怖い話らぼ −怪談・都市伝説まとめ−

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カテゴリ:洒落怖 > 洒落怖91‐120

もう10年以上前なんですけどね、俺が中学校の頃。 

その頃しょっちゅう同じ夢を見てまして。
左右田んぼの田舎なすっげー長い道を、ひとりで歩いてるんですよ。
すると、向こうから和服の女の人が、小さな男の子の手をひいて歩いてくる。
んで、その人とすれ違って少し歩くと目が覚める。 
まあ不気味っつーよりも意味不明な夢で、当然女の人にも男の子にも見覚えなんかないんですけどね。 

んで、その夢の話を友達にしたのね。「こんな夢見るんだ-」と。
そしたら、そいつが「俺も同じ夢を見る」ってーの。
意味不明度急上昇っすよ。なんで?なんで同じ夢? 
そいつとは中学に入ってからの知り合いだし、魂の兄弟とでもいうわけ? 

まあそんで、そいつが「次に同じ夢を見たら俺、女の人に話しかけてみる」っていうのね。 
面白そうだから、俺も「やってみやってみ」なんて気楽に言ってたんだけどさ。 

そしたらその夜、丁度その夢をみたのよ。
あー、あいつ女の人に声かけるんだなー、なんて思いながら、俺、いつもどおり女の人とすれ違ったのね。 
そしたら、いつも無言で通り過ぎるのに、そのときに限って女の人が、
「やっと見つけた」って呟いたの。 
その瞬間に、背中がぞわっとしたね。
あ、やばい。なんか知らんけどやっちまった!って思った。

んで目が覚めて、もー友達のことが心配で、でもそいつの家の電話番号も知らんし、
すげードキドキしながら学校いったら、まあ、よくある話で……失踪しちゃってました。 
聞いた話、なんか夜中に、ばたばた家を出て行ったらしい。 

もちろん家出ってことでうやむやになったんだけど、
それから5年して、ひょこりそいつが家に帰ってきたんですよ。
なんか、女の人と男の子と、田舎の一軒家で面白おかしく遊んで暮らしてたらしいです。 
んで、ふと気がついたら、家の近くの公園にいたって。 

まあ神隠しってやつなんでしょうが。
とりあえずそいつは今も元気で、きちんと働いてます。
空白の5年間は謎のままですが。

ちなみに、俺はそいつが失踪してから、あの夢は見なくなりました。
女の人と男の子が、誰なのかも分からずじまいです。
なんかもやもや~って感じですまん。
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これは先輩の友人が体験した話だ。

その友人にはまだ十代の妹がいた。 
妹は高校中退した後、ふとしたきっかけでホスト遊びにはまり、ちょっとした借金ができたそうだ。 
そしてお決まりのコースよろしく、相手のホストから闇金を紹介され、風俗勤めすることになった。 
けれど彼女は三日ともたず、切羽詰って家の金に手を出したという。

もともと実家は土建屋をやっていて、バブルの頃は羽振りも良かったそうだが、
その頃には、かなり経営も行き詰っていたらしい。 
金を使い込まれたことがきっかけになり、親の会社は不渡りを出し、ついには倒産したそうだ。 
住んでいた土地も追われ、一家離散。
彼女は自分のしでかしたことを、自殺することで償った、というか逃げ出したのかもしれない。 
妹思いだった兄は、深い悲しみが激しい憤りへと変わり、闇金を紹介したホストに復讐することを誓う。 

ただ、失意の両親をこれ以上追い詰めるような真似だけはしたくない。 
そこで先輩に相談したところ、「ちょっと怖い思いをさせてやるか」となったそうだ。 

ある日の朝早く、酔っ払って店を出るホストを待ち伏せして、先輩ら三人でさらったそうだ。 
車のトランクに押し込み、連れて行ったのは山奥の廃墟になったモーテル。 
荒れ果てた一室に、手錠をかけたままのホストを監禁。
先輩の友人は、あらかじめ準備していたものを取り出し、ホストの前に置いた。 

「この写真の女の子を覚えてるな」 
それは亡くなった妹の遺影だった。 
「○○はおまえに詫びてもらうまで成仏できないって、夜な夜な枕元に立つんだ」 
遺影の横に、白い布で包んだ木箱を並べる。 
「一日かけて謝れ。今夜枕元に出なかったら、迎えに来てやる」 

この話がどこまで本当なのか、先輩は分からなかったと言う。 
ただ、喉の渇きを訴えるホストに、その友人は自らペットボトルの水を与えたそうだ。 
その姿は、本当に妹に詫びて欲しいように見えたらしい。

翌朝、明け方に三人で集合し、再び山奥の廃墟へと。
みんなかなり緊張しながら、部屋のドアを開けると、
・・・そこはもぬけの殻だった。 
手錠は片方が洗面台の配管にかけられていて、身体の自由はきかないはずだった。
それでも、玩具の手錠。釘一本で簡単に開けられるのかもしれなかった。 
財布や携帯は取り上げてあったが、モーテルの目の前は旧道。 
疎らとはいえ、地元の車の往来はある。 
「逃げやがった」 
先輩らは周りを探すのを諦め、車に戻ることにした。 
その友人は遺影を脇にして、両手で木箱を持つと、声を上げた。 
「えっ、何だこれ」 

木箱の中に骨壷が入っているものだと、先輩は思っていたそうだが、違ったそうだ。 
「いや、ただの箱だよ。納骨は終わってる。びびらせるつもりでさ」
友人が白い布をとくと、蓋つきの木箱が現れた。
「中身はからっぽのはずなんだけどな」
蓋を開けると、中身はいっぱいの黒土が。
「なんだこれ」
箱をひっくり返して土を落とすと、拳大の塊が一つ出てきたそうだ。 
先輩と友人が間近で確かめようとすると、鼻を突く異臭がしたという。 
傍らにあった木の枝でつつくと、それはひからびたミイラのように見えた。 
「これって胎児じゃねえーのか」 

先輩と連れが顔を見合わせていると、震える声で友人が言ったそうだ。 
「妹は、あいつを連れてったのかもしれない」 
二人がぞっとして友人を見ると、さらに言葉を続けた。 
「遺書に書いてあった。あいつと子供と、三人で暮らしたかったって」 

後日、先輩が語ったのは、「多分、その友人がホストを殺したんじゃないかな」とのことだった。 
先輩もその友人と連絡が取れなくなって、数年たつという。
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異常に嫉妬深い彼女に別れ話を持ちかけた。 
やさしい人だったが、妙にネガティブでさびしがり屋だった。 
本格的に付き合いだして、はじめて彼女の異常さに気付いた。 
俺の携帯がなるたびに、誰からなのか何の話だったか、執拗に問い詰める。 
休日には、必ず自分と一緒にいるように強制。
やむをえない仕事などの理由で一緒にいられない時は、それこそ十分おきに連絡が来る。 
とにかく俺の行動のすべてを管理したがった。

また、自分以外の女性と俺が会話するのを一切認めない。近所の人に挨拶もさせない。 
レストランとかでも、店員が女性のときは必ず彼女が注文をとった。 
仲のよかった姉が急に連絡してこなくなったのも、彼女がさまざまな嫌がらせをしていたからだと知った。 

さすがにやばいと思って、彼女の実家に相談してみたが、
「うちの子は、前の男にふられてからだんだんおかしくなった。
 あなたと付き合うようになって(あれでも)だいぶ落ち着いた。 
 少々変なところもあるが、かわいそうだから見逃してほしい」
言外に、これ以上娘がおかしくなるようなことをするな(分かれるな)といってきた。 
警察にいる友人にも相談してみたが、警察は色恋沙汰には、死人でも出ない限り関わろうとしないらしい。 

しかし、さすがにこれ以上面倒も見切れない。話し合うにも言葉が尽きた。 
これ以上一緒にいると俺が狂う。
彼女のマンションに行き、できる限り穏やかに遠回りに別れ話を持ち出してみた。 
とたんに人とは思えぬ形相で、めちゃくちゃに俺につかみかかる彼女。 
必死で抑えつつ説得を試みるも、執拗に俺の眼球を引っかこうとするさまに恐怖をおぼえ突き飛ばす。 
思いっきり転んだ彼女は、飛び起きながら台所に走りこむ。 
今までに感じたこともない悪寒を覚え、彼女が台所にいるうちに、靴を残して彼女の部屋を飛び出した。 

エレベーターをそわそわしながら待ってると、彼女がドアをぶち破るように部屋から出てきた。 
裸足で、手には包丁を持っている。それだけ確認して、来ないエレベーターを見限り階段に走る。 
マンションの階段を転がり落ちるようなスピードで駆け下りるが、追いすがる彼女の声を引き離せない。 
一階正面ゲートから駐車場に着くより早く彼女が追いついてくる。 
必死で走っている耳に彼女の荒い息が聞こえてくる。 
逃げ切れないと判断して、ぎりぎりまで彼女が追いすがってきたところで、急にしゃがみこんで足を払った。 
彼女は俺につまづく形で、勢いよく顔面からアスファルトに突っ込む。
包丁を落としたので、柄を蹴って遠くに飛ばした。 
彼女が起き上がるより早く自分の車に駆け寄りながら、ポケットを探りカギを取り出す。 
カギを開けてドアを開け中に滑り込むのをほとんど同時にやってのけ、エンジンをかける。 
バックして方向転換。駐車場の外に向かってアクセルを踏もうとしたとき、運転席ががばっと開いた。 

息を吸った弾みに、「ひいっ」とかぼそい情けない悲鳴がこぼれる。彼女を正視できない。 
ゴミ処理用の焼却炉を稼動中にのぞいて、猛烈な熱気に顔を背けたことがあるが、今の彼女はあれに似ている。 
ほとんど反射的にアクセルを踏み込んで車を走らせた。 
彼女はドアにつかまって併走しながら俺の名前を絶叫していたが、スピードが上がってついに手を離した。
爪がはがれたようで、運転席側のドアの内には血の線が残った。 
夜の街を制限無視で走りながら、俺は泣きじゃくっていた。 

その日のうちに荷物をまとめて実家に逃げ込んだが、その日から二度と彼女を見ることはなかった。 
彼女からも彼女の実家からもまったく音沙汰がないので、自殺でもしたのかとおびえていたが、
件の友人がさりげなく見てきたところ、何事もなく普通に暮らしていたという。 

