怖い話らぼ −怪談・都市伝説まとめ−

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カテゴリ:洒落怖 > 洒落怖31‐60

よし、18年ちかくだれにも話したことない話をしよう。 
実話なので地名は伏せます。
直接かかわったわけではないので、何がどうという詳細はよくわかりません。 

現在はもうその土地を引越して、私はすんでおりません。 
いつのころからあるのかは知りません。
私が小学校に通い始め、物心ついたころにはその家はすでにありました。 
結構田舎で、学校に通うのに、あぜ道を毎日かよっていました。 
その途中にある一軒の家の話です。

その家は昔からあるというわけではなく、和風建築の割とあたらしい家でした。 
小学校1年~5年生までの間はなんの噂もなく、私も気にとめておりませんでした。 
5年生の夏の時期にA君が転校してきてから、その家が、なんなのかわかりました。 

その家の話を書く前に、ひとつ予備知識として、
その家のお向かいの家について、説明しないとなりません。 

便宜上お向かいの家を家A。問題の家を家Bとして書きます。 

問題の家の立っている区画は、私が生まれるころくらいからの、
いわゆる新興住宅地とよばれるところでした。
実際に家が建ち、川が整備され、畑もなくなっています。

さて、家Aについてですが、非常に奇妙というか異常というか、 
玄関のどまん前に祠がたっております。 
どれくらいどまん前かというと、玄関あけて1メートルの場所。
道路-門-階段-祠-玄関という普通の1戸立ての家で、でかい屋敷というわけでもありません。 

なぜそんなことになっているのかというと、私が聞いた話では、
家を建てたのはそこに土地をもっていた方で、むかしから住んでいたと。
元々は田んぼで、とりわけなにかしら因縁話もなかったと聞いております。
新しく県道が通るためにその土地を売って、自宅もまぁ開発のために立て直したと、よくある話です。 
そのさいに、その場所にあった道祖神ですか、おじぞうさまも丁寧に祈祷して、場所も移しました。

家Aは何事もなく新築でたち、その家の方も普通に住むようになりました。

しばらくして、ある日を境に、家Aの中で赤ん坊の泣き声がするようになったそうです。
家の人は最初、近所に赤ん坊のいる家族が引越してきた、と思ってたそうなんですが、
夜昼関係なく一日中聞こえるようになって、これはおかしいと思って、ご近所にたずねたみたいです。
するとご近所の人全員、近くに赤ん坊のいる家族が引っ越してきたと。

家Aの人と近所の方が、声の発生場所を探しあてたところ、家Aの地下から声がすると大騒ぎになりました。 
いろいろお祓いとかやったそうですが効き目がなく、
偉い霊能者さんかお坊さまが、「お地蔵様が原因なので、もとの場所にもどしなさい」と。 

そういった経緯で家Aは、私たちの間ではかなーり有名な場所でした。 

小学5年生の時に引っ越していたA君は、その家の向い側の家Bに住んだ友人でした。
A君はたしか、1ヶ月もしないうちに家Bから引越しました。 
まぁ、その時はとくに何事もなかったように時間はすぎ、小学5年の冬に私はべつの土地にうつりました。
生まれ育った場所であり幼馴染もいましたから、しばらくは連絡をとっていましたが、
進学し、社会人になり、すっかりわすれていました。 

先日、幼馴染が結婚するということで、10年ぶりくらいに生まれ故郷にもどり再会しました。 
昔話に花を咲かせてわいわいとしてましたが、
私が「あの地蔵の家まだあるなぁ」といった所から、話が変わっていきました。

ここからは友人Bの話です。
「地蔵の家より、そのむかいの家おぼえてるか?」
「A君家族がたしか住んでたな」と答えました。
「すぐに引越したの知ってるか?」 
私が転校する寸前だったんで、「覚えてる」と答えました。
「なんでか知ってるか?」
「それは知らないな」と答えました。 
どうもその家Bは、なにかしらが出るというのです。 

10年ほどの間に、10世帯以上が出たり入ったり、ボヤが3度あったりしたそうです。
A君家族が引っ越したのも、そのひとつだと。 
原因はまったくわからないそうですが、
友人Bいわく、あの家に1ヶ月以上住んでいた家族はいないと。 
A君家族は何番目に入居したかはしらないが、
家の中で老婆が徘徊していたり、庭に女の子がうろうろしていたり、屋根に男がたってじっと外をみていると、
A君のお母さんが精神的にまいって、家を引っ越したと。 
そのあとも何度かお祓いをしたと聞いたけども、全然おさまっていないと。
高校の時にTV局かラジオ局かが、霊能力者をつれて撮影をやったらしぃが、
霊能者がその家の敷地に入るなりぶっ倒れて、大騒ぎになってそのままおじゃんになったと。 

私は「家Bてなんだよ?」ときいたら、 
「生まれた時から住んでる俺らもわからん。 
 ただ、お墓の土つかってるとか、地下に死体うまってるとか、噂はあるけどどれもほんとかは怪しい。 
 ただ事実として、人は定着しないし、俺も窓に何人も人がたっていて、こっちをじっとみてたのをみたことある。 あそこは何かおかしい。 あぁそうだ。家Bてさ、なんて呼ばれてるかしってるか?」 
「知るわけないだろう」 
「あそこの家ってさ、なんでか知らないけど、敷地が三角形なんだよ。だから三角屋敷て今よばれてんだ。今も空き家だぞ。帰るときに見たらいいよ」 


そういう感じで別れ、帰路に着きました。
もちろん気になったので、帰りに家Bの前を通りのぞきました。 
県道沿いのその家の前には土嚢がつんであり、入り口が見えない状態になっていました。 
見た瞬間に、あからさまにおかしい。 
それ以上は近づかないようにして、家に帰りました。 

その話をきいて、思い出したことがありました。 
10年以上たって、記憶がおかしくなっていたのかと思っていましたが、
あの家Bの屋根の上に何人も人が立って、こっちを見ながらゲラゲラ大笑いをしてたのを、
集団下校してた友人たちと見て、泣きながら走って帰ったことがあったなと。 

なんか途中で家AとBがごっちゃになってないか?

なんにしても不気味な話だ・・・ 
三角っつうとこがまた。 

家A:地蔵の家。赤ちゃんの泣き声のした家。 

家B:三角屋敷。友人Aが住んでた家。 

てことでしょ。ごっちゃにはなってないと思うよ。 

家Aと家Bごっちゃになってませんよ。

家A祠| 県|道 |家B

てゆう感じですね。
行くときは家A側を車で通り、帰りは家B側を通るて感じですね。 

まぁこのちかくには、自殺団地と呼ばれるところもあるんで、なにかしら変な地域かもしれません。

従妹が九州の名家ってのに嫁にいって妊娠したら、
さみしかろーって、私とか姉とか他の従妹達が順繰りに呼ばれたことがあった。 
夏休みの高い時期なのに、飛行機代とかお小遣いまで出してもらって。 
でも、一人づつで変だとは思ったけど。 

家は獄門島とか犬神家みたいに古くて大きかった。 
九州らしく男尊女卑でゲーって家だったけど、若い人は親切だった。 
とにかく行ったら上げ膳据え膳だし、お金バンバンくれるし、料理も酒も旨いし、着物までもらったり。
ねーちゃん玉の輿だなーって、従妹連中みんな驚いてた。 

そしたら、あとで聞いてびっくり。
従妹の結婚した家は、長男の嫁の産む子は男だと流産とか嫁ごと死んじゃうから、
一緒の部屋に嫁の親族寝かせて、そっちを連れて行かせようとする風習らしい。(でも、子供死んでるんだって) 

でも、私を含めて遊びに行った従妹連中みんな元気。
金品いっぱいもらってウハウハでした。
でも、あのいい着物とか帯って、生贄用の晴れ着??やべー

従妹は普通に男の子産んで今は3児の母。
貰った着物と帯で写真館も行ったけど、あれ遺影用??

5人分も招待があったのは、誰か死ぬまでやる気だったのかねぇ… 
私は招待された5人目。
招待されてる間、心霊体験はなかった。
食事が魚ばっかで、ハンバーグとスパゲティ食べたかったことしか覚えてない。

小学3、4年生くらいの頃の話です。

「百物語をやろう」と、誰かが言ったのがきっかけでした。
とはいっても、1人で何十個も怖い話を知ってるわけもなく、10名が1人10個ずつ話す事になった訳です。
私も必死で怖い話を覚えて参加したんです。

まあ100個と言っても、似たような(ほぼ同じ)話もちらほら。
ローソクも2、30本ずつ立てて、残り少なくなったらまた火をつける。
体育倉庫に忍び込んでやってたんで、すごく狭かったんですよね。
私も話し終わり、70話、80話と、どんどん進んでいったんです。
放課後から始めたので、すでに日は落ちかけてます。

そして、最後の人が100話目を話し終え、ローソクを消す・・・
数秒の沈黙が恐怖をかきたてたのだけど、何も起きず。
誰かが「なんだよ、やっぱなんにもおきねーじゃん」と。
私もちょっとだけ期待してたんですが、まあこんなもんかとね。
大体、同じ話とか、ローソクをいっぺんに立てないとか、ダメな要素満点だったし。
でも、それまでのなんともいえない緊張感ってのが楽しかったので、
それなりに満足して、みんなして体育倉庫を後にしていく。

最後に私が体育倉庫のドアを閉めて振り向き、なんとなく人数を数えたんですよ。
1、2、3・・・7、8・・・9・・・??9人?
みんな歩いていたし、最初は数え間違えだと思ったんです。
みんなを呼び止めました。

