翌日すぐに5人で集まった。

なんとA子も同じような目に会っていた。E美さんは特に何もなく、熟睡していたらしいが、普段は大人しい飼い犬が夜中吠えたそうだ。

A子の話によると、昨日解散したあと、家に帰って自室で横になっていると、窓のカーテンに何か人影のようなものが映ったという。
しかしA子の部屋は二階であり、窓に映るのは人の背丈では到底有り得ない。
布団に潜りじっとしていたら、そのうち寝てしまい、もう一度夜中に喉が渇いて起きた時には、もう影はいなくなっていた。

A子「夢かと思ったんだけど」
皆黙り込んでしまった。
B「どうしよか‥」
何をどうすればいいのか、そもそもこれはどうかしなければいけない事なのか、皆は分からなかった。
取りあえず、ネットのあるC宅とE美さんの家で(ド田舎だし、貧乏なのをご理解下さいw)
「そっち系」の事を調べてもらい、残る3人は聞き込みをしてみることにした。

俺らはまず神社に向かった。
神社では大人達が片付けをしていた。
必然的に手伝わされ、親とも会ったが、昨日のことは言わなかった。ただ兄貴には、後で会う約束をして分かれた。

片付けしながら、俺はそれとなく年のいってそうな方々にこの地方の伝承はないかとか、かごめかごめの事とかを聞いてみたが、収穫は無い。
BもA子も同じだった。
さらにはネット組も、成果は無さそうだった。

神社でお祓いをしてもらえればいいのかもしれないが、残念ながらこの神社は神主さんなどおらず、巫女さんすらいない、通常は無人の神社なのだ。

片付けが終わり、A子は一旦帰り、俺は持参したものをBと食べていると、兄がやってきた。今時リーゼントでヤンキーみたいな見た目だが、その通りである。
恥ずかしかったが兄に全部話した。
すると兄は、なんと神社の建物内に侵入しろと言い出した。
何でも中学のとき、ヤンキー仲間と不法侵入したらしいのだ。その時、巻物みたいなものがあったので、何か参考になるかもしれないというのだ。

渋る2人を尻目に、兄はどこかに消えたかと思ったらすぐ現れて、ペンチだとかを持ってきた(兄は工場で働いている)。
その足で大人達がいないのをいいことに、堂々と神社の御堂(?)の扉を開けてしまった。ん、と入り口を指して、入れと促す。

仕方なくBと入ると、御堂の中はひんやりとしていた。小屋のような御堂の入り口の賽銭箱を避けて、ゴメンナサイと思いながら奥へ行くと、兄の言った通り巻物が埃を被っていた。
細くて短めな紙束が、床に、幾つかの山に分かれて積まれていた。
最初から巻物などどうでもよく、すぐ出るつもりだったが、ふと巻物から一本ずつ出ている、こよりみたいなものに書かれた字を見ると、「いろは」順に揃えられているのに気付いた。
Bと「か」の巻物を探して三本持って外に出た。

巻物を兄貴のくれたずだ袋に入れ、今度は5人でC宅に集まることにした。

C宅に着くと、3人はもういて、Bと俺は巻物を見せた。怪訝そうな3人には家の奥底から出てきたと言っておいた。

何でも、こういうものには縋ってみるものである。一本目の巻物を開いた途端、かごめ という字が飛び込んできて、5人で驚いた。
書かれていたのは かごめかごめの怪 であった。
崩した字で丁寧に書かれていて、著者のサインまである。
E美さんがそれを見て、まだ祖父が生きていたとき、神社に偉い神主様が滞在したことがあり、その人じゃないかしら、と言った。

古いのはともかく、字が崩れすぎて読めない。しかし何となく、御塩 だとか書いてあるようなので、かごめの怪を祓うものだと、俺達は何故か確信した。さらに見ていると、最後の方に図説が載っていた。筆でサラサラと、簡単な図が書いてある。
これなら分かる!と5人で喜んだ。
そして本当の最後に、怪ノ明後日迄 とあった。