時間がたって楽観的になった俺は、また自分のアパートに帰った。 
夕食でも作ろうと冷蔵庫を開けると、小包が出てきた。 
いやな予感がしたが開けてみると、中からは手紙らしい封筒と、
あの日マンションにおいてきた靴が、短冊状にずたずたにされた物がでてきた。 
それを見たとたん、あの日の恐怖がよみがえった。 
心臓が急に暴れだし、口の中がが干上っていやな味がしてきた。 
ひゅーひゅーと荒い呼吸をなだめながら、恐る恐る同封されていた封筒を開けてみる。 
予想した手紙ではなく、硬い花びらのようなものが手のひらに散らばった。 
それが根元からはがれた十枚の爪だとわかったとたんに、声を上げて手の平から払い落とす。 
慌てて友人に連絡を取ろうとするが、家の電話機が動かない。よく見ると電話線がちぎられていた。 
喉から変なうめき声をもらしながら、充電中の携帯を手にとるのと同時に着信。彼女から。 
さっきの爪の時のように、携帯を放り出してへたり込んだ。 
腰が抜けて座り込んでいる俺の後ろから、玄関の鍵を開けてドアを開く音がした。 


「早くでてよ」

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俺が体験した話を書こう。転載でもネタでもなくマジ話。 

3年前にね、バイト先の友達がスキーで骨折して、埼玉の武○○病院に入院したんだよ。 
そこバイト先から車で15分くらいだったんでね、3日に1度くらい見舞いに行ってた。 
俺は霊感というほどじゃないけど、霊の存在を何となく感じることができて、骨折した友達はバリバリ霊感が強い。

確か3回目にお見舞いに行った時の事。夕方だったね。
その病院、階段の踊り場に灰皿があってさ、そこの椅子に座って2人でタバコ吸ってた。
談笑中、突然耳鳴りがして、下の階段を凝視した。見えないけど、何か来たっていうのが分かった。 
俺そこをがジーって見てると、友達が服の裾を掴んで「見るな」と。 
「やっぱいる?」って聞くと、「ろくなもんじゃない。見てるとやばいよ」 
詳細を聞くと、体が子供で顔がじいさん。そいつが俺たちを見てニコニコしてる、と。 
「うわ、そりゃビジュアルだけでも十分やべえや(笑)」って、笑いながらそこを見てると、
「馬鹿、笑いながら見るな!」って、友達ちょいマジ切れで、俺の手を掴んでひょこひょこ病室に帰った。
「どうしたんだよ?」って聞いたら、
「お前、笑いながらじいさん見てたろ。
 そしたらじいさん、突然凄い形相になって、こっちに向かってきたから逃げてきた」
そりゃやばいやって事で、お見舞いに行ってもそこの階段は使わないことにした。 

友達が入院して2週間目くらいかな。
その日も夕方だったんだけど、冬だから18時になると外は真っ暗なのね。
だから大抵の人はその前に帰るんだけど、俺は暇だから夕方の面会ギリギリまで友達の病室にいた。

で、時間になったので1階に降りて、トイレに寄って、用を足してトイレから出ようとした瞬間、金縛りにあった。
立ったまま、体どころか顔すらピクリとも動かせない状態。
後ろから物凄い悪意に満ちた視線を感じて、まずいと思ったので、
心の中で九字を切って、唯一覚えた魔よけの呪文を唱えた。 

体は相変わらず言うこときかないが、何とか顔だけ動かせたので、
悪意の正体を見ようと、無理やり顔を捻って後ろを見た。 
悪意の正体は女の子だったよ。4~5歳くらいの。
おかっぱ頭で、ちびまる子ちゃんをリアルにして少し大きくしたような。
なんつーんだろ、笑い声が、まさしく「ケタケタケタ」って感じでこっち見てんの。
しかも目がね、空洞なんだよ。真っ黒なの。心底ゾッとした。 
消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ!って心の中で叫んでると、
女の子が甲高い声で、「さっきおじいちゃんを殺してきたよ」と気味悪い笑顔で言って、ぴょんぴょん跳ねた。
跳ねがどんどん大きくなって、俺と同じくらいの高さくらいまで跳ねた瞬間、一足飛びで俺の所に跳ねてきた。
俺は恐怖とショックで立ったまま失神。 

どれくらいか、時間的には1分か2分くらいだろうね、気づいたらその場にへたり込んでた。 
あの女の子は死神の類なんだろうか?
霊なんてまともに見たことないのに、あんな形で見ることになるとは・・・・

次の日、もちろん昼間ね。
病院に行って友達に昨夜の出来事を伝えると、
「それって1階の受付から見て、左に10mくらい行ったとこのトイレか?」
まさしくそう。 
「そこだよ。あそこやばくね?」って言ったら、
「ごめん、言うの忘れてた。あそこは使うな。あのトイレはピンポイントの霊道だ」

トイレの霊道はマジでやばいらしく、ただでさえ不浄な場所なのに、そこを不浄な霊が通ると、
同調して霊道をはずれ、その場に留まることが多々あるらしい。
俺が見た女の子は、そのうちの一人なのかも。 
まるで霊感の無い奴なら気にならないらしいが、
俺みたいな中途半端な奴がそいう場所に行くと、危険な目に会いやすい。

んで、「昨日この病院で、じいさんが亡くならなかったか?」と、気になってた事を聞くと、
「分かるわけないだろ。毎日誰か死んでんだ。そんなのいちいち気にしてらんねーよ」
そう、大きな病院て、そういうとこなんだよね。改めて気づかされたっていうか。 

その1週間後に友達退院したから、もうあの病院には行ってないけど、ほんとに怖い体験だったよ。

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我が家で起きた洒落にならない話。

私がまだ実家で生活していた頃、度々金縛りや怪奇現象に合っていました。 

ある日の晩、ベッドの上で本を読んでいたときでした。 
突然身体が引っ張られベッドから落ち、そのままドアの近くまで移動。 
ビビリながら足元を見ると、ドアから異様に長い腕が生えているのです。 
しかも、私の足首をしっかり握っているんです。 
コレはやばいと感じた私は、知っている限りのお経を唱え、死んだひいばあさんに助けを求めました。 
それでも足を掴まれている感覚は無くなりません。
じりじり引っ張られ、足の裏にドアがあったたところで気絶したのか、気がついたときには腕はありませんでした。

まだ外も暗かったので寝なおすことに。
そしてウトウトしはじめた時でした。 
隣の妹の部屋から、ものすごい家中に響きわたる絶叫が・・・! 
もしや、さっきの腕?そんなことも頭に浮かび、ベッドの上でプチパニックに陥っていました。 
程なく父親が妹の部屋に着き、「何だこれは・・・」という声が聞こえました。 
父に呼ばれ行って見ると、妹はベッドの上で泣いていました。 
片足が3倍くらいに腫れ上がっていました。

すぐに救急車で病院に運ばれ、下された診断は複雑骨折。 
妹はベッドの上で寝たまま、足の骨が砕けてたのです。 
「女の人がものすごい力で足を掴んだ」
妹は父にそう言ったそうです。 
その話を聞いてハッとした私は、自分の足を見ました。 
私の両足首には手形はついていませんでしたが、10センチ幅くらいの水ぶくれがありました。 
そして、妹の足にも同じものがありました。 

結局、妹は3ヶ月くらいで退院できたのですが、それからが大変でした。 
当時高校1年だった妹ですが、度々学校で問題を起こすようになりました。 
自宅でも同様でした。何かに怯え、自傷を繰り返すのです。 
困り果てた私たち家族は、メンタルクリニックに妹を連れて行きましたが、悪化するばかりでした。 

その頃、近所では火事が続いていました。
妹が骨折したのが5月22日。最初の火事が6月22日、8月22日、10月、12月、2月と。 
出火原因は様々でしたが、地図上で確認すると、三角形をつくるように火事が起きていました。 
ある一軒の家を取り囲むように・・・
さすがに3件目辺りから「偶然じゃない」と囁かれ始め、
2月の火事の後、自治会で御祓いが行われました。 

御祓いの席で、私たち姉妹は一番前に座らされました。 
私は妹が暴れ出したりしないかと、ハラハラモノでしたが、御祓い自体はあっさり終了。 
その後語られたことには、かなりショックを受けました。 

40数年前、ある男(イカレていたらしい)が隣町で事件を起こしたそうです。 
連続強姦殺人。強姦し、刀を使って女性をメッタ刺しにし、山に遺棄していたそうです。 
犯人は死刑になっていませんが、その男の生家はまだ残っています。 
それが火事の中心になっていた家です。
犯人が死刑になっても怨みは残ってたようで、こういう事態に陥ったと、霊能者は語りました。 

そして、私たちに話が及びました。
犯人が使った刀は、我が家から持ち出されたモノだったそうです。 
祖父は心当たりがあるらしく、血の気が引いた顔をしていました。 
「犯行に使われた刀の対?の刀があるから手放しなさい」と言われ、
祖父はすぐ自宅から刀を取ってきて、霊能者に託しました。 
そして霊能者は、
「あなた方姉妹は、これからも見る事になるでしょう。
 お姉さん(私)は大丈夫。妹さんは少々心配ですが、護りをオロシタから、もう大丈夫」

『護りをオロシタ』って意味は不明ですが、それからの妹は自傷行為もなく、平和に暮らしています。 
一方私は…相変わらず見えることがありますが、被害はありません。
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『もう見えるぞ。もう見えるぞ。紙と筆をもってこい』
が、臨終の言葉だったうちのじいちゃん。 
未だに親類の語り草になってる。 
俺は直接は聞けなかったけど、想像すると怖すぎる。 

じいちゃんが死んだのは俺が中学2年のときで、
その遺品の整理をばあちゃんがしてるのを俺は手伝いに(邪魔しに)行った。 
古い写真がいっぱい出てきて、最初は面白がって見てたんだけど、気持ちの悪い写真が出てきてだんだん怖くなってきた。
どんなのかというと、白黒の記念写真で30歳くらいのじいちゃんが、観光地(温泉街)の名所をバックにポーズをとってる。
何枚もあるんだけど、よく見るとじいちゃんの立ち位置が写真の中心からずれてる。 
ぱっと見ぜんぜん普通の写真だけど、そのズレだけで気分が悪くなった。 
まるでじいちゃんの隣にだれかもう一人いて、それでどっちかに寄ってるような感じだった。 
見えないけど、これは心霊写真の一種じゃないかと思ってゾッとした。
その写真のことを恐る恐るばあちゃんに聞いてみたけど、
当時ばあちゃんはもう微妙にボケが始まってて、なにかトンチンカンなことを話し出したけどよく覚えていない。 

自分の家に帰ってから、親父にその写真のことを話して、
「じいちゃんは霊感が強かったのか」と聞いたら、変に真面目な顔でこう言われた。 
「バカおまえ、あの写真を撮ったのはばあちゃんだぞ」 
どうやら見えていたのは、ばあちゃんの方だったらしい。

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私が聞いた話で一番怖かったやつ。 

私がまだ記憶が無いほど小さい頃。幼稚園年少さんくらいかな。 
毎日なぜか夕方決まった時間に、居間のテーブルの周りをグルグル回る、という奇行を繰り返していたらしい。 
で、5分くらいグルグルしたあと、大泣きして床に倒れる。倒れたあとぐっすりねる。 