「ちょっと!!」
あまりにデカイ声だったのでしょう。みんな私のほうを振り向いて、歩みを止めました。
私は無言のまま、もう一度人数を数えました。
・・・やはり9人しかいない。おかしい。
「なあ、誰か先に帰った?」
先頭のほうを歩いてた奴が答えた。
「いや、誰も帰ってないと思うぞ。どしたん?」

私は正直、訳が分かりませんでした。
1人足りなかったんじゃないんです。
問題は、1人足りないと思われる人が、誰か分からないんです。

私は答えました。
「え?だって、10人でやってたでしょ?いま・・・9人だよ・・・?」
みんな人数を数え始めました。
そして、みんなの顔色が、目に見えて変わっていったのが分かりました。
そして、私と同じ疑問を口にしていました。
「なあ・・・誰がいなくなった?」
そうです。確かに1人居なくなったのに、それが誰だか思い出すことが出来ないのです。その場の全員が。

誰かが言いました。
「今日は遅いから帰ろう・・・」
みんな無言で帰っていきました。

次の日からクラスには、誰もいない席が一つ出来ました。
誰かいたような気はするが、先生も含め誰も思い出せません。
名簿にも載っていませんでした。
1人の人間が消えたという事実が、あったかどうかすらあやふやになってしまいました。 


それから10年以上たちます。
今では百物語をやった事すら、記憶から消えようとしています。
でも、たしかに最初はいたのです。
誰も覚えてません。これからも思い出すことはないでしょう・・・
永遠に消えた、クラスメートの存在を・・・

5年前、私が中学だった頃、一人の友達を亡くしました。
表向きの原因は精神病でしたが、実際はある奴等に憑依されたからです。
私にとっては忘れてしまいたい記憶の一つですが、
先日古い友人と話す機会があり、あのときのことをまざまざと思い出してしまいました。
ここで文章にすることで、少し客観的になり恐怖を忘れられると思いますので、綴ります。

私たち(A・B・C・D・私)は皆家業を継ぐことになっていて、高校受験組を横目に暇を持て余 していました。
学校も、私たちがサボったりするのは受験組の邪魔にならなくていいと考えていたので、
体育祭後は朝学校に出て来さえすれば、後は抜け出しても滅多に怒られることはありませんでした。

ある日、友人A&Bが、近所の屋敷の話を聞いてきました。
改築したばかりの家が、持ち主が首を吊って自殺して一家は離散、空き家になってるというのです。

サボった後のたまり場の確保に苦労していた私たちは、そこなら酒タバコが思う存分できると考え、
翌日すぐに昼から学校を抜けて行きました。
外から様子のわからないようなとても立派なお屋敷で、こんなところに入っていいのか少しびびりましたが、
ABは「大丈夫」を連発しながら、どんどん中に入って行きます。
既に調べを付けていたのか、勝手口が空いていました。
書斎のような所に入り、窓から顔を出さないようにして、こそこそ酒盛りを始めました。

でも大声が出せないのですぐに飽きてきて、5人で家捜しを始めました。
すぐCが「あれ何や」と、今いる部屋の壁の上の方に気が付きました。
壁の上部に、学校の音楽室や体育館の放送室のような感じの小さな窓が二つついているのです。
「こっちも部屋か」
よく見ると壁のこちら側にはドアがあって、ドアはこちら側からは本棚で塞がれていました。
肩車すると、左上の方の窓は手で開きました。
今思うと、その窓から若干悪臭が漂っていることに、そのとき疑問を持つべきでした。
それでもこっそり酒を飲みたいという願望には勝てず、無理矢理窓から部屋に入りました。

部屋はカビホコリと饐えたような臭いが漂っています。雨漏りしているのか、じめっとしていました。
部屋は音楽室と言えるようなものではありませんでしたが、
壁に手作りで防音材のようなものが貼ってあり、その上から壁紙が貼ってあることはわかりました。
湿気で壁紙はカピカピになっていました。
部屋の中はとりたてて調度品もなく、質素なつくりでしたが、小さな机が隅に置かれており、
その上に真っ黒に塗りつぶされた写真が、大きな枠の写真入れに入ってました。
「なんやこれ、気持ち悪い」と言って、友人Aが写真入れを手にとって持ち上げた瞬間、
額裏から一枚の紙が落ち、その中から束になった髪の毛がバサバサ出てきました。
紙は御札でした。
みんなヤバと思って声も出せませんでした。
顔面蒼白のAを見て、Bが急いで出ようと言い、逃げるようにBが窓によじ登ったとき、
そっちの壁紙全部がフワッとはがれました。
写真の裏から出てきたのと同じ御札が、壁一面に貼ってありました。

「何やこれ」
酒に弱いCは、その場でウッと反吐しそうになりました。
「やばいてやばいて」
「吐いてる場合か急げ」
よじのぼるBの尻を私とDでぐいぐい押し上げました。
何がなんだかわけがわかりませんでした。
後ろではだれかが「いーーー、いーーー」と声を出しています。
きっとAです。祟られたのです。
恐ろしくて振り返ることもできませんでした。
無我夢中でよじのぼって、反対側の部屋に飛び降りました。
Dも出てきて、部屋側から鈍いCを引っ張り出そうとすると、「イタイタ。引っ張んな足!」とCが叫びます。
部屋の向こうではAらしき声が、わんわん変な音で呻いています。
Cはよほどすごい勢いでもがいているのか、Cの足がこっちの壁を蹴る音がずんずんしました。

「B!かんぬっさん連れて来い!」
後ろ向きにDが叫びました。
「なんかAに憑いとる!裏行って神社のかんぬっさん連れて来いて!」
Bが縁側から裸足でダッシュしていき、私たちは窓からCを引き抜きました。
「足!足!」
「痛いか?」
「痛うはないけど、なんか噛まれた」
見ると、Cの靴下のかかとの部分は丸ごと何かに食いつかれたように丸く歯形がついて、唾液で濡れています。
相変わらず中からはAの声がしますが、怖くて私たちは窓から中を見ることができませんでした。
「あいつ俺に祟らんかなぁ」
「祟るてなんや、Aはまだ生きとるんぞ」
「出てくるときめちゃくちゃ蹴ってきた」

「しらー!」
縁側からトレーナー姿の神主さんが真っ青な顔して入ってきました。
「ぬしら何か!何しよるんか!馬鹿者が!」
一緒に入ってきたBは、もう涙と鼻水でぐじょぐじょの顔になっていました。
「ええからお前らは帰れ。こっちから出て、神社の裏から社務所入って、ヨリエさんに見てもらえ。
 あと、おい!」
と、いきなり私を捕まえ、後ろ手にひねり上げられました。
後ろで何かザキっと音がしました。
「よし行け」
そのままドンと背中を押されて私たちは、わけのわからないまま走りました。

それから裏の山に上がって神社の社務所に行くと、中年の小さいおばさんが白い服を着て待っていました。
めちゃめちゃ怒られたような気もしますが、それから後は逃げた安堵感でよく覚えていません。


それからAが学校に来なくなりました。
私の親が神社から呼ばれたことも何回かありましたが、詳しい話は何もしてくれませんでした。
ただ、山の裏には絶対行くなとは言われました。
私たちもあんな恐ろしい目に遭ったので、山など行くはずもなく、学校の中でも小さくなって過ごしていました。

期末試験が終わった日。生活指導の先生から呼ばれました。
今までの積み重ねまとめて大目玉かな、殴られるなこら、と覚悟して進路室に行きました。
すると私の他にもBとDが座っています。神主さんも来ていました。生活指導の先生などいません。
私が入ってくるなり神主さんが言いました。
「あんなぁ、Cが死んだんよ」
信じられませんでした。
Cが昨日学校に来ていなかったことも、そのとき知りました。
「学校さぼって、こっちに括っ取るAの様子を見にきよったんよ。
 病院の見舞いじゃないとやけん、危ないってわかりそうなもんやけどね。
 裏の格子から座敷のぞいた瞬間にものすごい声出して、倒れよった。
 駆けつけたときには、白目むいて虫螺の息だった」
Cが死んだのにそんな言い方ないだろうと思って、ちょっと口答えしそうになりましたが、
神主さんは真剣な目で私たちの方を見ていました。
「ええか、Aはもうおらんと思え。Cのことも絶対今から忘れろ。
 アレは目が見えんけん、自分の事を知らん奴の所には憑きには来ん。
 アレのことを覚えとる奴がおったら、何年かかってもアレはそいつのところに来る。来たら憑かれて死ぬんぞ。
 それと、後ろ髪は伸ばすなよ。
 もしアレに会って逃げたとき、アレは最初に髪を引っ張るけんな」

それだけ聞かされると、私たちは重い気持ちで進路室を出ました。
そのとき神主さんは、私の伸ばしていた後ろ毛をハサミで切ったのです。
何かのまじない程度に思っていましたが、まじないどころではありませんでした。
帰るその足で床屋に行き、丸坊主にしてもらいました。

卒業して家業を継ぐという話は、その時から諦めなければいけませんでした。
その後私たちはバラバラの県で進路につき、
絶対に顔を合わせないようにしよう、もし会っても他人のふりをすることにしなければなりませんでした。

私は1年遅れて隣県の高校に入ることができ、過去を忘れて自分の生活に没頭しました。髪は短く刈りました。
しかし、床屋で「坊主」を頼むたび、私は神主さんの話を思い出していました。
今日来るか、明日来るか、と思いながら、長い3年が過ぎました。

