投稿者:ななこ


うちの子は、男の子の長子にしては比較的言葉が早い方で、二歳になる頃にはある程度意味のある会話ができていた。

その頃から、その子がうちの向かいの家に『ねこちゃんがいる』と言うようになった。

向かいの家はもう何年も前から空き家だったが、半年に一度くらいは持ち主が手入れに来ていたので、そんなに荒れてはいない。その家の、道路との境にしている槙の木の垣根の下に、猫がいるという。

が、私には何も見えない。

保育園の帰り、うちに入る前にその垣根に駆け寄って、
「ねこちゃんどうしたの?」
と問いかけるのがおきまりのパターン。
「おなかすいたの?」
「ご飯あげるね」
「だっこしてあげようか?」
など、5分くらい色々話しかけている。

実は一年ほど前、まさにその場所で子猫が死んでいたのだ。

おそらく体が弱くて、親に置いていかれた子猫が二、三日ニャーニャー鳴いていた。
助けようと思っても、すぐに手の届かない垣根の奥に逃げ込んでしまい、結局そのまま衰弱死してしまったのだ。

子どもが『ねこちゃん』に話しかけるたび、そのことが頭をよぎる

ただ、見立て遊びの全盛期でもあるし、話しかけている言葉も自分が言われたことのある言葉ばかりなので、あまり深刻に考えてはいない。
仮に本当に猫が見えているのだとしても、話しかけている様子に嫌な感じは全く見受けられないのだ。


ただ最近、しきりに
「おうちに来たいの?」
と話しかけているので、それだけは断固お断りさせてもらおうと思っている