これはてんかんかなにかか?って事で、お医者にも連れて行ったらしいんだけど治らず。原因もわからず。 
しかも、幼い私はグルグル→大泣き→ぐっすり。の間の事を覚えていないらしく、
なんで回るのか聞いても応えないし、
グルグルの途中で抱き上げたりして止めるとエライ暴れるので、(一度口を噛んで血が出たらしい)
どうしようもない。 
ただし、家以外の所では回らなかったらしいので、外に連れ出す事で乗り切っていたが、 
弟(乳児)がいたのと、ちょうど時間が夕飯のしたくにも重なるし、結構大変だったみたいだ。 

意味がわからなくて怖いし。お母さんがちょっとノイローゼになりかけた時、ある事に気付いた。 
「居間のテーブルをどかしたらいいんじゃないか?!」
私はここまで聞いて大爆笑してしまったが、お母さんは大真面目。 
で、さっそく部屋のまんなかにあったテーブルを、壁につけて配置。 
変なインテリアになったが、とりあえずそれで様子をみることに。 

夕方いつもの時間、どきどきして私を見ていたらしいが、回る気配なし! 
喜んだお母さんが、お父さんに報告電話をかけようと立ち上がった時、
ふと居間のでかい窓から見える庭に目がいった。(居間から庭に面して縁側みたいになってた)

庭には大きな木があるんだけど、その下に、なんと、私がいる! 
そのもう一人の私は、居間のほうを向いて立っていて、目があったらしい。 
はっとして小さく声が出た瞬間、その『私』は木の周りをグルグル回りだした。 
じゃあ、横にいる私は?と思って見てみると、ちゃんといる。
一緒にその木の下の私を見ていたらしい。普通の顔をして。 
お母さんが、は??なにこれ?って感じで硬直していると、
隣にいる私が「お母さんは、見ないほうがいいよ」って言って、窓のカーテンを閉めた。
怖がってる様子とかもなく、テキパキと。

状況が飲み込めずに、カーテンを閉める私をみていたお母さんだったが、 
ちょうどその時に、弟が泣き出して我にかえった。
急に怖くなったお母さんは、それから速攻で私と弟を抱きかかえ、近くの友達の家にダッシュ! 
お父さんが帰るまで、そこでブルブルしてたらしい。 

それから引っ越すまで、ずっとテーブルは壁についたまま。 
その後『木の下で回る私』は、お父さんにも目撃される。 
見たのは雷の日で、しかも夜。超怖かったけど、やっぱりカーテンを閉めたらしい(笑 

もう一人の私以外にもいろいろ出たらしいので、お父さんは「家が良くなかったんじゃないか」と言っていた。 
間取りもおかしいし、誰も入りたくない部屋というのも存在してたという謎の家。 
社宅だったから、それからすぐに引越しした。
だから私には、その家の記憶はほとんどない。 

この話を聞いたときは、小さいときの自分が自分じゃないみたいで怖かった~。
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これは今年の夏、地元G県の廃遊園地Kで私が体験した、マジ怖かった話です…

遊園地はつい2~3年前閉鎖され、今ではホームレスのたまり場になっていると噂で聞いていました。
そこで友人と弟と、3人で行ってみようということになりました。 
遊園地までは山道で、友人が車を出してくれました。

真夏で暑かったこともあり、車内の窓は全開でした。
山を登り始めたころから、車内に小バエのような小さな虫がいるのが気になっていましたが、
次第にその数が明らかに増えていました。 
耳もとで羽音がすごいし、目や口の中にも入ってくる始末。

私たちは気持ち悪くなり、一旦車を路駐して車外に出ました。
すると、子猫の鳴き声が聞こえたんです。見ると、竹林の中に白い子猫がいました。 
初めは怯えていて、こっちに寄ってはこなかったのですが、
私たちが持っていたお菓子やパンをちらつかせると、徐々に道の方に出てきました。
明るいところではっきり猫を見た私たちはびっくり、その猫は右耳がなく、血が固まったあとがありました。
右目もつぶれていて、とても悲惨な姿でした。
野良にやられたのかな、かわいそう…と、持っていたパンなどを全部子猫にあげ、私たちはまた車に乗り込みました。

そのとき、パンを狙ってか子猫を狙ってか、カラスが2羽急降下でおりてきました。
細かい羽が飛び散り、私たちは一瞬固まりましたが、
弟が車から飛び降り、ジャケットを振り回しながら声をあげて近づいていくと、
カラスはパンをくわえて逃げていきました。 
私と友人も車から降り様子を見に行くと、
さっきの子猫はカラスにつつかれたりしたようで、お腹や顔から血を流していました。
もう息もか細く、10分後くらいに息をひきとりました。 

埋めてあげようということになり、竹やぶに子猫を埋めました。
その間もずっと、上空ではカラスがギャアギャア鳴いていました。
カラスが人を襲うとかよく聞くので、早く移動しようと、いざ遊園地に向かいました。 

現地に着くと、従業員入口みたいなところがまたげそうだったので、そこから中に入りました。
ひとしきり散策しましたが、ガラスが割られているとかコンドームが落ちているとか、その程度でした。
持って行ったポラで写真もとりましたが、何も写りませんでした。 

しかし、恐怖は帰りに起きたのです。
お化け屋敷のアトラクションの前に、
中から引っ張り出されてきたと思われる、ドレスを着たマネキンが横たわっていました。
仰向けのかたちで、首を右向きに倒して(右を見て)いました。
そのとき、さっきまでうるさいくらい鳴いていたセミが、バチバチ言いながら一気に飛んだのです。
それにびっくりし、「きゃぁー!」と3人で抱き合ってしまいました。
蝉が飛び立ったあと、急激な静けさに全員が生唾を飲み込み、冷や汗をかいていました。 

そのとき私は、友人の目が一点を凝視していることに気付きました。
まばたき一つせず強張った顔の友人に、「…大丈夫?」と聞きました。
すると、「あの人形…さっきまで右向きだったよね…?」と、震える声で言いました。 
私の真後ろにあるマネキンです。
とたんに全身に鳥肌がたち、背骨から頭の先に圧迫感を感じました。
そして振り向くと、たしかにマネキンは左をむいていたのです!
しかも、仰向けの体制からまるで寝返りをうったかのように、体ごと左を向き、私たちのことを見ていたのです! 

次の瞬間、友人が突然すごい声で「グェェェェ!」と叫びました。
驚いて友人の方に振り返ると、口からよだれを垂らし、手の指がありえない向きにばらばらに動いていました!
私は腰を抜かしそうになりましたが、弟に友人をおんぶさせ、走って入口まで逃げました。 

途中、弟が「うわぁぁぁ!」と叫ぶので見ると、友人が後ろから弟の首をしめていました!
私は恐怖とパニックで、「Mちゃん(友人)やめて!」と泣き叫びながら、友人の背中を強くグーで叩きました。 
すると友人は「うぅ…」と呻いて、弟の首を絞めるのをやめます。
そのすきに走って、また首を、背中を叩く、…それを繰り返し、やっと入口にたどり着きました。

弟は完全に腰が抜けてしまっていて、友人はまた遊園地の中に入っていこうとします。 
引き止めようと腕や肩をつかんだら、すごい力で振り飛ばされ、粉々のガラスの上に顔面からつっこみました。
パニックだったので痛みはありませんでした。
そのとき友人のバッグから、車のキーがのぞいているのに気付きました 
私は弟に友人を見張っておくように言い、キーを持って車を取りにいきました。
すると、フロントガラスの上に、埋めた子猫の死骸が土まみれで置いてありました。
私は足ガクガクで、その場に立ち尽くしました。近くでカラスの鳴き声もします。 
掘り返したのか?なんて考える余裕が一瞬ありました。
完全に頭がぼーっとしてしまい、動けませんでした。

そのとき、遊園地入口の方から、弟が友人をずるずる引きずりながら、
「姉ちゃん!何やってんだよ!」と叫んで出てくるのが見えました。 
私は、弟の首がどす黒く変色しているのと、友人の気持ち悪い動きを見て、何かがふっきれました。
そして「わぁーっ!!」と叫びながら、フロントガラスの猫の死骸を手で払いのけました。
そのときの、ずっしり重くぺちゃっとしてぬるい感触は、いまだに忘れられません… 
そして車に乗り込み、弟と友人を乗せ、急いで山をおりました。
途中カラスが車に何羽もぶつかってきたり、エンジンが3回とまるなど、本当に怖かったです。 

山をおりてすぐのところにA神社があり、私たちはそこに転がり込みました。
巫女さんの姿が見えたので、「助けてください!」と叫びながら境内の方に走りました。
顔面血まみれの私を見て、巫女さんはすぐに神主さんを呼んでくれました。 
友人はふらふらと車から降りてくると、わりとちゃんとした足取りで境内の方についてきました。
しかし、わけのわからない言葉をぶつぶつ言っていました。

私と弟は、友人の手をしっかり握り、神主さんに事情を話しました。 
神主さんは、
「事情はわかったから、きみたちは病院へ行きなさい。この子(友人)についてきた物と話してみるから」
と言ってくれました。
私と弟は二人で病院へ行きました。弟は首にくっきりと手のあとがついていました。 

私は病院の入口につくなり、血の気が引いて倒れてしまいました。
あとで弟に聞いたら、出血がひどくて大変だったそうです。
弟に血をもらい、顔に残ったガラスを取り出し縫う手術を受けました。
病院側が連絡したらしく、警察の取り調べも受けました。 

次の日、私と弟もA神社にお祓いに連れていかれました。
神主さんは怒りませんでしたが、事態の深刻さについては静かに話してくれました。

友人はあのあと意識が戻らず、1週間入院しました。 
友人の車は、神主さんの助言もあり、親御さんが廃車にしたようです。
弟は首の痕はとれましたが、尻餅ついたときの打ち所が悪く、片足が不自由になってしまいました。
私はというと、ガラスが目に入ってしまったらしく、数年後には失明すると診断されました。 


読んでくれたみなさんありがとうございます。

結局、何の霊とかはわかりません。
ただ、
「心霊スポットなどは霊的な力がかなり強く、遊びやからかいの気持ちで行くと今回のようなことになる」
と説明を受けました。 

猫やカラスや虫の大量発生は、「おそらく前触れだったんだろう」とのことでした。
「動物などの低級霊がのりうつったのかもしれない」と、神主さんは言ってました。
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8年ほど前、オレが専門学校に通っていた頃の話。

そのころは専門学校生で、学校でつるんでる仲間とよく心霊スポットに行ってた。 
別に大好きって訳でもなくて、特に行くとこもなくて、ただドライブしてるだけもつまんないので、 
適当な目的地として心霊スポットを選んでる、ってだけだった。 
「うぉ~怖ぇ~」とか、その場のノリで言ってはみるものの、別に怖いなんて思ったことは一度もなかった。 