その後、さらに浪人して、他県の大学に入ることができました。
しかし、少し気を許して盆に帰省したのがいけませんでした。
もともと私はおじいちゃん子で、祖父はその年の正月に亡くなっていました。
急のことだったのですが、『せめて初盆くらいは帰ってこんか』と電話で両親も言っていました。
それがいけませんでした。

駅の売店で新聞を買おうと寄ったのですが、中学時代の彼女が売り子でした。
彼女は私を見るなりボロボロと泣き出して、BとDがそれぞれ死んだことをまくし立てました。

Bは卒業後まもなく、下宿の自室に閉じこもって首をくくったそうです。
部屋は雨戸とカーテンが閉められ、部屋じゅうの扉という扉を封印し、
さらに自分の髪の毛を、その上から一本一本几帳面に張り付けていたということでした。
鑞で自分の耳と瞼に封をしようとした痕があったが、最後までそれをやらずに自害したという話でした。

Dは17の夏に四国まで逃げたそうですが、
松山の近郊の町で、パンツ1枚でケタケタ笑いながら歩いているのを見つかったそうです。
Dの後頭部は烏がむしったように髪の毛が抜かれていました。
Dの瞼は閉じるのではなく絶対閉じないようにと、自らナイフで切り取ろうとした痕があったそうです。

このときほど中学時代の人間関係を呪ったことはありません。
BとDの末路など今の私にはどうでもいい話でした。
つまり、アレを覚えているのは私一人しか残っていないと、気づかされてしまったのです。

胸が強く締め付けられるような感覚で家に帰り着くと、家には誰もいませんでした。
後で知ったことですが、私の地方は忌廻しと云って、
特に強い忌み事のあった家は、本家であっても初盆を奈良の寺で行う、という風習があったのです。
私は連れてこられたのでした。

571 :あなたのうしろに名無しさんが・・・ :02/05/02 21:17
それから3日、私は39度以上の熱が続き、実家で寝込まなければなりませんでした。
このとき私は死を覚悟しました。仏間に布団を敷き、なるだけ白い服を着て、水を飲みながら寝ていました。

3日目の夜明けの晩、夢にAが立ちました。
Aは骨と皮の姿になり、黒ずんで、白目でした。
「お前一人やな」
「うん」
「お前もこっち来てくれよ」
「いやじゃ」
「Cが会いたがっとるぞ」
「いやじゃ」
「おまえ来んと、Cは毎日リンチじゃ。逆さ吊りで口に靴下詰めて蹴り上げられよるぞ、かわいそうやろ」
「うそつけ。地獄がそんな甘いわけないやろ」
「ははは・・・地獄か、地獄ちゅうのはなぁ」

そこで目を覚ましました。
自分の息の音で喉がヒイヒイ音を立てていました。
枕元を見ると、祖父の位牌にヒビが入っていました。

私は考えました。
アレの話を私と同じように多くの人に話せば、アレが私を探し当て、私が憑依される確率は下がるのではないか。
ここまでの長文、たいへん失礼しました。おおざっぱな書き方では、読んだ方の記憶に残らないと思ったのです。
読んだ方は申し訳ないのですが、犬に噛まれたとでも思ってください。
ご自分の生存確率を上げたければ、この文章を少しでも多くの方の目に晒すことをおすすめします

俺がリア消4年の頃だから、もう20年くらい前のことなんすけど、
1コ上の友達に、ちょっとキワイ感じのノエ君(本名は忘れた)って子がいたんですよ。
彼は山の生き物が大好きで、レア種をゲットするためには手段を選ばない。
ヒラタクワガタを捕まえるために山火事を発生させたり、
コウモリを集めるためと称して有線放送をジャックし、集落をパニックに陥れたりと、
ほとんどテロ行為に近い無法者っぷりで町中に悪名を轟かせてました。

そんなノエ君が、ある時期を境に狂気のコレクションをピタリと止めてしまったんです。
「××ため池の水を抜くらしいぞ。スッポンや鯉の掴み取りパーティーだぜ!」
そんな誘い水を撒いても一向に乗ってこない。
今までのノエ君なら、学校を早退しかねない位おいしい話なのに…
「ノエ君日和っちまったんじゃねー?」「ちょっとガッカリもんだよな」
「見たくねーよ、そんなノエ君」「何があったんだよ?」「ママに止められたってか?」
俺たちが軽く煽りを交えつつ尋問しても、ノエ君はなかなか話したがりません。
ギリギリの交渉の末、銀のエンゼル3枚でようやくオトしました。
「…このあいだから、大城の森に行ってたんだよ…」
そこはマムシ多発地帯で、大人でも立ち入る者は少ないデンジャーゾーンです。
穴場探しのためだけに一人でそんなところへ行くノエ君はやはりハンパねェー。
「…したら、でっけー水たまりがあったんだよ。昨日まではなかったんだぜ」
ノエ君が近づいてみると、水面下で何かがうねうねと蠢いている様子。
覗き込んでみると、真っ黒なイモリが数え切れないくらい折り重なってました。
「見たことないくらいデカいイモリでさー、思わず両手でガバって掴んじまって」
すぐさまひっくり返して赤と黒の斑模様が毒々しい腹を確認。ノエ君うっとり。 


「でさ、この場所を秘密にしようと思ってさ、罠仕掛けて隠したんだよ」
この辺の思考回路は何となく判るんですが、そこからが本領発揮です。
森を出たノエ君は、畑から盗んだ有刺鉄線を巻いて水たまりの上に被せました。
その上から木の枝や葉っぱで覆ってトラップ完成。
全ての作業を素手でやったので両手は血だらけになったみたいですが、ノエ君は全く気にしていない様子。
「手大丈夫だったの?」
「いやーそれがイモリ触ってゴム臭くてさー、洗ってもなかなか取れないんだよな」
当然、誰かが間違って踏んだらどうなるんだろう?みたいな懸念は眼中無しです。
万全のセキュリティ対策を終えたノエ君は、森を出て家に帰りました。
次の日の放課後また森にやって来たノエ君は、警備システムに異常を発見。
「木の枝なんかが退かせてあって、鉄線の棘に布や血みたいなのが付いてたんだよ」
ここは誰かに狙われてる……そう思いこんだノエ君は矢も楯もたまらず、
無我夢中で有刺鉄線をひっつかんで退かせました。やっぱり素手で。
水たまりの底には……いました。昨日と同じように無数のヤモリの群がうねうねと。
安堵のあまり兵士のように膝を突いたノエ君の耳にあらたな異変が。
─wwヘ√レvvw^ ピ──ヘ√レvv────!!
まるで短波ラジオをチューニングしているかのような、耳をつんざく高周波音!
誰かが有線放送を使ってコウモリを捕まえようとしている!!
特許を侵害された憤りもあらわに、後ろを振り向くノエ君。
その目に奇妙なものが飛び込んできました。 


森の入口に、一見ヒトのようなものが立っている。
ヌーンと突っ立ているそいつが高周波の発生源のようですが、口が閉じてます。
無表情、と言うかノッペリした顔は、まるで選挙のポスターのよう。
──wピwヘ√レvw^ ──ヘ√レvキュル───!!
さすがに気味が悪くなって脇に退くと、
そいつはノエ君の目の前をスーッと横切って水たまりの方へ向かいました。
その時、そいつが異様に薄っぺらいのに気が付きました。
厚さは5センチくらいしかない体のツルリとした表面に、ヒトの姿、服や手足、顔などが印刷されたように描かれています。
薄っぺらいヒトのようなそれは、水たまりの縁で止まると、急に音を出すのを止めて、ゆっくりと溶けはじめました。
イモリの群れがビチビチと暴れだしたのが見えます。
それを見たノエ君の勇者魂に火がつきました。
「オレのイモリに何するんだ!」
こんな状況下で堂々と既得権を主張する人類代表ノエ君。
しかし、そんなド根性っぷりもそいつには通じませんでした。
──wケwヘ√レvw^ オレ──ヘ√レvするんだ───!!
そいつは鳴き声?をノエ君の声に変化させながら、ヌヌヌ──ンと伸び上がり、こっちへ向かってくる様子…
さすがにヤバイと感じたノエ君は、身を翻すと一目散に逃げ出しました。
──wレwヘ√レvw^ヘ√レvにするんだ───!オレのイモリニナニスるんだ───!
後ろから甲高い自分そっくりの声が追いかけてくるのを振り切って、ノエ君は森を脱出しました。


「…で、次の日に行ってみたんだけど、水たまりなんて跡形もねーんだ」
それでガックリきたノエ君は、しばらくは大人しくしていようと誓ったようです。
「だって、そんなのと競争したって勝てねーだろ」
なんだかイイ加減な説明だし、聞いて損したみたいな空気になって、銀のエンジェルは2枚しか渡しませんでした。
ノエ君は平気で嘘を付くような人間だったので、本当のところ何があったのかは分かりません。
案外、ママに止められた、というのが真相のような気もします。
そんなノエ君も、翌年には堂々復活。
××ため池の水を抜く際にフライングで池に入り、排水溝に詰まって溺死しました。

