大学生時代の友人が体験した不思議なお話です。
大学生のころ私は武道にのめりこんでおりました。
勉強とバイト以外はほとんどの時間を武道に費やしておりました。

しかし一緒に武道の稽古をしていた仲の良かった友人の一人に、私とは比較できないぐらいの武道バカがおりました。
バイト等もとくにやっていなかったようで、勉強以外はひたすらトレーニングをしていたようです。
私のアパートに遊びに来て普通の話をしているときですら、ハンドグリッパー(筋トレ器具)で常に握力を鍛えてました。
とにかく体を鍛えるのが好きだったようです。

そんな友人の実家はうるおぼえですが、香川?徳島?(四国だったと記憶しております。)で農業(専業)を営んでおり、人をやっとってやるぐらいの
かなり規模の大きい農家で、夏休みで実家に帰ると必ず農業の手伝いをさせられていたようです。
ただ本人は武道の練習の妨げになると嫌がっており、よくさぼって体を鍛えてといってました。
また運転免許を取ってからは配達等もやらされてたそうです。

親から配達を頼まれ、友人の家から20~30キロぐらい離れた山の中にある農協組合センターというところに一人で野菜を運んだ際
すぐ家には帰らず、車を止め山の中で筋トレやランニングをしていたようで、よく帰りが遅いとよく親に文句をいわれていたみたいです。

ある日山の中をランニングしていると、山の斜面に丸太で簡単に作られた階段があり、そこを上がってみると正方形状に、平たく整備された土地があったようで
「武道の型の稽古をするにはもってこいだな」と思い中に入ろうとしたそうですが、
入り口にお寺や神社で見かけるようなネジネジに巻かれた縄が、跨ぐのも、くぐるのも難しい微妙な位置に掛かっており
その時は入るのをあきらめたとの事です。

数日後、また親に頼まれ農業組合センターに野菜を運びにいった際、いつものように筋トレ、ランニング等で仕事をサボっていたとき
ふと、平たく整備された土地の事を思い出し、もう一度いってそこで練習しようと考え、また階段を登りネジネジの縄の前まで行き
ちょっと考えた後、「跨ぐのは無理なので、服が汚れてもいいから下から入ろう」と、這いつくばるようにして縄をくぐって中に入っていったとの事です。

中は森の木をそこだけ切り取ったように、きれいな正方形状になっていた様で、「だれかここに家でも建てるのかな?」と思っていたようです。
練習を始めようとした時、なぜか?急に指先がピリピリしびれだし、「何か変だな?」と思った時には足のつま先からあたまのってっぺんまで、ピリピリしだしたようで
その時、友人はかなりパニックになったみたいです。

激痛ではなかったようですが、パニックになって大声で「誰か助けてくれ!」と叫んだ様ですが、なぜだか声が出なかったみたいです。
体もうまく動かせず、本人曰く自分の感覚ではずっとスローモーションのように動いていたと言っていました。

心臓発作のような急病にかかったのか?とか色々考えた様ですが、とりあえずここから出ようと、縄が掛かっているところに必死になって
戻ろうとした際、一度森のほうを振り返ってみると、不思議なことに今まで何もなかった土地に突然お寺?のようなものが建っていたみたいです。
本人曰く「普通のお寺ではなく自分の身長より頭ひとつ、二つぐらいの大きさのミニチュアのような?お寺」と言ってました。
それを見た瞬間急に怖くなり、もがくようにして、ようやく縄をくぐって外に出たようですが、汗びっしょで、体がきしむように痛かったとの事です。
たださらに不思議な事に、外に出るとなぜか?そのお寺のようなものは見えなかったそうです。
友人はとても気味が悪くなり、すぐにその場を離れ、車で家に帰ったとの事です。


その後、親に頼まれてもその農業組合センターに野菜を運ぶのを断っていたらしいのですが
ある日どうしてもといわれ、嫌だったのですが父親に一緒についてきてもい、もう一度農業組合センターに野菜を運びに行ったとの事です。

仕事をサボっていたので、今まで理由を親に話していなかったようですが、仕方なく父親に仕事をサボってトレーングをしていたこと、また不思議なお寺の話をしたところ、
当然ながら「そんなことがあるわけないだろう?」と一蹴されたそうです。

父親にその話を証明するため、また友人ももう一度確認してみたかったようで、配達帰りに父親をつれてもう一度その場所を確認しにいったそうです。
階段とその正方形状の土地はまだあったようなのですが、縄がすでに取り外されており、そのときは簡単に中に入れたそうです。
案の定、父親から「なにをいってるんだ?」、「トレーニングのし過ぎで幻覚でも見たんじゃないか?」と皮肉を言われたそうです。
ただ友人曰く、自分が入った時と雰囲気?空気?のようなものが明らかに違っていたといってました。

あまりにも突拍子のない話で、私も正直信じられません。
友人には申し訳ないのですが、私も彼の父親と同じでトレーニングのし過ぎではないかと思っています。
しかし友人は裏表のない人間で、またよい言い方ではありませんが、あまり賢いタイプの人間でもなく
うそをついてるようには思えません。

いつものように握力を鍛えながら、私にこの話をしてくれました。
またその後も相変わらず、武道の稽古に励んでいました。

しかしこの友人以前からよく「山に篭って修行をする」とか言ってましたが
結局一度も山篭りはやらなかった様です。(合宿にはきていましたが)
彼の体験した話はとても信じられませんが、彼がなにか怖い体験をしたのは間違えないと思います。