そんなころ、友達が車を買ったというので、その新車でドライブに行く事になった。 
「またKダム行く?」
「もう心霊スポットええよ~。別に女の子おるわけじゃなし」
「行くとこないじゃん。米軍基地でも行こうか?」
あらかた近場の心霊スポットは行き尽くしたオレたちは、そんなこと話ながらドライブしてた。 
「そういえば!」と、友達が話はじめた。 
「YってとこにS峰ってとこあるらしいんじゃけど、そこなんか怖いらしいで」 
「へぇ、どんないわくがあるん?」
聞くと、なんでもYって場所は、縁結びの神様が祭られてる神社があるそうなんだが、 
そこである女が好きな男への思いを願いつづけたが、ついぞ叶わず、
その神様を呪うという遺書を残して、身を投げたとこなんだそうな。 
「ええじゃん!行こうや!」
「でも場所がいまいちようわからんわ。Yは分かるけど、S峰って聞いた事ないよ」
「ええよ、コンビニで聞こw」
別に目的地につけずとも、何か探すっていう目的でよかった。オレら流の遊び方。 

Yは少し遠かったけれども、夜は道もすいててそんなに時間はかからなかった。 
オレらは適当なコンビニを見つけて、S峰を探すことにした。
友達2人は売り物の地図を広げて、オレは店員に聞いてみた。
「すんません、ここらでS峰って知りません?」
「あぁ、S峰。ありますよ」
そういって、店員は詳しい行き方を教えてくれた。 
「そこって神社あります?」 
「あぁ、T神社でしょ?今から行くんですか?」 
「そうそう、なんか怖いらしいから・・・」 
「怖いですよ。あそこは」
店員の口ぶりに興味をひかれた。 
「え?店員さんもいったことあるの?」 
「ええ、絵馬でしょ?」 
「絵馬・・・?」

「ええ、絵馬の遺書」 
「ナニそれ?絵馬に遺書が書いてあるんですか?」
「そうですよ、右側のかけるとこの一番下の右から・・・3番目くらいかな?一番奥。
 でも、もうさすがにないかな?」 
「そこにあるの!?」 
「ええ、オレは見たんですけどね。
 ま、今から行くんでしょ。もし見られなかったら、何が書いてあったか教えますよ。大体覚えてるから。
 帰りもここ通るんでしょ?」 
「そんなん見て大丈夫なん?」 
「はずしちゃダメらしいですよ。オレはびびってはずせんかった。できたら外してみて下さいよ」
またまた~、なんて店員と談笑していると、
「おい、場所わかった?」と、友達が地図をしまって話しかけてきた。
「おう、店員さんが教えてくれたわ。ついでにおもろい話も」
「ホンマ?地図載ってなかったーや。分かったんなら行こうや」
「OK!OK!おもろい話したるけーの!」 
ただ出るのは悪かったので、缶コーヒーを一本買って店を後にした。 

オレはさっき店員から聞いた話を、走る車の中でコーヒーを飲みながら友達に話した。 
「それマジで?やばいんじゃないん?」
「まぁはずすまーや。見るだけならええんと」 
「外したらどうなるか知りたいわ。○○ちゃん外してみてや」
「お前店員と同じ事言よるわw」
そんな話をしながら、店員に教えてもらった通り車を走らせた。 

「お、アレじゃないん?」
神社らしきものが見えてきた。
そこは結構山を上ったとこで、神社はちょうど頂上付近に建ってるって感じだった。
その辺り一帯がたぶんS峰なんだと思う。 
オレ達は車を停め、神社に入ったが、神社は思ったより奇麗で、なんだか拍子抜けしてしまった。 


「なんか、心霊スポットって感じでもないのー」
「おぉ、これならW(近所の地名)の神社のがよっぽど怖いで」
「まぁ、絵馬探してみようや」
絵馬がかけてある掲示板みたいなものはすぐに見つかった。 
幅2メートル弱くらいのものが2つならんでいた。 
「右側の一番下の右から2、3番目・・・」 
絵馬は、掲示板全体にギッシリといった感じでかけられていたが、
店員が言った箇所に目をやると、ちょっとおかしい。 
「あった?」
「いや、ないけど・・・何コレ?」 
右側の掲示板、一番下の一番右。
絵馬をかける釘の根元に、なんだか郵便ポストのような、ロッカーのような、
いや、まるでビルの配線やらが入ってて、丸いとこを押して取手を出して開くやつみたいな。
(わかってもらえるか・・・)
そんなものが取り付けられていて、蓋に開いた小さな穴を通って、釘は打ち付けられていた。 
その蓋の両端は、耳みたいに取手が出してあって、それぞれ南京錠がしてあった。 


「・・・?」 
「こん中に遺書が入っとるとか・・・?」 
「・・・!そうじゃ、きっとそうじゃ!うぉ、これ怖いw」 
中に目的のそれが入っていると確信して、妙にテンションがあがったオレらは、
そのロッカーみたいな、箱をはずしてみようとなった。 
箱は掲示板に釘で打ち付けられているだけだったので、みんなで引っ張ればはずれそうな気がした。 
最初に、外に掛かってる絵馬を全部はずして、
車からもってきたマイナスドライバーで、箱の打ち付けられている部分を持ち上げて、 
指が入るくらいの隙間になってから、みんなで引っ張った。 
バキッ!と音がして箱が外れた。
「うぉ!外れた!」

中には、明らかに他のものより古い、黒ずんだ絵馬が入っていた。 
みんな最初は黙ってみていたが、オレは絵馬に顔を近づけよく見てみた。 
何も書いてない・・・裏返してみると、字らしきものが書いてある・・・。 
みんなも顔を近づけた。
「おい、火ぃ点けて。見えんわ」
友達がライターの火で絵馬を灯す。 

『大好きなYさん 
 大好きなYさん 
 祈ったのに 
 離れて行った 
 裏切られた 
 許さない』

「!!!」
みんな絶句した・・・これは怖い! 
「うぉ~~!怖ぇ~~~~!!!!」 
テンションが上がったオレは、調子にのってオーバーリアクションをしてしまった。 
手に持っていた絵馬がオレが振った手に引っかかって、ポーンと飛んで行った。 
「あっ!」
カツンと音を立てて落ちる絵馬。 
オレは急いで拾い、すぐにもとの場所にかけた。 
「・・・やべ」 
「・・・さすが○○ちゃん」 
「いや、ホンマにわざとじゃないんよ。ちょっと調子乗ってもうて・・・」 
友達に言い訳をしてもしょうがないのだが、なんだか怖くてそんなことを言った。 
「ヤバいんかね?」
「・・・ま、迷信じゃろ。なんもないよ、こんなもん」 

ちょっとビビりはじめたオレに気を使ってくれる友達に、ちょっとホッとしたその瞬間、 
「こりゃ~~~~~~~~~~~!!!!!」 
ものすごい怒鳴り声!
オレは腰を抜かして、そこにへたり込んでしまった。 
「また冷やかしかと思ったら、まさか外しおるとは・・・こんの馬鹿もんがぁ!!!」 
いきなり怒鳴ったオッサンが、神社の人だってのはすぐにわかった。 
いい歳こいて、こんなところ見つかるなんて情けない・・・。 
警察呼ばれたらヤバイかも・・・。
「すんません・・・」X3 
みんな謝るフリして、逃げるタイミングを目くばせして計ってた。 
するとオッサンは、
「外したか?」 
「あ・・・あの・・・はい」 
「箱外したんは見りゃ分かるわ!!絵馬じゃ!!絵馬は外しとらんじゃろうのぉ!!!」 


「あの・・・ちょっとだけ・・・ほんのちょっと。すぐに戻しましたよ」
「・・・」 
オッサンは押し黙って、フゥーッとため息をついた。 
「だれなら?外したんは」 
「オレ・・・です・・・」 
「ちょっと来い」 
「いや、ホンマにすいません。出来心で。箱も直しますから・・・ごめんなさい・・・・」
「えぇけ~、来い言うとろうが!」 
オッサンはいかにも神社の人って格好をしているのに、まくしたてる様子はまるでヤクザだった。 
オレは仕方なく、言うがままついて行った。 
その時、オレを置いて逃げようかどうしようか迷っていた友達の様子が、とても憎らしかった。 

結局友達2人もついてきて、オレらは神社の裏手の建物の中に連れてこられた。 
「さてと」
オッサンは正座しているオレの前にしゃなりと座って、じっとオレの目を見た。 
顔が怖くて目をそらしたかったが、そらしてはいけないような気がして、オレもオッサンの目をじっと見ていた。 
しばらくして、
「あんたぁ、男前じゃの」
「は?」 
「彼女はおるんかい」
「え?・・・ええ、一応」 
「好きなんかいの」
「???・・・ええ、まぁ・・・」 
訳のわからない質問に困惑したが、なんとなく心配になって聞き返した。 
「あの・・・彼女がなんかまずいことにでもなるんですか?」 
「ん~、もしかしたら調子壊すかもしれん」 
「えぇ?なんで?」

「あんたぁ、あそこまでしたんなら、あの絵馬が何か知っとるんじゃろ?」 
「えぇ、噂で・・・」
「あの絵馬があそこにかかっとるうちはの、女も悪さはせん。決して安らかな訳ではないがの。
 外すととたんに悪さをするんじゃ。自殺したもんもおる」
「・・・」
オレは絶句した。 
「オレらもヤバいんですか?」 
後ろの友達2人が聞くと、 
「ちょっと外れたくらいなら、あんたらは大丈夫じゃ。
 でもあんたは、ちょっと悪さされるかもしれん。
 あんたぁ男前なけー、もしかすると女を狙われるかもしれん」
「ちょ、ちょっと、どうすればいいんですか!?」 
幽霊なんか信じない。そう信じていたオレは、もう完全に霊の存在を肯定していた。 

「あんたに影が見えん。女の所に飛んだのかもしれん。もしかしたらなんもないかもしれん。
 女が調子悪くなったら、病院行く前にここに来い」
オッサンは棚からメモ用紙を取り出し、電話番号を書いてオレにくれた。 
「ええか?次悪さしたら警察突き出すけんの?わったか!?」 
「ハイ!」X3
いい返事をして頭を下げて、帰ろうとするオレらを呼び止めて、オッサンは工具一式を持ってきた。 
「直して行け」
オレたちは外した箱の修理をやらされた。まぁ当然と言えば当然なんだが・・・。

捲れた板をボンドでひっつけている途中、目の前で揺れる古びた絵馬が怖くて、マジで帰りたかった。 
絵馬に箱をそっと被せて、釘を打ち直した。
「こりゃ、どうにかせんとのぅ・・・」
オッサンが後でつぶやいた。 