おしまい

もう15年も前の話。

当時俺は小田急線の経堂に住んでてさ、夜中に城山通り沿いのコンビニに、夜食を買いに行った。
自転車で城山通りを走ってて、コンビニの近くのバイク屋の前を通りかかった時、なんか焦げ臭い匂いがして止まったんだ。
バイク屋はシャッターが閉まってて、中で誰か作業でもしてんのかなと思ったけど、気になったんで建物の横にいってみた。
そしたら、そのバイク屋の2階の窓が開いてて、そこから薄っすらと煙が出てる。
2階は電気もついてなく真っ暗で、もしかして火事?と思って見上げてた。
そしたらその窓から、白い下着?かワンピースみたいな服を着たお婆さんが顔を出した。
俺は真下にいたんで、思いっきり目があっちゃった。
もし火事とかだったら、その段階で何か言ってくるだろ?助けて、とか。
でもお婆さんは、何も言わず俺の顔を見てる。
あまりにも普通なんで、何か気まずくなって、小さな声で「大丈夫ですか?」って聞いたら、
余計なお世話だ、って感じで、何も言わずにすーっと窓を閉められちゃった。
こりゃ、サンマでも焼いてたかな?なんて思って、もう行こうとしたんだけど、
どうも気になっちゃって立ち去れずにいたら、都合よく道の反対側を自転車のおまわりさんが通りかかった。

俺はおまわりさんを呼んで、「何かこの家変ですよ」って言って、二人でバイク屋の裏側に回ってみた。
裏に回ってみると、バイク屋の2階は住居になってて、そこのドアの隙間から明らかに異常な量の煙が出てた。
俺は慌てて、おまわりさんに「中にお婆さんがいます!」って言ったら、おまわりさん、ドアを体当たりで開けちゃった。
その瞬間、ものすごい量の煙が噴出してきて、俺はギブアップ。
おまわりさんは何とか中に入って、お婆さんを助けようとしてた。
そこはアパート密集地帯だったんで、俺はとにかく大声を出しながら、裏の部屋の扉を叩きまくった。
そしてまわりの住民と、今思えば笑っちゃうけどバケツリレー。
そんなもんで消えるはずもなく、火はどんどん広がっていって、
俺はもう完全にお婆さんのことはあきらめてて、「もう危ないからみんな避難した方がいいよ」なんて言ってた。
そしたら、やっぱりおまわりさんはすごいもんで、とうとう燃える家の中から真っ黒な顔をして担ぎだしてきた。
俺達も手を貸して安全なところに横たわらせて、よく見たらそれはお爺さんだった。着てるものも全然違う。
ありゃーと思って見上げたけど、どう考えてももうお婆さんの救出は不可能。
やっと消防車が駆けつけて消火を始めた時には、2階は火の海だった。


その後、お爺さんは一命を取りとめたらしい。
お爺さんはバイク屋とは無関係で、2階を借りてただけ。
家賃もかなり滞納してたようで、自殺?って可能性が高いみたいな話を聞いた。
俺はその後第一発見者ってことで、消防から賞状をもらった。

ところでお婆さんなんだけど、そんな人いないんだって。
お爺さんはずっと一人暮らしだったらしい。
警察も消防も、お爺さんと見間違ったんでしょって、さらっと流しやがった。
見間違いのはずないんだけど。
だって助け出されたじいさんはハゲ頭だったけど、俺はばあさんの髪型まで覚えてるし、
何よりも、俺の目の前で窓を閉めやがったんだぜ。

小さい頃、たまに遊びに行く公園に、髪の毛の長いお姉さんが居ました。
子供心に、変な雰囲気を持っていたお姉さんだった事を覚えている。
初めて会ったときからやたら気に入られて可愛がられていた。
最初は「名前なんていうの?」とか、「どこに住んでるの?」など、
たわいも無い話をしながら、遊び相手になってもらっていた。
お姉さんは猫が好きらしくて、よく公園に集まる野良猫に餌をあげていました。

私はお姉さんと良く会うK公園よりも、少しはなれた所のT公園の方が好きだったので、
何日かK公園に行かなかった日もあった。
久しぶりにK公園に行くと、いつも座っているベンチにお姉さんはいて、ネコに餌をあげていました。
お姉さんに声をかけると、
「Yちゃん!なんでここに来なかったの!?
 ここにきてお姉ちゃんと遊ばなきゃいけないのよ!?」
と大声を出され、ビックリして怖くなった私は、それからはK公園に行くことは少なくなりました。

しばらくして、久しぶりにK公園に行くと、やっぱりそこにはお姉さんがいました。
今日は友達たくさんと来たし、お姉さんと遊ばなくていいやと、お姉さんを無視して遊んでいました。
すると、いつの間にか私の傍に来て、
「Yちゃん、お姉さんのうちに遊びに来ない?」と、声をかけてきました。
「知らない人についてっちゃいけないんだもん」と言うと、お姉さんは笑って、
「お姉ちゃんは知らない人じゃ無いでしょ?それにお姉ちゃんの家はそこのアパートなのよ」
と、公園の隣のアパートを指差しました。
そこで安心してしまった私は、「じゃあ、行く」と、お姉さんと公園を出てアパートに向いました。 

お姉さんの部屋はアパートの一階の一番手前の部屋だったので、何となく安心しながら部屋に入ると、
部屋はネコだらけでした。
見渡す限りネコ、ネコ、ネコ!
小さいアパートの1室に、30匹位のネコが犇めき合っていました。
何となく異常な感じがして、お姉さんに「私、やっぱし帰る!」と言うと、
お姉さんは私の腕をつかみ、
「お姉さん子供が欲しいの。でも子供できない身体なのよ。
 だからネコを、子供と思って可愛がってるの。
 ねえYちゃん、私の子供になって。私と一緒に暮らそう?」
と言って腕を放してくれません。
「Yちゃん、お姉ちゃんのこと好きでしょう?」
と言いながら、どんどん私を部屋の奥にまで押して行きます。
今まで見慣れていたはずのお姉さんの顔が、知らない人のように見えました。
目がギラギラしていて、口の形が奇妙にゆがんでいました。
お姉さんに見つめられてるだけじゃなく、周りにいるネコも私の事を見ているように思えて、怖くて声が出なくなりました。

その後どうやって部屋から脱出したのかは覚えていないのですが、その日から私はK公園にいくことはありませんでした。
怖くてお母さんに話すことも出来ませんでした。

何年か経って、あのアパートの前を通る度に、あのお姉さんは今何をしているんだろうと思います。 


なんか母から、シャレにならない情報引きずり出してしまいました…。
ちょっと、混乱中です。
っても、あんまりたいした話じゃないんですが。 


母に問いただしてみたところ、母が言うには、
「ああ、あのOOさんとこの下の、おかしかった人ねえ。よく知ってるわね?」
ハイ?
「いや、って言うか、頭がおかしいって何?」
「いきなり奇声上げたり、刃物を振り回してみたり、
 それになんか、小さい子を無理矢理連れ込んで何日も閉じ込めたり、色々イタズラしていたみたいよ」
「い…イタズラ?」
「だから警察に捕まったんだけど、ちょっとオカシイ人だったみたいで、その後引っ越したって聞いてるけど?」
「そんな人が…家の近くにいたんだ…」
「なんか、猫の死体もいっぱい出てきたみたいだし、結構大騒ぎになったのよ。匂いも凄かったらしくて」
「猫の死体!?」
「でもお母さんも、よくスーパーで猫を身体に巻きつけてるの見たわ~」
「何っ!?」
「猫をね、おんぶヒモで、グルグルに身体に巻きつけてるのよ。赤ちゃんの代わりみたいに。
 でもね、大体まき付けられているネコちゃん、死んでるの」

母との会話そのままです。

私は本当に一体、どうやって脱出したんでしょうか?
私は…本当に何もされて無かったのでしょうか? 

『おあし』という神様の話。

父が若いころ、家に親戚のお嬢さんを預かっていたらしい。
お嬢さんはまだ高校生で、家庭の事情でしばらく父の家から学校に通っていた。
父の実家は当時商売をやっていたので、若い男が何人か住み込んでおり、
そのうちの一人とお嬢さんは、なんかいい感じになってきていたらしい。

ある日、お嬢さんとその若い人が一緒にコタツに入っていた。
が、しばらくして、男は真っ青になって上に上がっていったと思ったら、
従業員用になってた部屋からすごい悲鳴が聞こえた。
普段おとなしい男なのに、何事かと思った祖父をはじめとした父の家族はあわてて二階に行ってみると、
男が泡を吹いていた。完全に白目をむいていて、死んでいるのかと思い父は相当びびったそうだ。 


その男はその日はそれっきり気がつかなかったので、看病は祖父母に任せて父は寝たらしい。お嬢さんも寝たそうだ。

次の日、男が起きてきたので、いったい何があったのか問い詰めた。
話すのを嫌そうにしていたが、なだめすかして話させると、こういうことだった。

昨日お嬢さんとコタツに入っていたら、足が自分のひざあたりにあたる。
最初はただあたっているだけだったけど、だんだんひざから太ももの辺りをなでるように動きだした。
お嬢さんとその男はいい感じになってきていたから、それでお嬢さんがそうしているのだと思って、
男はどきどきしながら、その足を触ってみたら、毛むくじゃらで筋骨たくましい男の足としか思えない足だった。
ぎょっとしてお嬢さんを見たら、なんか恥ずかしそうにうつむいていて、
それで男は、男みたいな足だけどお嬢さんの足なのかと、釈然としないながらもその足を触っていた。
しばらくすると、お嬢さんがコタツをでた。でも男は足を触ったままでいた。
わけがわからなくなって、コタツ布団をめくると何もない。
気分が悪くなった男は、二階に上がって寝ようとした。
布団に入ってしばらく震えていたら、またさっきと同じ感触がしだした。
思わず飛び起きて布団をはいでみた。


