怖いというか、不思議な話。 

俺が学生の頃、賭けポーカーがはやったことがあったんだが、Nという友人が異常なほどポーカーに強かった。 
こっちがフラッシュ(色揃い上から5番目くらいの強さ)を揃えても、
その一段上の役のフルハウス(スリーカード+ワンペア上から4番目くらいの強さ)を出してきたりと、
相手よりひとつ強いくらいの役がポンポン出る。 
その上、絶対に勝てる役をこちらが揃えると、すんなりとゲームを降りてしまう。 
あんまりにも強いから、これはおかしいという話になり、カードを新品に変えてみたりしたが、相変わらず強い。 

これは賭けにならないということになり、早々にポーカーは廃れてしまったんだが、
俺は気になって、友人に勝利の秘訣を聞いてみることにした。 
「なあ、N。お前って賭けになると強いけど、なんで?」 
するとNは困ったような顔になって、ぽつりとこういった。 
「勝ちたい勝ちたい言う奴は、なんていうかな、雰囲気にでるんよ。
 逆にあかんこれは負けるって時は、表情に出る。それがなんとなく分かるんよ」 
そういうもんか……と思ったが、今考えるとそれが不思議なんだよな。
そもそも、そんな理由だけで常に勝利し続けることが可能なもんなのかね。 

ちなみに、ある日Nが友人の家に行ったときに、友人のじいちゃんを見て、
「あのじっちゃん死ぬぞ。はよ病院に連れてった方がいい」(俺が見たときはどこも異常な様には思えなかった)
と友人に助言をした数日後に、そのじいちゃんの病気が発見されたりと、今でも不思議でならん。