その日は、なんだか大変なことをしたと思ったが、なんか実感がなかった。 
帰りの車の中でも、
「いや~○○ちゃんはやる思うたよ。さすがじゃーや。
 『うぉ、怖ぇ~~、ポーン!』じゃもんの~、オレできんわ」 
「いや、マジでびびってもうたよ。でも正直、オッサンのが怖かったけど」
「ホンマよ。なんやあれ、ヤクザか思うたーや」 
緊張感などまるでなく、解放された安堵で逆にハイテンションだった。 
「☆ちゃん(オレの彼女)も大丈夫よ。あんなぁ脅かすために言うたんじゃーや」
オレも、まぁないだろう・・・と思っていた。 

帰りに行きによったコンビニによって、店員に絵馬を外したと報告して帰った。 
店員はどうなったか聞いてきたが、何もなかったと言うと、なぁ~んだと言った感じで笑っていた。 

次の日、一応心配だったオレは、彼女に電話をして体調を確認した。 
そんなことを聞いてくるオレを彼女は不思議に思って、何かあったのかと聞いてきたが、
元気そうだったので、次の日の休日に会う約束をして電話を切った。 

その晩、彼女から電話があった。 
「○○ちゃん?ごめん明日会えんかも」 
「え?どした?」 
ドキッとした。 
「なんか風邪ひいたみたい。熱あるし、寒気もする・・・。
 治ったらいいんじゃけど、なんかひどくなりそうで・・・。もしダメじゃったらごめんね」 
オレは急に怖くなった。
「そう・・・あったかくして、今日はもう寝ーや」 
電話を切って、オレはすぐにオッサンにもらったメモがちゃんとあるか確認した。 
電話番号を携帯のメモリーに入れて、メモも財布に入れておいた。 
もし明日、彼女の体調がやばかったら電話をしよう・・・。

次の日、昼前に起きて彼女に電話を入れてみた。
何回かかけたが出ない。
しばらく待ってまたかけた。さらに待ってまたかけた。 
全く電話にでない彼女が心配になって、バイクで彼女の家に行った。 
彼女は実家暮らしで、実家の番号は知らなかった。 

彼女の家について、チャイムを押そうとしたその時、玄関がガチャリと開いて、彼女を背負ったお父さんが出てきた。
「☆っ!・・・!」 
お父さんはオレを見て、「☆の友達?今はちょっと・・・体調が悪いんじゃ。病院につれて行くけー」 
背負われている彼女は、意識があるのかないのかもよくわからなくて、
口をぱくぱくさせてやっと呼吸をしている、といった感じだった。(これは電話をしないと・・・) 

すぐに携帯を取り出して、神社の番号に電話をかけた。 
玄関から半ベソのお母さんが出てきて、お父さんにかけより、
「あなた・・・救急車呼ぼう!」 
「車の方が早い!」 
なんて言い争いをしていた。
それを聞いてオレはパニックになりかけてた。 
『T神社です。』 
「あの、○○と申します。神主さんを・・・Jさん(オッサン)を・・・!」 
『は、はぁ、少々お待ちを』
保留音が2~3秒流れすぐにオッサンが出た、 
『もしもし、大丈夫か?』
「彼女が・・・☆が・・・!!」 
『落ち着け!すぐに来れるか!』 
「はい、すぐに・・・すぐに行くから・・・助けて下さい!」 
『すぐに来い!車か?気をつけぇ。それと、これは携帯電話か?』 
「そうです・・・」
『じゃあ切るな!このまま彼女の耳に押し当てて、わしの声が聞こえるようにせぇ!』 
「わ、わかりました」

携帯を自分の耳からはなしたオレに、両親はすぐ詰め寄ってきた。 
「お、おい、今の話はなんや!どういうことや!」 
「車で話します!だから・・・車貸して下さい!スグに!」 
気づくとオレは、ベソかいて涙と鼻水で顔がぐちゃぐちゃだった。 
「病院に行くんじゃないんか?訳を話せ!」
「神社に行くんです!オレが幽霊にちょっかい出したんです!そのせいで彼女がこうなってるんです!
 お祓いしてもらうんじゃ!スグ行かんと!!」 
オレはまくしたてた。 
オレのすごいけんまくに、両親も押され気味で困惑していた。 
さすがに、いきなり幽霊とか言われりゃ困惑するだろうが・・・。 
「何言ってるの・・・病院行かなきゃ・・・!!あなた!!」 
迷うお父さんの背中から、☆がふと目を開けてオレを見て言った。 
「Yさん・・・」
絵馬にあった名前・・・大好きなYさん・・・オレは血の気がひいた。 
両親を殴り倒して車を奪ってでも神社に行かなきゃ。 
「行こう」
急にお父さんが娘を車にのせた。 

「君が運転してくれ」 
オレはすぐに車に乗り込んだ。 
お母さんは、「あなた!本気!?どういうこと!?」と錯乱気味だ。 
お母さんも乗り込んできて、運転席のオレにつかみかかるが、オレは構うもんかと車を発車させた。 
そして、もめている両親の怒号を打ち消すような大声で叫んだ。 
「この携帯電話を☆の耳に当ててくれ!!」 
キーキー騒ぎ立てる母親を静止して、お父さんは携帯電話を彼女の耳にあてた。 
すると彼女は苦しみ出した様子で、お母さんはもう狂ったように、「やめてー!やめてー!」と叫んでいた。 
「これは、なんや!なんでこんなことするんや!」
「神社の神主さんがそうしろって!オレもわかりません・・・!」

車の中はしばらく騒々しかったが、やがてお母さんも落ち着いてきて、(というか、疲れてきたというか)
お父さんは詳細を把握しようと、オレに経緯を尋ねた。 
オレは神社のこと、女と絵馬のこと、そしてあの夜のことを話した。 
両親は信じがたかったろうが、特に反論もせず、それからはしきりに彼女の名前を呼んで励ましていた。 

神社につくと、オレは彼女の耳から携帯を取り、自分の耳にあてた。
電話からは、オッサンのお経のような、呪文のような、そんな声が聞こえる。 
「つきました!」 
『~~~・・・!そうか!すぐに前お前が入った建物まで運べ!』 
オレとお父さんで、急いで彼女を神社の裏手の建物に運んだ。 
オッサンは、なんか神々しい格好をしていて頼もしかった。 
「彼女をここに!」
言われた通り、彼女をオッサンの前の布がひかれた場所に寝かせる。 
オッサンはお経のような、呪文のような、歌のような、そんな言葉を発しながら、
彼女の身体に手をかざしたりしはじめた。 
たまに普通の日本語っぽい言葉も聞こえた。 

そのうち彼女に変化があった。 
「うぅ~~、うぉおお~~」
うなり声があがったと思うと、彼女は目を見開いて
「またかー!またかー!おのれー!おのれー!」と、すごい形相で叫び出した。
身体は反り返り、たまにドスンと床に落ち、すぐ反り返る。
お母さんは、その様子を見て気を失ってしまった。 
オレも、もう身体がありえないくらい震えていた。 
「違う!違うぞ!この男は違うのだー!」 
「ヒャーッ!ヒャーッ!Y~~~~~!Y~~~~~!」 
卒倒寸前のオレをオッサンはいきなり捕まえて、彼女の目の前に突き出した。 
「よく見るがいい!おまえの愛した男か!違うであろう!」 
すごい彼女の形相。いや、これはあの女の顔なのか。 
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、違うんです、ごめんなさい・・・」 
オレは絵馬を外したことを、心のそこから謝った。 

「~~~~~~~~~~」 
声にならない声で唸っている彼女・・・そのうちそれは、すすり泣きのようになっていった。 
オッサンはそれをみはからったように、彼女の横にそっとしゃがみこみ、
今迄とはくらべものにならないくらい小さな声で語りかけていた。 
オレは腰が抜けて放心状態だった。横では彼女のお父さんもへたり込んでいた。 

やがて、彼女はだんだん落ち着いた様子になり、
オッサンは最後の仕上げとでもいうように、立ち上がり、またお経のようなものを呼んで、
オレらの前にしゃなりと正座した。 
「もう、大丈夫です」 
それを聞いてオレは、涙がボロボロ出た。声をあげて泣きじゃくってしまった。 
お父さんとオッサンがいろいろ話をしていたようだが、よく聞いていない。 
彼女は気を失ったままで、「意識が戻ってからでいいので、病院に行くように」と言われたらしい。 

オッサンは帰り際にオレに話した。
「正直、あの程度でここまでつかれるとは思わんかった。あんたぁ、よっぼど気に入られたんじゃのぉ。
 もう祓ったから心配いらん。が、もう彼女には会うな。
 未練はそうとうなもんじゃ。またあんたと一緒におればああなるかも知らん。
 もう会うな。お互いの為じゃ。気の毒じゃがそうせぇ」 
彼女のことは好きだったので、ショックだったが、やむを得ないと思った。 
オッサンは続けて、
「できればの・・・引っ越せ。この土地を離れぇ。それが一番安全じゃ。
 もとはと言えば、あんたの軽はずみな行動が原因じゃ。反省せぇ」
引っ越しはちょっと・・・と思ったが、やっぱりやむを得ないと思った。学校もやめなきゃ・・・。

その後、彼女の両親に送ってもらった。
お父さんは、「こうなったのは君のせいだが、助けてくれたのも君だから礼を言う」と言ってくれた。 
お母さんはずっと黙ってた。
オレは両親に、もう彼女とは別れ、自分もこの土地を後にし、戻らないと約束した。 
お別れも言えないなんて、つらくて涙が出た。 

その後、オレは学校をやめて、地元に戻り就職した。 
その頃つるんでいた友達(心霊スポットを一緒に回った友達2人も)もちょくちょく遊びに来てくれたが、 
誰も彼女のことや、あの夜の後日談に触れるやつはいなかった。
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5年前の話です。 
我が家は庭に建て増しをして、家を広くしました。 
うちは祖母、両親、兄、妹、私と大人数だったので、部屋が増えてうれしかったのですが、
それから我が家はめちゃくちゃになりました。 

父はお酒をほとんど呑まない人でしたが、理由もないのに酒量が増え、
暴力はふるわなかったものの、大声でどなるようになりました。
兄はそんな父がいやで、就職が決まっていたので、会社の寮に入って家を出て行きました。 

続いて祖母、妹が家で事故死しました。
妹の遺体を見つけたのは母で、突然のことで辛かったせいか、変な拝み屋のところに通いつめるようになり、
家事をほとんどしなくなりました。 

家が広くなってから3ヶ月で、これだけのことが起きました。 

私はというと、ずっと夢だ幻覚症状だと、自分に言い聞かせてごまかしていたことがありました。
家を広くしてから、知らない3人家族を、家のあちこちで見るようになったのです。 
最初に見たのは庭ででした。
父親らしき男、母親らしき女、子供らしき男の子。
格好は古い感じで、3人で記念写真のように立っていて、
口だけがにやにやと笑っていて、ばかにされてるような感じでした。 
いつも私が気づくと、2、3秒経ってから消えます。 