そしたら、そこには黒々とした脛毛のたくさん生えた、紛れもない男の筋骨たくましい足が転がっていて、
しかも親指をくいくいっと動かしたそうだ。
足の裏にはマメらしきものがあるのもはっきり見えたという。
男は思わず悲鳴をあげ、そのあとは朝起きるまで気がつかなかったのだ。

それから、その男はしばらく父の家で働いていたけれど、
夜は時々同じように悲鳴を上げて家中を騒がせるし、
何より布団やコタツといった、めくって中に入るものを怖がるようになり、
だんだん精神的に不安定になったので、実家に帰らせたそうだ。

男がそんな状態になったとき、お嬢さんは「それはきっと『おあし』だ」といったそうだ。
お嬢さんは特に怖がる様子もなかったとか。
なんでもどこの地方か忘れたけど、どっか東北のほうで言い伝えられている神様(だか精霊だか)らしく、
お嬢さんはその地方の人だったとか。

そのお嬢さんというのとは父もそれきり会ったこともないし、今どうしているのかも知らないので、
詳しい話を確かめてみたいと思うけれどそれもできない。

大学生になって、最初から一人暮らしはきついので下宿にすると言った時、
率先して下宿選びを手伝ってくれたじいちゃん(今は故人)の若き日の体験談。

昭和2X年のこと。
18歳のじいちゃんは父親と衝突して、故郷を飛び出し単身上京したが、
勤め先で訛りをさんざん馬鹿にされ、傷心の日々を送っていた。
じいちゃんが入った下宿屋には、同じような若者が大勢いた。
そんなじいちゃん達の母親代わりとなったのは、下宿屋のおばちゃんだった。
『お祖師さま』の熱心な信徒さん(じいちゃんにはそう見えた)だったそうで、
そんなこともあってか、孤独なじいちゃんたちに何くれと無く世話を焼いてくれた。 


そんなある日のこと、おばちゃんが妙に熱っぽい目つきでじいちゃんに言った。
「日曜にちょっとした寄り合いがあるんだけど、あんた一緒についてきてくれる?」
じいちゃんは面倒臭かったが、暇だったので同行すると、
集会所のような所で大勢の人が、変な経典っぽい本を読んだり、狂ったようにお題目を大合唱していた。
じいちゃんは戦時中、疎開先の近所から朝晩聞こえる、
T教の『た~すけたまえ』の歌がうるさくて仕方なかったことを思い出して、猛烈に嫌な気分になった。
だからその後は、おばちゃんに誘われても何かと理由をつけて断っていた。
おばちゃんはじいちゃんにずっと付きまとうかと思いきや、意外にもあっさり退き下がったので、
すっかり安心して、いつもと変わらない生活を続けていた。


それから暫くたった、ある日の夕方――
勤めから帰ったじいちゃんが角を曲がると、下宿の中から大音量でお題目が聞こえてきた。
「今度は自分の家で寄り合いか?うるせ~な~」と思いつつ玄関の格子戸を開け、靴を脱いで、
茶の間をひょいと覗き込んだじいちゃんは仰天した。
おばちゃんを中心に円座していたのは、じいちゃん以外の下宿人全員だった。
じいちゃんはようやく気が付いた。
この春下宿に入居した人間は、じいちゃんを除いて全員おばちゃんに洗脳されてしまったのである。
今や外堀を埋めきったおばちゃんは、玄関にいるじいちゃんを見るとにっこり笑った。
「もうあんた一人だけだよ。いつまでも意地を張っても仕方ないよ」
そう言いながらおばちゃんが立ち上がると、下宿人たちも一斉に立ち上がった。
そして、全員が玄関にいるじいちゃんを真っ直ぐ見つめ、掴まえようとズンズン迫ってきた。
もうここにはいられない。
じいちゃんは履物を掴んだまま廊下に上がると、彼らを投げ飛ばし、
脱兎のごとく2階に駆け上がり、自室のドアに錠をかけた。
ボストンバッグに金目の物(大して無かったが)を詰め込むと、
窓から屋根伝いに脱出して、同郷の先輩の家に駆け込んだ。


宿無しになったじいちゃんは下宿とは完全に連絡を絶ち、その家の納戸に寝泊りしていたが、
おばちゃんはあの手この手でじいちゃんを抱き込もうと、しつこくしつこく迫ってきた。

最も辛かったのは、事故って暫く入院した時に、
どこで調べたのか(医者か看護婦に信者がいて手引きした?)おばちゃんが花束持って現れて、
ベッドで動けないじいちゃんに、毎日毎夜法話みたいなものを続けたこと。

退院後は、自分のせいで迷惑かけないように先輩の家も出て、
会社の倉庫の鍵のかかる2畳くらいのスペースに寝泊りする日々。
どこにいてもおばちゃんの手先がいるような気がして、ノイローゼ寸前だったが何とか持ちこたえた。
攻防は半年余り続いたが、次の年の春になると唐突に止んで、それっきりだった。
多分、新しい奴が下宿に入ったんだろうが、何とかじいちゃんは逃げ切れたのだった。

つい先ほど、11時頃の出来事です。

犬の散歩に出ました。
大通りを歩いていると、犬がンコを始めたので待っていると、
10メートルほど先に車が止まって、誰かを乗り降りさせている様子。
ごく普通の出来事なので、気にも留めませんでした。

ンコを拾っていると、先の信号が赤なのか、その車がちょうど私の横に止まりました。
何気なく車を見ると、運転手が変な動作をしているんです。
助手席には誰も乗っていないのに、まるで助手席には誰かが乗っているように話しているんです。
「犬がいるよ、見てごらんよ」
そんな感じでこちらを指差しながら、助手席の人に話しかけている様子です。
左手を助手席の人の肩に手を回すような仕草もしているんです。
けれども、助手席には誰も乗っていません。
まるでパントマイムを見ているみたいです。 


すると、散歩中に他の犬に威嚇されても吠えたことの無いうちの犬が、
車の助手席の方に向かってすごい勢いで吠え始めました。
飛びあがって歯をむき出して、今にも襲いかかりそうな勢いです。
今まで飼っていてそんな姿を見るのが初めてだったので不思議でした。
犬を叱っていると、車が私の視界の横に入ってきました。
すると、助手席に乗った若い女性が、運転手に抱き着いている姿が見えました。
信号が青になったのか車は走り出しましたが、蛇行して危ない運転をしながら去って行ったのです。

私がンコを拾っていたところから次の信号までの間に、2カ所花が添えられている場所があります。
ひとつは珍の自爆、もうひとつは泥酔運転の自爆で、いずれも男性です。
若い女性が亡くなった話は聞いたことがありません。
あの車はその後、大丈夫だったのでしょうか。

私がまだ小学校の頃の話。

その頃団地に住んでたが、うちの真下の階に同級生の子(仮にA)が引っ越してきた。
特には仲良くなかったけれど、家が一階違いだし同じ学校なので、それなりに仲良くなってきた。

ある日、Aが「うちには神様がいる」と言いだした。
私はあまり気にも留めずにいたが、その日の夕食の時に、何気なくその事を両親に話して聞かせた。
すると母は、Aの家がいかがわしい宗教団体に入っていることを教えてくれた。
Aの母親は殆ど家から出ず、その宗教団体の会合の時だけ外出する、といった感じだったらしく、
時刻を問わず階下から変なお祈りが聞こえて、気味が悪いと言った。

数日後の夕方、学校から帰ってくると家には誰もいなかったので、一人で漫画を読んでいた。
すると階下から、物凄い勢いでお祈りが聞こえてきた。
その日はいつもより酷く、お祈りというか、うめき声のように聞こえた。
一向にやむ気配がなく、段々酷くなってくるので、心配になってAの家に行ってみた。
その日までAの家の中には入ったことがなかったので、何となく気が引けながら呼び鈴を押した。
すぐにAが扉から出てきた。
扉が開くと、声にならないうめき声が充満していた。
Aは私を見るなり必死な顔をして、「神様が暴れ出した!たすけて!」と言った。
部屋の中はまだ夕方の早い時間なのに、カーテンを締め切っているせいで薄暗かった。
Aに案内されるままに一番奥の座敷にいった。
そこには豪華な祭壇があり、Aの母親が必死に何者かをなだめていた。
それが神様だった。うめき声の主はその神様だった。
神様は祭壇に祭り上げられていた。
手足を椅子に縛り付けてあり、髪は綺麗に剃り落とされていた。
酷く衰弱しており、うめき声もかすれていたが、かすかに聞き取ることができた。
「カ…ミ…サ…マ…」
そう言っていた。 

後日談。
Aの両親は娘が生まれた時、教祖に「この子は神様の生まれ変わりだ」と言われたらしい。
それ以来、彼らは娘を神様だと思い込み、祭壇に祭っていた。
保護されるまで5年近くも手足を椅子に括りつけられたままだった。
そのせいか手足は大きく捩れていた。

娘が生まれてから家庭内では殆ど会話はなかった。
彼らは毎日“神様”にお供え物として少量の食物を食べさせていた。
娘は喋る能力はなかったが、毎日聞かされていたのだろう、『カミサマ』という言葉だけは覚えていた。

