札内川での話をひとつ。(今兄貴に聞いた)

兄貴が友達とそこで泳いで遊んでた。
その時、川上から人が流れてきた。
最初それを見て、「あ、人が溺れてる」と思った。
でも一切体を動かしていない。
同じようにそれに気づいた友達と、
「意識がないのかもしれない」
「流れが速くなってるところへ行ったらもう助けられない!」
「流れが遅いところだから、泳いでいける」
「助けようよ」
っつー話になった。
で、一番泳ぎが達者だった兄貴が行くことになった。
なんとかその人のところまで泳いで手を伸ばし、その人の腕を掴んだ。
が、振り払われた。
「え?」と思っていると、
「これでいいんだ。いいんだ」って途切れ途切れに言われた。
兄貴が呆然としてると、その人は流れの速いところまで自分で泳ぎ、また動かなくなり流されていった。

その日の夕刊に、札内川で自殺したって記事が載ってた。
怖くないけど、切なくなったよ。