そんな中、野良猫が庭に迷い込んできました。
うちは動物を飼ったことがなかったのですが、
私が学校に行く時と帰ってくる時、必ず玄関にいて待っているその猫がかわいくてしょうがなくなり、 
父と母の機嫌のいい時に説得し、うちで飼うことにしました。 
鼻のところにほくろのような模様があったので、『ハナちゃん』と名づけ、
ハナちゃんの存在は安らげない家の中で唯一の慰めでした。 
ハナちゃんが一緒にいる時は、なぜかあの家族を見ることもありませんでした。 


2ヶ月くらい経った頃、ハナちゃんは急に死にました。
朝いつも1番に起きるハナちゃんが起きてこないので、部屋を探すと、ハナちゃんは冷たくなっていました。
獣医さんは「心臓麻痺かな」と言ってました。 

私はここ3ヶ月に起きたこと、心の拠り所だったハナちゃんがいなくなってしまったことで、
精神のバランスをくずしたのか、全てがどうでもよくなり、
感情を表に出すことなく、毎日を過ごすようになりました。 

ある夜、ふっと目を開けると、あの3人家族がベッドの脇に立って私を見下ろしてました。にやにやと笑っていました。
今考えると恐ろしいのですが、その時はもう、勝手にしてよ・・・と思っていました。
その次の瞬間でした。
ものすごい剣幕で怒っている猫の大きな顔が浮かび上がり、父親らしき男に噛みつきました。
家族は驚愕の表情で消えました。
私もこの時はほんとうに恐ろしかったのですが、穏やかに変わった猫の顔を見た瞬間、
「ハナちゃん!!」と叫びました。
鼻の横の模様がはっきり見えたのです。 


朝起きると、珍しく母が先に起きていました。
寝ていたら、布団の上から猫の足のような感触でつつかれ、起きてしまったのだそうです。 
私は抑えていた感情が一気にあふれ、大泣きしました。
母と起きてきた父を前にして、
「酒を呑んでどなるのは止めて」「拝み屋に行くのも止めて」「こんなんじゃおばあちゃんと妹があの世にいけない」
とにかく泣き叫びました。
さすがに両親もわかってくれたらしく、
父は家のお酒を全部捨てて病院に通い、母は拝み屋に行かなくなり、家事をするようになりました。 

そんな時、兄から連絡がありました。子猫を飼ってくれないかというのです。 
「寮に住み着いた猫がいて、毎晩駅からの帰り道の途中で自分を待っている。かわいくてほっておけない。
 自分は寮だから面倒みてくれないか」
という話でした。
ハナちゃんには申しわけなかったですが、うちで飼うことにしました。 

学校から帰った夕方、1人で家にいた時です。
台所でテレビを見ていると、寝ていた子猫が急に起きて、廊下に飛び出ていきました。
同時に、廊下でバタバタバタ!と玄関に向かって走る音が聞こえました。
驚いて廊下に出ると、子猫が毛を逆立てて玄関に向かって怒っていました。 
近づくと「フィギャアアア!!」と猫の怒鳴り声と、「うわあーっ!!」と男の声が響きました。
猫の声は子猫のものではありませんでした。 

あの家族を見ることは全くなくなりました。 
兄は猫が気になるらしく、よく家に帰ってくるようになりました。 
父も母もおかしなところはなくなり、家族で1ヶ月に1度は祖母と妹のお墓参りに行きます。
我が家では、猫はうちの守り神と思うようになったせいか、今は7匹の猫がいます。
子猫も大きくなり、ボスとして健在です。
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穴場の海水浴場

兄貴が大学生の時の話なんだけど、サークルのメンバーと海に行ったんだって。
けっこう穴場なスポットで、海岸と砂浜の境目みたいな場所だったんよ。 
穴場っていっても一応海水浴場だし、ライフセイバーももちろんいる。
普通に地元の子供達も泳ぎに来ていて、あるていど込み合ってもいたんだ。

そんで皆で泳いでいると、
沖のほうに出ていたゴムボートが波でひっくり返されて、中に乗ってた子供達が投げ出されちまったみたいなのよ。 
その時それに気がついたのは、兄貴とサークルの先輩の一人だけだったんだって。
んで、先輩と二人で子供達を助けに行ったんだって。 
でもそのガキどもが馬鹿ばっかりで、パニックになって暴れたらしいのよ。
まあ一応6人(?)の子供達は全員無事だったんだけど、先輩が最後の子供を助けてすぐ倒れちまったんだって。
子供達を助けて体力を使い果たしてて、さらになんかヤバイクラゲに刺されちまってたらしいのよ。
で、救急車で運ばれたんだけど、ショック症状起こして死んじゃったんだって。


その死んじまった先輩ってのが本当にいい人で、正義感の塊みたいな感じの人だったんよ。
サークルの皆も、なんで馬鹿なガキどものせいで先輩が死んじまったんだって泣いてたって。
兄貴は家に帰ってきてからも泣いてた。 

で、次の年の命日に、またサークルのメンバーで海に行ったんだって。
んで、花束を海に投げ込んで帰ろうとしたら、何か砂浜が騒がしくなってたんだって。
近くの崖から足滑らせて落ちた女の人が流れついたんだって。
かなりの高さの崖だったにもかかわらず怪我はかすり傷程度で、意識もハッキリしてたんだと。
んで、うわごとみたいに「海に落ちたら男の人に手を捕まれて岸まで運ばれた」って言ってんのよ。
で、さらにそこのライフセイバーが、
「一週間前に溺れた子供も、お兄さんに助けてもらったって言ってたんだよなぁ」とか言って首をひねってたんだって。 
まさか!と思って話を聞いてみると、それが死んじゃった先輩の特徴とピッタリ一致するんだって。 
偶然かもしれないけど、
「先輩は死んでも、その海で人を助け続けてる。そう思いたい」って兄貴は言ってる。
んで、今も夏になると花持ってその海に行ってる。

今思うと、兄貴いつかは先輩と同じことになりそうだな。
俺がしっかり見ておかないと・・・・・笑えねぇ・・・・・
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俺の兄貴が体験した怖い話。

俺の兄貴が結構心霊現象に出くわすのよ。
聞いてるこっちが怖くなるような体験をしてるのに、 
「まあ長い人生こんなことがあってもいいでしょう」とか、のんきなこと言ってるんだよ。 
でも俺は結構怖いと思うからとりあえず一話書き込んでみる。 
許可は取ってないけど多分怒られないと思うし。


冬の桟橋

俺の兄貴が高校生の頃の話。(確か2年だったかな?) 
当時住んでいた場所が東北のほうで、毎年冬になると白鳥が越冬しにくる川があったんだ。 
兄貴はその川に越冬しにきた白鳥の飛来数を数えるバイトやってた。
確か週末を利用したバイトだったらしいんだけど、朝が早いから、
川の近くに仮設住宅みたいのがあって、前日の夜はそこに寝泊りして次の日の早朝から仕事をする、
みたいなシステムだったらしい。
んで、日の出とともに調査を開始するらしいんだけど、
初日の朝に少し早く眼が覚めて、近くのコンビニまで朝飯を買いに行こうと思って、一人で着替えて外に出たんだって。 
んで、まだ真っ暗な川べりを雪明りを頼りにテチテチ歩いて行くと、不自然な事に気がついたんだって。
その川には用途不明の桟橋があって、毎年白鳥たちはその桟橋を中心として集まっているらしいんだけど、
その日は白鳥が桟橋から離れて集まってたんだって。
不思議に思って桟橋に近づいてみると、
その日はよっぽど寒かったのか、桟橋の周りの流が無くなっている水面に氷が張ってたんだって。


兄貴がその氷を見ていると、桟橋の右側の氷に大きな穴が開いていて、
よく目を凝らしてみると、子供が溺れてバタバタもがいてたんだって。
「きっと氷の上に乗ろうとして、氷が割れて落ちたんだろう」と兄貴は思ったらしく、
その桟橋まで走っていって、子供を助けようと真冬の川に飛び込んだんだって。(本当に馬鹿な兄貴だよ) 
桟橋の近くだから足が着くと思ってやったらしいんだけど、それが普通に深くて、兄貴のほうが溺れかけたらしいのよ。
で、すぐに子供を助けようと探したんだけど、その子供が何処にもいないのよ。
寒さが尋常じゃ無かったからすぐに桟橋の上に戻って、もう一度川を見てみたんだけど、
氷には自分の落ちた穴しか無くなっている。
「おかしい!確かに子供が・・・」
そこまで思って、兄貴はドキッとしたんだ。 
見えるはず無いんだよね。
日の出前のかろうじて道がわかる程度の明かりの中じゃ、誰かが溺れてても子供だなんてはっきりはわからない。
それ以前に、真冬のそんな朝早くに子供がいるわけないんだって。 
そのあと兄貴は風邪引いてバイトはキャンセル。さんざんな週末になったらしい。 

後で兄貴がそのバイトしている先輩に聞いたらしいんだけど、結構前にその桟橋から子供が落ちて死んでいたらしい。
兄貴は「俺って寒いよなw」とか言って笑ってたけど、
それは笑える話じゃねぇよ兄貴・・・って思った。
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私が高校入学したばかりの頃の話です。 

父の地元、祖父の住むそばに引っ越すことになりました。 
同じ県内ですが、そこは県の端っこで遠くです。 
高校は町の高校だったので、遠くなるのはいやでしたが、
受験する前から決まってたことだし、友達もいない高校に行くくらいなら電車で通うほうがましでした。 
私達は、祖父が昔は人に貸していたという家に引っ越しました。 

祖父は畑仕事をしながら1人で暮らしていました。 
祖父は厳しい感じの人で、私はあまり近寄りませんでした。
それまで疎遠だったし、息子である父も小学校から従兄の家で育ったせいか、
祖父によそよそしいところがあったせいもあると思います。
でも近くですぐ会えるようになったからか、私を喜ばせようとこけしや鏡と櫛のセットなんかを持ってきてくれました。

ある日、日本人形を祖父が持ってきました。
私は人形が苦手なので、箱に入れて部屋の押入れの奥にしまいこみました。

2,3日経ってから変なことが起き始めました。 
必ず明け方に目が覚め、またすぐ眠るのですが、その夢に女の人が出てきます。 
もんぺ姿で髪をまとめてます。農作業をしてたり、見たことない土間にいたり。 
目が覚めてその後夢を見る、は10日くらい続きました。 

その日の明け方も目が覚めました。ただいつもと違いました。
その女の人がそばに座って私の足に触っているのです。布団越しにその感触がわかりました。 
これ夢だよね・・・いや夢だ・・・起きなきゃ・・・と思うのですが、目は開いています。
目をつぶってみましたが、腹と腕が触られているのがわかります。 
薄目を開けると、女の人は枕元に来ていました。夢に出てくる女の人です。 
もんぺ姿、まとめた髪。1つ夢の中と違うところがありました。 
額に大きな釘が刺さっていました。うっすら明るい部屋の中ではっきりと見えました。