俺はべつに霊感とかない人間なんだが、一度だけ恐かった思い出がある。
5年前の夏、たしか7月の話。

当時俺はいい年をしてサバイバルゲームにはまってた。
知らない方のために解説すると、おもちゃの空気銃を撃ち合う陣取り合戦みたいなもんなのね。
夏場は(昼間は暑いこともあり)もっぱら夜戦が専門で、
その週末も、北関東T木県のK怒川の河原に十数人が集合して、夜戦に興じていた。

時計を合わせた覚えがあるから、深夜1時少し前だったと思う。
何回目かのゲームで、俺はフラッグ(相手の陣地のフラッグを取った方が勝ちになる)のディフェンスになり、
フラッグの後方で藪に身を潜めて待ち伏せをかけてた。
今回俺のいたチームは優勢で、はるか彼方の敵陣地深くからエアガンの銃声が聞こえてくる。
まわりに全く人の気配はなし。
はっきり言ってヒマなんだが、フィールドを回りこんで奇襲をかけてくる奴もいるから気は抜けない。
河原ということで月明かり以外に照明もなく、あたりはマジで鼻をつままれてもわからないほど真っ暗。
ゆっくりと首を巡らせて(キョロキョロすると頭の動きで居場所がばれるので)あたりを警戒していると、
50mほど先の藪から、人の上半身が出ているのに気がついた。
白っぽい半袖の服を着た肩ぐらいまでの髪の女性っぽい人影が、俺の方を見てた。


エアガンはおもちゃだけどそれなりに威力があり、まともに顔や眼に当たれば大怪我をすることもある。
だからゲーム中に部外者が入ってきた場合には、すぐにゲームをストップすることになってた。
俺はすぐに大声で、「人がいまーす!中止!中止でーす!!」と叫んだ。
前線のあたりでも、「中止ー」「中止だってよ」と叫び声がする。

俺はその人にお詫びを言おうと思い、藪の方へ駆け出した。女の人はじっとこっちを見てた。
「すいません」と声をかけようとしたとき、人影はすーっと動いて、森の中に入ってしまった。
やべ、恐がらせちゃったよと思い、(なにしろこちらは迷彩服で顔を黒く塗っておまけに銃を持ってる)
その人を追って森のほうへ向かったんだが、ライトをつけて探しても見当たらない。
そのうちに他のメンバーも集まってきた。
事情を話し、みんなで声をかけながら10分以上も探したんだが、どうしても見つからないんだよ。
森の中もくまなく捜したのに。


俺は自分が見たものが、だんだん恐くなってきてた。
なんで夜中の12時過ぎに、女がこんな所を歩いてるんだ。
第一、俺がその人を見た場所には、フィールドを横切って来るしかない。そんなの誰も気づかないわけがない。
だがなんぼ探しても見つからないので、結局俺の見間違いだということになり、ゲームは再開になった。

俺はまたディフェンス。今回は左右から進んでくる敵が優勢で、開始から10分後には銃声がかなり近くなっていた。
俺は地面に伏せたまま銃をしっかり構え、いつでも撃てるように照準器ごしに人のいるあたりを睨んでた。
そしたら、なんか視線を感じる。気のせいではすまないくらいに視線を感じる。
首をゆっくり左に振って、眼だけで自分の左横を見る。
真っ暗闇の中、3メートルくらい先の地面に、女の人の首が生えてた。さっきの人だとわかった。
色白の顔に、なんか普通じゃ考えられないぐらい口ががばーっと開いてて、凄い笑い顔。
声は聞こえないけど、顔をひくひくさせて笑ってた。確かに笑ってた。そんで俺をじっと見てた。
その首が潜望鏡みたいに地面の上を、ざ、ざ、ざーって動いて、俺の正面に回ってゆっくり近づいてきたんだよ。
俺はもうパニック状態だったんだが、なんか伏せたまま体が動かない。
ああいう時って逆に悲鳴とか出ないもんなんだね。
たぶん30秒ぐらい俺はその女と見つめあうというかにらみ合ってたと思う。
女の顔が俺の顔から50cm位まで近づいてきたところで、俺はやっと体を起こせたが、
足に力が入らない。腰が抜けて立てない。
座り込んだままケツであとずさって、今でも馬鹿なことをしたと思うけど、その顔をエアガンで撃った。
そしたら女の顔が凄い恐い顔になって、上目遣いに俺を睨んで、すーっと消えた。


その後はゲームどころじゃなく、
俺は体調が悪いと言って、休憩所のターフでライトとラジオをつけてじっとしてた。
みんな楽しんでるのに水を差しちゃ悪いと思ったから、俺が見たもののことは誰にも言わなかった。

翌朝解散になって、帰り道、車に乗せてくれた友人にだけそのことを話した。
その友人は意外なことに、「・・・お前も?」と聞いてきた。
そいつの場合は、エアガンにつけたスコープを覗くたびに、視界いっぱいに女の顔が見えていたらしい。

それからあのフィールドでのゲームにはどうしても参加できなかった。
ああくそ、今思い出してもだめだ。

長文すまん。あんま恐くなかったらそれもすまん。 

俺の唯一の変な体験『赤いおんな』

中2の時、2階の部屋でカーテン閉めて、弟とタバコを吸っていた。
クソがしたくなったので俺はトイレへ行った。

そしてトイレから戻ると、弟がカーテンのスキマから外を見ている。
「どうした?」と俺が聞くと、「兄貴、あの女だ。きっとそうだ」と言う。
俺がこっそり覗いてみると、赤いセーター・赤いスカート・赤いカバンを持った女がこちらを見ている。
(カーテンで俺たちは見えるはずがないのに)
しばらくこっちを見ていると、ウチの犬が吠え出した。
すると女はスタスタと歩き去っていった。 

あの女とは…
オフクロはダイエットのため、隣の家のオバサンと夜ウォーキングにいつも行っていた。
そのオフクロが2日前に、青い顔をして帰ってきた。
「幽霊よ!幽霊!」
話はこうだ。
2人が歩き終わり、家のそばまで着いた時だ。前から男が自転車で通り過ぎた。
その時、誰もいないハズの後ろから「すいません」と声が掛かった。
驚いて振り返ると、そこには赤いセータ・赤いスカート・赤いカバンを持った女が立っていた。
「あの自転車の男が、何度も私の前を通るんです。私恐くて。一緒に家まで行ってくれませんか?」と女は言った。
そこで女性だけでは怖いので、隣のおばさんの旦那さんも一緒に行くことに。
(ウチのオヤジはまだ帰ってきていなかった)

それからしばらく歩き続けたが一向に着かない。(近くだと言っていたので車を使わなかった)
そしてとうとう、最初に女が声を掛けてきた場所に戻ってきてしまった。 
オフクロが、「あなた、ここはさっきの場所じゃ~」。
赤い女の姿はどこにもなかった。

帰ってきたオフクロの話を聞いて、俺や弟、オヤジは笑い飛ばしていたが、
まぁ~隣の夫婦も一緒だったから、ウソではないだろう。
からかわれたんじゃないの?ってことになった。

2階の部屋から女を見た日から3日後。
俺はイヌの散歩で夜10時ごろ近所を歩いていた。
そして、家のそばまで来た時、前から男が自転車に乗って俺の前を通りすぎていった。
「すいません」
この時ほどビックリした事は14年間生きてきてなかったろう。
本当に今の今まで後ろには誰も居なかったのだから。
俺は振り向いた。そこには赤い女が立っていた。
女が何か言う前に、俺は「いやだ!」と言った。
すると、女は去っていった。

アレ以来俺も家族も、あの赤いおんなは見ていない。

俺は4歳になるまで、夜はバアちゃん家に預けられていた。
夜はバアちゃんと並んで寝るんだけど、その部屋に死んだジイちゃんの仏壇があったんだ。
で、夜中に目が覚めたりすると、たいてい金縛りになる。
その時、必ず仏壇の戸が少し開いてて、中から誰かがこっちを見てるんだ。
扉に手をかけて、白い顔を半分覗かせて。
最初はジイちゃんだと思っていた。
バアちゃんが仏壇に向かって「じいさん…」って呼び掛けるのを見てたから。
だけど、その顔、よく見ると子供みたいなんだ。
こっちを見ながら、うっすらと笑っている白い子供の顔。
そんなものを見ながら、俺は不思議とも思わずに、4歳までその部屋で寝ていたんだ。


バアちゃんは俺が11歳の頃に死んだ。
よく覚えていないけれど、何かの病気だった。
半年ぐらい入院していて、見舞いに行くと割と元気に見えたのに、
急に具合が悪くなったかと思うと、2日くらいで死んでしまった。
それでも、自分の死期はうすうす感じ取っていたみたいで、
死ぬ間際には「やっと、じいさんのところへ逝けるねェ…」みたいなことを言って、周囲を困惑させていた。

バアちゃんは、具合が悪くなったと同時に昏睡状態に陥った。
親族は交代で病室に詰めていたんだけど、最後を看取ったのは俺の母親だった。
そのときの様子がちょっと変だったらしい。


母親は病室のベッドの横で本を読んでいたんだけど、
何となく呼ばれたような気がして、バアちゃんの方を見たそうだ。
すると、昏睡していたはずのバアちゃんが目を開けていた。
瞬きもせず、じっと天井の方を見つめている。
母親が声を掛けようとした時、バアちゃんの口が動いた。
「お前、じいさんを何処へやった」
実の子である母親が今まで聞いた事もないような、低くドスの利いた声。
呆気にとられていた母親が我に帰ると、バアちゃんはもう目を閉じていて、
それから半時間程であの世へ旅立ったそうだ。

