝ている友人が何かモゴモゴ呟きながら私の人差し指の付け根をツンツン突いているのでした。

おいっ何してるんだ?起きてるならちょっと助けてくれ?と言いたくても声が出ません。

むむぅ〜っ、と妙な焦燥感に駆られている内に意識が途切れ、気がついた時には朝になっていました。

友人に昨日の晩のことを覚えているか?確かめたいのに結局言い出せないまま朝食を摂り宿を出発してしまいました。

それ以来20年以上が経過し、その友人はいつの間にか所在不明になってしまい、今に至っています。