私は叫び声を上げました。
女の人はいなくなり、両親がやって来たので、今起こったことを話しました。
私の様子がただごとではなかったせいもあり、翌晩から父母の部屋で一緒に寝ることになりました。
すると朝まで眠れるようになりました。 

1週間後くらいに学校から帰ってくると、母は出かけてました。
1人で家にいるのはいやなので、祖父の家にでも行こうとかばんを居間に置いて玄関に戻ると、
「どん」という音が2階から聞こえます。
「え?」と聞き耳を立てると、また「どん」と何かにぶつかるような音がします。 
泥棒かもしれないと、そっと出て祖父の家に駆け込みました。
祖父は「お前は危ないからここにいなさい」と出て行きました。

外の様子を窓から見ていると、母の車が帰って来たので家に向かいました。 
駐車場で母に事情を話すと、「車に乗ってなさい」と言われました。
中で待っていると、祖父が家から跳び出てきました。
手に、祖父の上着でぐるぐる巻きにした何かを持っています。 
母が駆け寄り心配しています。
私も車から降り近づくと、祖父が「お前は見るんじゃない!」と叫びました。
それより驚いたのは、祖父の手が血だらけだったことでした。 

祖父は病院に行き、帰ってきてから父母と話し込んでいました。
翌朝母が、私にくれた人形は「返してほしいと祖父が持って行ったよ」と淡々と告げました。 
今まで起こったことはみんな人形のせいかもしれないと、自分を納得させました。

しばらく何もない日々でした、が・・・私の体に小さな水ぶくれのようなものができてきました。
病院にも行きましたが、この病気だというのははっきりせず、どんどん広がって足の裏や手のひらにもできてきました。
できてはつぶれ、またできるの繰り返しで、肌はぼろぼろになりました。痛みは全くなかったです。
顔にもできていて、肌荒れと縁がなかった私は外に出ることが恥ずかしくて辛くて、学校から帰るといつも泣いていました。
父母が見かねて、帯状疱疹ということにして学校を休ませてくれました。 
居間の隣の和室に布団をひいて寝ていました。
このまま治らなかったらどうしようと思いながら、そのままうとうとしてしまいました。 

目が覚めると夕方です。部屋の隅にあの女の人が立って見ていました。 
額には大きな釘が刺さっています。口元は笑っていました。 
急にひどく絶望感がわいてきて、大声で泣き出しました。 
隣にいた母と祖父が横のふすまから入ってきました。女の人はもういません。 
私は母に抱きついて「女の人が来た」とわんわん泣きました。 
すると祖父がいきなり「すまん!!」と土下座をしました。
びっくりしていると、祖父は泣いていました。大人が泣くところを見たことがない私は呆然です。 
「すまん・・・すまん・・・」と私に謝り続けます。
母が居間に連れ戻そうとしますが、祖父は頭を下げたままです。
「勘弁してくれ・・・そんなにわしが憎いのか・・・」 
厳格な祖父には似合わない弱々しい声でつぶやきました。


次の日も休んで母と病院から帰って来ると、玄関に靴がたくさんあります。 
居間から祖父や父、父の姉達の声がします。
母は「邪魔になるから出かけようね」と、また私を連れて車に乗りました。
「何でみんな来てるの?」と聞くと、一言だけ「相談があるんだって」と言いました。 

その夜、父が母と私を呼び、「前の町に戻る」と言いました。
何で?とは思いましたが、いろいろ怖い目にあったこの家には住みたくありませんでした。
今考えると無茶なスケジュールで部屋探し、引越しとなりました。 

引っ越す日、祖父が1人で引っ越しの様子を見ていました。
私は何となくそばに行き、「おじいちゃん、また来るから」と言いました。
すると祖父は優しく笑みを浮かべて、「もう来なくていい。心配するな。これでお前も大丈夫だ」と私の頭をなでました。

町に戻ってから水ぶくれはどんどんなくなっていきました。
生活が落ち着いてきた頃には、何もなかったかのように普通の肌になっていました。 
女の人もあれから見ることはありませんでした。 

その後は祖父の話もタブーみたいな雰囲気になり、会わないまま祖父は去年亡くなりました。畑で倒れていたそうです。 
後に父の姉に聞きましたが、父は姉が3人いるのですが、父だけでなく3人とも祖父母に育てられていないそうです。
それぞれ親戚の家で育っています。 
また祖母は亡くなったと思っていましたが、父が小学生になった頃に離婚し、実家に戻りその後再婚しているそうです。 

怖かったことだけは確かですが、訳がわからないことだらけでした。 
あの女の人は?あの2階の音は?なぜ祖父は怪我をしたのか?日本人形はどうなった? 
なぜ私にだけ水ぶくれができ、治ったのか?祖父が言った言葉の意味は? 
祖父が亡くなった今となっては、もうわからないままです。

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僕の家の隣に女の子が越してきたのは小四の夏休みだった。 
彼女の家庭にはお父さんがいなかった。
お母さんは僕の目から見てもとても若かったのを覚えている。 
違うクラスになったけど僕と彼女は仲良くなった。 
彼女はあまり明るいほうではなく、女子の友達も少なかった。 
本ばかり読んで親しい友人のいなかった僕と彼女は、お互いの家に遊びに行くほど仲良くなった。 
そのうち彼女は愚痴を言うようになった。
母親がすぐ殴ること。
同じクラスの女子が意地悪をすること。 
すきな男の子ができたけど、その子はほかの女子にも人気があること。 
最初は僕のほうがよくしゃべっていたけれど、この頃からは一方的に彼女が話し僕が聴くようになっていた。 
  
ある日を境に彼女は学校に来なくなった。 
好きだった男子の取り巻きたちに、いじめられていたのが理由だ。 
彼女は僕に会うたびに、自分をいじめた女子が憎いといった。 
そのいじめを見てみぬ振りしていたクラスの皆も憎いといった。 
そして、現実味のない復讐やクラスメイトの悪口を延々と話し続けた。 
僕はただ黙って相槌を打っていた。 

中学に入ってから彼女の素行が荒れ始めた。 
夜遅くまで帰ってこないようになり、これ見よがしにタバコをすい始めた。 
家庭環境も悪化し、深夜にいきなり親子喧嘩が始まったりもした。 
一度は警察が彼女を迎えにやってきた。
この頃から近所と折り合いが悪くなり、中傷ビラや落書きなどの悪質な嫌がらせが彼女の家に行われた。 
一度は郵便受けに刻んだ猫が入っていた。 
僕も母に彼女と付き合うのをやめるよう言われた。 


僕が高校を出たとき、彼女は部屋に引きこもるようになった。 
僕も彼女の姿を見ることがめっきり減った。 
めっきりふけこんだ彼女のお母さんに話を聞くと、
昼は絶対に出てこない。 
ご飯は部屋の前においていく。 
深夜になるとトイレに行くときだけ出てくる。 
そんな生活を送っているようだ。 
僕は久しぶりに彼女に会いにいった。 

彼女は僕に会うのを拒絶した。 
扉越しに帰れと怒鳴った。 
何を話しても黙っていた。 
一度なんかは、ドアがあいたと思ったら味噌汁をかけられた。 
ちらりと見えた彼女はげっそりと青白くやつれていた。 
絞った雑巾のようだった。 

僕は毎日彼女に会いに行った。 
親とけんかした。 
やっとできた友達と疎遠になった。 
それでも毎日彼女の部屋まで会いに行った。 

そのうち彼女は扉越しに話をするようになった。 
悪い仲間と付き合っていたこと。
万引きが癖になって警察に捕まったこと。 
恋人ができたと思ったら、避妊に失敗して子供ができたとたんに逃げられたこと。 
助けてほしくて相談した母親に半狂乱になって殴られたこと。
子供をおろしたこと。
死のうと思ったこと。
手首を切ったこと。
昔と同じ様に彼女が一方的にしゃべり続け、僕は相槌を打つ。 
意見を求められたときは、なるべく無難な意見を言う。 

そのうち彼女は部屋を出た。アルバイトも始めた。 
だんだん性格も明るくなり始めた。彼女のお母さんから泣きながらお礼を言われた。 

ある日、彼女は近所の団地から飛び降りた。 
下が植え込みだったことと、たいした高さじゃなかったために、一命は取り留めたが、
脊髄が傷ついたために、今後の人生は車椅子のお世話になるそうだ。 

ベッドに横になった彼女はなきながら謝った。 
親や僕に迷惑をかけていたのがすごく申し訳なかったから、飛び降りたんだそうだ。 
泣いている彼女を慰めた。寝転んだまま泣いている人を慰めるのは難しいと思った。 
慰めながら彼女にプロポーズした。結婚を前提に付き合ってくれるように頼んだ。 
彼女は全身の水分を絞りつくすようにして泣きながら、
「本気?私でいいの?本当にいいの?」と何度も聞き返した。
訊かれる度にうなづき返した。 
君のことがずっと好きだった。 
顔をゆがめてクラスメイトの悪口を言っていたときも、
悪い友達と付き合って荒れていたときも、
一方的に愚痴をしゃべり続けていたときも、
君が泣きながらお母さんが自分を殴ることを告白したときも、
引きこもって別人のようにやせたときも、
小学生の頃に君が好きな男子の名前をその取り巻きたちに教えたときも、
君の家のポストに入れる猫を刻んでいたときも、
足の感覚を失い白いベッドに飲み込まれそうに小さく横たわっている今も、ずっと君が好きだ。 
これで完璧に君は僕だけの『彼女』だ。

僕たち今度結婚します。

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最近あった、自分にはあんまり洒落にならないガクブルの事を。 
私はバーでバーテンドレス(バーテンダーの女版です)をしてます。 
スタッフはオーナーと私だけで、ビルの二階にある小さなバーです。 
店の入り口から一番近いカウンターの席に、時々、ふと人の気配を感じる事があり、
「あ、お客様かな?」と、カウンターから身を乗り出し気味に見ても人は居ません。 
そういう事が店に入ったばかりの頃は、気になって仕方なかったのですが、 
一年もして慣れてくると、気にも留まらなくなりました。 

先日、常連のお客様が結構な量のお酒を召し上がった後、
例の一番入り口寄りのカウンターに座って、何もない壁に向かって突然話し始めた時ドキっとしました。
それが、相槌を打ったりする会話形式のリズムなんです。
最初は酔っ払ってるからなぁ…と思って、面白半分で見ていたのですが、
会話の内容が妙に現実的で、次第に気味が悪くなり、
オーナーも「○○さん(お客様)やめてくださいよ~(ニガワラ)」と言いました。 