バアちゃんは、あの白い顔をずっと見ていたのかも知れない。
今思えばそんな気がする。

私が小学4年生か5年生の頃ですから、もう20年以上前の出来事になります。
夏休みに祖父母の家に遊びに行きました。古い大きな家でした。

ある日、昼寝から目覚めてみると、家中が静まりかえっていました。
歩き回っても誰もいません。どうやら一人っきりのようです。
昼寝をしていた部屋に戻ると、天井にぶら下げられている大きな梯子が目に付きました。
これを下ろせば天井裏に上れるんじゃないか?
そう考えた私は、椅子に上って、梯子を引っかけている金具を外しました。
下ろしてみると、それは梯子と言うより、収納式の階段のようなものでした。
手の届くところまで階段を登って天井板を押すと、それは案外簡単に開きました。
初めて登る天井裏は薄暗くて、小さな窓から漏れる光に埃が渦巻いていました。
そこかしこに古そうな箱や戸棚のようなものが置いてあります。

ちょっとの間それらの箱や棚を探っていましたが、すぐに飽きてしまい、天井裏を探検することにしました。

箱や戸棚のある区画を外れると、梁に渡してある板がなくなり、足下は直で天井板です。
所々にある隙間から下の光が漏れていましたが、窓がないのでほとんど真っ暗でした。
天井板は薄くてすぐに割れそうだったので、梁の上を伝って移動することにしました。
板の隙間から下を覗こうとしましたが、狭すぎてよく見えません。

一旦戸棚の所まで戻り箸を取ってくると、先端を板の隙間に突っ込みました。
押し込んだ箸の径が太くなるにつれ、隙間が拡がり下の光景が見えるようになります。
そうやって部屋を上から見ると、家具の配置や大きさが普段の目線とは違って見えて、
人のいるスペースがやたら小さく見えました。
そういうのが面白くて、梁を伝っていろんな部屋を覗き見て回りました。

そうこうするうちに、自分の覗いている部屋の位置関係が分からなくなってきました。
部屋の数が多いのに加えて、上から見下ろしていると方向感覚が掴みにくいのです。
しかも周囲は真っ暗。
ちょっと怖くなってきたので、そろそろ戻ろうかと考え、ぼんやりと明るくなっている方向に向かって歩き始めました。


その時、横に小さな扉があるのに気が付きました。
天井裏に扉?
妙な感じがして、ついその扉を開けました。
するっと横開きしたその先は、他の場所と何ら変わりのない天井裏の光景でした。
やはり下から明かりが漏れている箇所があります。
何となくためらいながらも、箸でその隙間をこじ開けて下を覗きました。
隙間が狭くて一部しか見えませんでしたが、かなり広い部屋のようです。
ただ、見える範囲に家具はひとつも無く、やけに殺風景な部屋でした。
窓が小さいのか、全体に暗い感じです。
変だったのは、床の畳の上には、何かを書き散らした紙が散乱していたことです。
人の顔や文字などが書かれた紙。それぐらいしか覚えていません。とにかく何十枚もありました。
もう一つ奇妙だったのは、畳の上に白い文字が書かれていたことです。
あまり規則性はなく、書き散らかしているように見えました。
漢字だったと思うのですが、当時の私には意味が分かりませんでした。

もっとよく見ようと思い、体の位置を入れ替えてもう一度覗きました。
が、何も見えません。
角度の加減なのか、はずみで隙間が詰まってしまったのか、
とにかく隙間を拡げてみようと、無造作に箸を突っ込みました。
一瞬、柔らかいものを突いた感触が手に伝わったかと思うと、ドタンッと大きな音がしました。
思わず顔を上げて立ち上がりました。
下の部屋からは、ドタンバタンという振動が伝わってきました。
時折、シュッシュッと畳を擦るような音も聞こえてきます。
立ち尽くす私の足元の天井板が、下からドンドンと叩かれました。
天井を叩く音は次々と位置を変え、何かを探しているようにも思えました。

怖くなった私は、梁の上を走って元の階段のところまでたどり着き、
慌てて下に下りると、天井板を閉めて階段を元通り天井に上げておきました。
しばらく耳を澄ましていましたが、さっきの物音はもう聞こえて来ませんでした。

やがて、祖父母と両親と妹が外出先から連れ立って戻ってきましたが、
私は怒られるのを恐れて、留守中の出来事については黙っていました。

それから2度ほど祖父母の家には遊びに行きました。
内心ビクビクものだったのですが、祖父祖母の態度には特に変わった様子はありませんでした。
やはりビビリながらも、あの殺風景な部屋を見つけようと探し回ったのですが、
不思議なことに、どうやっても見つけることは出来ませんでした。

数年前、祖父母が相次いで亡くなると、家は売りに出され、今では更地になっていると聞きます。 

私がまだ学生だった頃の話です。

夕食の前に、私は実家の近所にある公園のベンチでタバコを吸っていました。
目の前の砂場では数名の子供達が遊んでいて、
反対側のベンチには親と思われるおばちゃん達が座って、互いにお喋りをしていました。
おばちゃん達が座っているベンチから少し離れた場所に滑り台があったのですが、
その下側、ちょうど滑り面が地面に接する鋭角の辺りに、座っている子供がいました。
体のほとんどが影になって見え難いのですが、どうやら女の子のようです。
何故あんな所に座っているんだろう?
そう思っていると、おもむろに女の子がスッと立ち上がり、影から歩み出しました。
砂場を掠めてこちらの方にゆっくりと近づいてきます。
その時、冷気が背筋を這い上がるのを感じました。
近づくにつれ、その子の姿の異様さに気付かされたのです。
丁度秋に差し掛かった頃で、夕暮れ時とはいえ辺りはかなり明るかったのですが、
女の子の体は膝上までが影の中にあるように真っ黒で、そこから脛と裸足の足が白く伸びています。
全身がぼやけているというか、ピントがずれているような感じだったので、
目を細めたりして焦点を合わそうとするのですが、次の瞬間にはフッとブレてしまう。
見るほどに気味が悪く、眩暈を起こしそうなのに、目を逸らすことが出来ません。
やがて目の前まで来た女の子が、ポツリとこう言いました。
「おっちゃん。私、もう死んでるねんで」

ふと気が付くと女の子の姿は無く、
そればかりか、公園に居るのは私一人で、空はいつの間にか真っ暗になっていました。
どうやら夜になってしまったようですが、
女の子の言葉を聞いてからの時間の経過が、私の記憶から欠落しています。
不思議なことに、指に挟まれたタバコからは、まだ紫煙が立ち上っていました。

家に戻ると、玄関の所で鉢合わせした姉が、私の顔を見て怪訝そうな表情を浮かべました。
「鏡、見といで」
洗面所で鏡を覗くと、両の頬に黒い煤のようなもので小さな手形が付いていました。

山の話を3つほど

ひとつめ
自分の親の知り合いが登山が趣味で、そいつから聞いた話らしい。
この男がマニアで、登山道の無いところを踏破する通称『ルートファインディング』が趣味の持ち主。
彼が言うには、奥地に行くと絶壁を人がものすごいスピードで上がって行く様が見られるらしい。
当然、絶対にそれはこの世の人間ではない。

ふたつめ
自分は大学でワンゲル部に入った。
部の先輩が雪山に入って、避難小屋の中にテントを張った深夜、
猛吹雪にもかかわらず、外でアイゼン(登山靴に付ける雪用の鉄製の爪)を外す音がガチャガチャすると言う。
その後誰も入ってこない。
深夜の吹雪の中でアイゼンを扱う人間など居るはずが無い。ましてや入ってこないのはおかしい。 
先輩いわく、このようなカタチで遭難者の霊がさまよっているとのことだった。

みっつめ
自分は社会人になってからヒマだったので、社会人山岳会に少し居た。
その会では遭難しそうになって、恐ろしくなりそれ以来山はやめた。

遭難は会津の吾妻連峰に山スキーで入ったときのこと。
天気が回復するとの天気予報を信じて入山したんだが、一向に回復せず吹雪が続いた。
登山をやめれば良かったんだが、
深入りした我々3人パーティーは見事にホワイトアウト(吹雪で目の前が真っ白)に遭い道を見失い、
気が付くと日没寸前でそのまま夜になった。
樹林帯を寝ずに突っ切らないと凍死するため、夜間強行を実施しずいぶん遅くまでさ迷った。

余談だが、人間って極言状況になると幻覚が見えるのよ。
自分の場合は、木々の向こうに『家』が見えてかなり参った覚えがある。
あ、家だ、と思って近づくと森があるばかり・・・。これはかなり嫌な経験だね。
前を歩いていたメンバーは怒っていたし、後ろのメンバーは話していることが時間と共に脈絡を失っていった。 
ホントどうしようもない思い出。

その後、慶応小屋を見つけて僕らは命拾いしたんだけど、快晴となった翌日は自衛隊が捜索に出動してきた。 
昨日の天気予報のせいで、僕ら以外のかなりの人が雪山に閉じ込めれていたらしい。
慶応小屋のおじさんによると、小屋に向かっていた人達の中でも「来なかった」人が居た。
その人のものかどうかは知らないが、
昼前に小屋に向かう道の真中で、山スキーが一本刺さった状態で見つかったとの連絡が入ったのを聞いた。
深夜、山スキーしか移動手段が無いのに、それを刺すことなどあり得ない。しかも一本だけ・・・。
命の掛かるスキー板は絶対に手放せるもんじゃない。

感覚的だけどね。
多分、このスキー板の持ち主は、最期何か見たか気が触れたんだと思う。
そういう事が起こっても全く不思議じゃないから。

私には霊感がないのでなんとも検証ができないのですか、最近も続いてる話です。全く恐くないのでスマン。

うちには1歳8ヶ月になる息子がいます。
最近言葉が増えて、「でんしゃ、くるま、じいじ、ばあば」など言えるようになりました。

4歳になるお姉ちゃんと一緒に出かけた時のことです。
近所のお寿司やさんの前を通ると「ワンワン、ワンワン」と言うのです。
子供の視界から見える所にいるんだろうと思い放っておくと、お寿司やさんを過ぎたら何も言わなくなりました。
それから幾度となくその場所を通るたび「ワンワン、ワンワン」といいます。それもお寿司やさんの前限定。
他の人に話すと信じてもらえませんが、一緒に行くと納得してくれます。

皆さんが想像する通り、そのお寿司やさんには犬がいました。
毎日店主の奥さんと一緒に店に来ては、店が閉まるまで店先で待っていました。
穏やかな犬で、私の息子が産まれたころにはかなりの年寄りになって、立ってるのもやっとという感じでした。
店の人や誰か通りかかると、気丈にしっぽを振っていましたが、いつのまにか姿を見せなくなりました。

上の子には見えてないようですが、下の子には御主人を待ってるあのワンコが見えてるんだろうなと、
なんとなくしみじみしています。

11年前に一瞬だけ住んだ京都のアパートの話です。

当時学生だった私は、ちょっと無理をして風呂とトイレのついた部屋に引っ越しました。
友達に「女を連れ込むなら風呂トイレ共同はヤバイでー」みたいに言われたからです。

引っ越してきた最初の日、風呂で髪を洗っている最中にふと鏡に目をやると、そこに女が映っていました。
僕の背後で中腰になって、鏡越しに僕の顔をジッと見ています。
金縛りにあったみたいに振り向くことも叫ぶことも出来ませんでしたが、それでも手を後ろにやってみると女の服に触れました。
どうやら実体があるようですが、それでも怖いことには変わりありません。

やがて女は立ち上がって、ドアを開けて風呂場から出ていきました。
風呂を出てから玄関のドアを調べましたが、鍵が掛かっています。
ただ、窓の鍵は開いていました。
部屋の中も調べたのですが、人が隠れるような場所などどこにもありません。
その日は、触った時の感触や、出ていく時の仕草なんかが人間っぽかったし、
窓から誰かが入ってきたのかな?と思いました。

次の日、風呂に入る前にドアや窓に施錠したにもかかわらず、また女が現れました。
昨日と同じように、しばらくこっちを見つめた後、ドアを開けて出ていきます。
その間、僕はやっぱり身動き出来ませんでした。
慌てて風呂場から出て、戸締まりを確認したのですが、ドアも窓も鍵は掛かったままです。
もうガクブルだったので、すぐさま大家の家に電話しました。 


大家は僕の話を聞いて、『そんな話は聞いたこともないが…』と言いつつも、
『その部屋の前の住民が自殺してるんや』と続けました。
ここへ引っ越して3ヶ月くらい経って、校舎の屋上から飛び降りたのだそうです。
そこまで聞いてひょっとして…と思ったのですが、その住民は男だということでした。
気持ちが悪いので部屋を出たいと申し出ると、1ヶ月以内なら敷金は全額返すということだったので、
速攻で部屋を探して、1週間後には部屋を出ることにしました。
その間、部屋の風呂には入らなかったせいか、女の姿は一度も見ませんでした。

引っ越しも決まって、荷物の整理をしていると、(と言っても、大半は段ボール箱に入ったままでしたが)
押入の下段に、背の低い箪笥があるのに初めて気が付きました。
その箪笥と押入の天井の隙間から、写真屋の袋が出てきました。中には写真が25枚とお札が1枚。
写真は全て風呂場の鏡を写したものでした。
カメラを構えた男以外に人は写っていません。ただ、途中から背後のドアが開いています。
それだけの写真だったのですが、急に背筋が寒くなりました。
もし、写真を撮った人物が自殺した前の住民だとすると、
なぜそんな写真を撮ったのか?彼が撮ろうとしていたモノは何だったのか?
そんなことを考えるうちに居ても立ってもいられなくなって、その写真を元に戻すと大慌てで部屋を出ました。

以降、オカルトな体験は一度もしていません。

私が小学生だったの頃の話です。

私達の遊び場の一つに、神社公園という所がありました。
単に神社の隣に公園がある、というだけです。
他にも遊び場はありますが、たまに神社公園に行くという感じですね。

ある日、私達はいつものように神社公園で遊んでいました。
いつもと違う事は、昼間でもほとんど人がいないのですが、
その日はおばさんが石段の所に腰をかけて、私達の遊ぶ風景を観察していました。
私達も少し気になっていたのか、遊びながらチラチラとおばさんの方を見ていました。

少し疲れた私達は、石畳の所に座ってペチャクチャと話していました。
そこにおばさんが近付いて言いました。
「今はいないけど、私にもあんた達ぐらいの子供がいたんだよ」

しばらく会話をした後、おばさんは笑顔でこう言いました。
「面白い遊びを教えてあげようか」
正直、私達は興味がなかったのですが、断るのも悪いので教えてもらう事にしました。


「別の世界へ行ける方法」
おばさんはこう言いました。
私達は子供でしたが、さすがにそれは信じられません。
私達は少し小馬鹿にした感じでその方法を聞きました。
「皆で手をつないで目を閉じ、ある呪文を繰り返せばいい」
このおばさんは、私達が実際にそれを試して嘘だと分かったらどうするのだろう、と思いました。
「で、その呪文はどういうの?」と誰かが聞きました。
「すしろこいしろのいくしに」とおばさんは言いました。
急におばさんの声が、脅すような低い声に変わりました。
「別の世界と言っても、楽しい世界ではない」
私はその時に分かりました。おばさんは私達を怖がらせようとしてるなと・・・。
おばさんは別の世界について説明しました。
「あの世界では、恐ろしき者に追い掛けられる」
「恐ろしき者は、お前達が怯えれば強くなり、お前達が強気ならば弱くなる」
「痛みなども本当のように感じるし、夢のようには逃げられない」
「帰る為には、全員が揃って呪文を唱えなければならない」
「『しおぬけ』と皆で手を繋いで唱え続けなさい」


初めは半信半疑だった私達も、おばさんの話が本当なのではと思い始めました。
そして、そんな怖い所へは行きたくないという気持ちがありましたが、
同時に試してみたいという、強い好奇心がありました。

しばらく相談した結果、私達は実際にやってみる事にしました。
おばさんはもう一つ注意を付け加えました。
「目を閉じていなければならない。一人でも目を開けていると恐ろしい目にあう」
恐ろしい目とはどんな事なのだろう、と思いました。
そして私達6人は直線に並んで、手を繋ぎ目を閉じ、「すしろこいしろのいくしに」と唱え続けました。
・・・しかし、ずっと唱えているのに何も起きません。
なんだ、やっぱり嘘か~、と私達は笑いながら目を開けました。
既におばさんはいませんでした。
「あ、嘘をついて逃げたんだ~」と私達は話しました。
私達は騙されたのですが、楽しかったので満足した感じでした。
しかし、一人だけ暗い顔つきをしています。
「A君、どうしたの?」と誰かが尋ねました。
Aは言いました。
「実は薄目を開けていたんだけど、おばさんの顔が怖かった・・・」
さらに詳しく聞くと、おばさんは私達1人1人顔に近付いて、順番に睨んでいたそうです。
Aの順番になって、Aは怖くて目をつぶったので、立ち去る姿は見ていないとの事でした。
「・・・」
私達は何か後味悪い雰囲気に包まれました。
すでに日は落ちて来て、神社は薄暗くなっています。
「もう帰ろうか」と、その時です。
ザザザザザと、林の方から人が走ってきます。
「こっちに来る!」
私達は一目散に自転車に乗って逃げました。
その後は何もなかったのですが、あの公園では遊ばなくなりました。


488 :別の世界へ行く方法:03/09/13 02:52
しかし、私は一度だけ行きました。高校生だった頃です。
友達と学校をサボって映画を見に行った帰りでした。
昼の暑い時間帯は過ぎたのですが、まだ蒸し暑かったです。

ちょうどその公園の近くに通りかかった私と友人は、
近くの自動販売機でジュースを買って、木陰のベンチに座りながら映画の話をしていました。
そこで私はこの事を思い出し、その友人に話して聞かせました。
友人は自主制作映画を作ろうとしてて、そのテーマはホラー映画だったので、興味をしめしました。
友人はこの神社公園は使えるなと言い、あちらこちらを歩きながら見てました。
友人が林の方に入って行ったので、私も立ち上がって追い掛けました。
林の中は日も入らず涼しかったので、心地よかったです。

そこで初めて知ったのですが、地蔵が3体程並んでいる場所がありました。
私はしばらく地蔵を眺めていました。
その時、友人が言いました。
「おい、この神社ってなんなんだ?気持ち悪いぞ」
え?と私が友人の視線の先を追うと、そこには周りの木よりもふた回り大きな木がありました。
その木には藁人形が6体も並んで、釘で打ち付けてありました。
「こんな所、早く出ようぜ」
友人は言いました。
私達はそのまま神社を出て、他の人の多い場所に行きました。

長くなりましたが以上です。
しかし、あのおばさんは何がしたかったのでしょうか?

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