226 :224:2005/10/17(月) 23:35:41 ID:SHqYPDO8O
お客様は、
「マスター、この子は苦労しとるわ」「いくつなの?」「薄着やね」「一緒には行けんなぁ、まだ子供小さいし」 
みたいな会話をしていて、
会話の端々から、水商売をしている外国人の非常に若い女の子が、そこに居るという事が聞き取れました。 
ただ単に酔いが回ってるだけか、担がれてるのか、本当に何か見えてるのか、
分からなくなって、そのお客様から離れてました。 

お客様が帰ってから、オーナーは、
「居抜き(店舗の中身そのままの状態)で買った物件だから、そんな事もあり得るんかもしれん」
と、憂鬱そうな顔で言ってました。 

その日から5日後に、そのお客様が心筋梗塞で亡くなった事を、
そのお客様と同じ会社の同僚の方が、来店された時に聞きました。 
正直、鳥肌が立ちました。
かなり懇意に通ってくださっていた、お客様でしたので。 

「一緒には行けんなぁ」って言っていたお客様の会話の前後を、嫌な方に考えてしまいます。 
もしかしたら、世の中には気付いてはいけない物があるのかもしれない、と思いました。 

私もオーナーも、今はあのカウンターに気配を感じても見ないように、
あの席にはなるべくお客様を座らせないようにしています。
オーナーは「早く移転したい」と言っています。

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これは僕が高校の頃の話です。 

『かんひも』に関わって以来、微妙な霊感に目覚めてしまったわけですが、
友人たちから、その系統の相談を受けるようになっていました。 
まあ、霊感といっても、僕の場合ただ見えるだけなので、本当に話を聞くだけ・・・なんですが。 
それでも、中には気のせいだったり、話を聞いてあげるだけで解決したりする場合も多く、
意外と役に立っていました。 

10月25日
その日の夕方、僕は友人のJに、近所の喫茶店に呼び出されました。 
Jはサッカー部に所属しており、そのマネージャーのYさんが、奇妙なことで苦しんでいるとのことでした。 

喫茶店に着くと、すでにJとYさんは来ていました。 
恥ずかしながら帰宅部で自由を謳歌していた僕は、
Jの試合の応援などで、何度かYさんとは顔をあわせたことがありました。 
Yさんは大きな目をした、表情豊かな可愛らしい子で、サッカー部のマスコット的な存在でした。 
しかし、久しぶりに会うYさんは、いつもの明るさは影を潜め、やつれ果てていました。 


「すまん、A」 
僕の顔を見ると、Jが心底困り果てた様子で話しかけてきました。 
「どうも、本気でやばいらしいんだ・・・」 
「どうしたの?」 
僕はJに頷くと、Yさんに話しかけました。 
Yさんは泣きそうな顔で、ゆっくりと話し始めました。 

ここからは分かりやすいように、Yさんから聞いた話を、Yさん視点でお話しします。

---------------
今から1ヶ月ほど前。

9月23日 
Yさんは、自分のアパートの部屋で夜中に目を覚ましました。 
Yさんは高校に通うのに、親元から離れて、学校の近くのアパートに一人暮らしをしています。 
アパートといっても、そこは女性の一人暮らし。 
1階には大家さんたちが住み込み、玄関はオートロックという、なかなかのアパートです。 
もともとは古いアパートなのですが、後からセキュリティ関係を強化してあるようでした。 

Yさんがふと時計を見ると、夜の2時45分・・・。 
妙な時間に起きてしまったものだと、トイレに行こうとベッドを出ました。 
すると、玄関の向こうの廊下で何か音がします。 
「カッ、コッ、カッ、コッ・・・」 
良く聞くと、それは足音のようでした。 
革靴やハイヒールのような、かかとの硬い靴の音です。 


「こんな夜更けに・・・誰か帰ってきたのかしら・・・」 
Yさんは、同じ階の誰かが帰ってきたのだと思いました。 
眠い目をこすりながら、気を取り直してトイレに行こうとすると、 
「カッ、コッ、カッ」
足音が、ちょうどYさんの玄関の前あたりで止まりました。 
「・・・?」
Yさんは不審に思いながら、息を潜めていました。 
すると、
「カコンッ」 
ポストから何かが投函されました。 

このアパートはもともとは古いため、玄関のドアは下部に穴が開いており、
そこに郵便が投函される、昔ながらのポストでした。 
ポストに投函された『何か』は、そのまま玄関の靴の上に落ちていました。 
「郵便・・・です」 
ドアの向こうから、かぼそい男性の声が聞こえました。 
そして、また足音をさせて去っていきました。 
「なんだ・・・郵便屋さんか・・・」 
Yさんは一瞬安心しかけたものの、そんなわけがありません。 
もう一度時計を確認しました。 
2時49分。 
間違っても、こんな時間に配達をする郵便局員がいるわけがありません。 
Yさんは恐ろしくなり、ベッドに潜り込むと、震えながら朝になるのを待ちました。 


朝、ようやく辺りが明るくなってくると、Yさんはベッドから出て、郵便を確認しに行きました。 
見ると、普通の官製はがきです。
恐る恐る拾い上げて、あて先を確認してみました。 
『○山 ×夫 様』
Yさんはほっとしました。 
あて先が自分宛でないことに、まずは安心したのです。 
そして、手紙をひっくり返して文面の方を確認しました。 
「・・・!」 
Yさんは、心臓がすくみ上がるのを感じました。 
はがきの縁が、1センチくらいの幅で黒く縁取られていました。 
そして、空白が大部分を占める中、真中に無機質なパソコンの字で1行、 
『9月27日 19時31分 死亡』 
とだけ記されていました。 
Yさんは、誰かのたちの悪いいたずらだと思い、そのはがきを捨ててしまいました。 

そして、Yさんはそのままはがきのことなど忘れて、普通に生活を送っていました。 
9月の27日も、別段なにごともなく過ぎていきました。 

9月28日 
その日は休日で、Yさんは友達とファミレスで昼食を取っていました。 
今度の休みの計画や好きな歌手のライブの話しなど、いつものように話しは弾んで、楽しいランチのひと時でした。
「・・・!」 
Yさんは友達と話しながら、見るとはなしに見ていたテレビの画面に、信じられないものを見つけました。 
『・・・昨晩午後7時30分ごろ、××市に住む・・・・○山×夫さん、3○才が、
 自宅で死んでいるのが発見されました・・・死因は・・・警察では事件と事故の・・・』 
それはまさしく、あのはがきに記入された名前でした。 
Yさんは恐ろしくなり、慌てて家に帰りました。
はがきの名前を確認するためです。 

家に着くなりYさんは、玄関の隅に置いておいたごみ袋の中を探してみました。 
あのはがきが来てから、まだごみは出していないので、この袋の中にあるはずなのに、 
全く見当たりませんでした。
でも、あれは間違いなく、あのはがきに書いてあった名前だったのです。 
---------------


「う~ん・・・」 
話しを聞き終わって、僕は思わずうなってしまいました。 
「まあ、でも、その後はなんともないんでしょ?」 
僕が口を開くと、Jが首を振りました。 
J「それだけじゃないんだって。 
 それから、もう4回・・・同じことがあったって・・・もう、5人死んでるって・・・」 
僕「でも、それだったら、変質者か悪質ないたずらじゃないの?警察に行った方がいいんじゃない? 
  へたしたら、殺人犯からとかってことも・・・」

僕とJが話すのを黙って聞いていたYさんが、 
Y「違うの。 
 だって、みんな、死に方が違うの。 
 調べてみたけど、心臓麻痺の人や、交通事故の人、病気の人。 
 殺されたとかじゃないし、みんな住んでるところがバラバラなの」 
僕は途方に暮れてしまいました。 
今まで、そんな例は見たことも聞いたこともありません。 

J「それに、ゆっくりもしてられないんだ・・・」 
Jはそういうと、Yさんに目配せをしました。 
Yさんは少しためらうと、バックから何かを取り出しました。 

「・・・!」 
それを見た瞬間、僕の背中にひやっとした感覚が通りました。 
いつもの、いやな感覚です。 
今までそこのバックに入ってたのに、何故気が付かなかったのか、というほどのいやな感覚。 
それは、縁を黒く塗られたはがきでした。 
『10月26日 2時00分 死亡』
と書かれていました。 
「まさか・・・」 
僕が聞くと、Yさんは頷いて、はがきの宛名面を出しました。 
『K○ Y子 様』
宛名には、Yさんの名前が書かれていました。 
「このはがきだけは、消えないの・・・ 
 ほかのはがきはみんな、どこかに行っちゃうのに、このはがきだけはずっとあるの・・・」 
Yさんは震える声でそう言いました。
「いつ来たの!?」 
僕は、そのはがきのいやな感覚に、思わず声を荒げてしまいました。 
Y「おとといの、夜・・・」
僕「なんで、もっと早く相談しなかったの!?こいつは、本物だよ!」 
J「A!、A!ちょ、声が大きい」
僕の声に、周りがこちらに注目しているのが分かりました。 
僕は中年のおっさんみたいに、机にあった手拭で額を拭き、(・・・落ち着け、落ち着け・・・) 
深呼吸をすると、どうすべきか考えました。

僕には、霊をどうこうする力なんてありません。 
警察に行っても、まともに取り合ってもらえる内容でもないし、警察でどうこうできる内容でもありません。 
しかし話しの流れから、なにもしなければYさんは今夜2時に、なにかしらの理由で死んでしまいます。 

「ちょっと、待ってて」 
僕はJとYさんにそういうと、喫茶店から外に出ました。 
こんな時に頼りになるのは、一人しかいません。 
携帯を取り出すと、僕は爺ちゃんに電話し、今までのいきさつを話しました。 
「・・・というわけなんだ、どうしよう、爺ちゃん!」 
『ふ~む。そりゃ、いかんわなあ』

爺ちゃんは、しばらく何か考えるように黙りこくったあと、
『あれじゃ。前に、大畔(おおぐろ)の坊主に書いてもらったお札があるじゃろ。
 あれを、ポストと、ドアのノブ、部屋の窓という窓に貼るんじゃ。 
 たぶん、そいつは、招かれ神の類じゃ。中から招かんかぎり、悪さはできんはずじゃ』
「夜中、部屋に戻らないようにしてもダメ?」
『だめじゃな。外じゃ、余計にいかん。四角く封ずる門がないぶん、連れいかれ放題じゃ』

僕はJとYさんに、先にYさんの部屋に戻るように言い、僕の家にお札を取りに戻りました。
大畔の坊さんというのは、『かんひも』の時に、僕とKを祓ってくれた坊さんです。 
普段は、酒飲みで肉も食べるわ、嫁がいてバツイチだわ、生臭さがプンプンする坊主ですが、 
霊験はあらたかなようです。
僕が変なモノを見るようになってから、魔よけのお札を書いて送ってくれていました。 
僕は札を取ると、教えられたYさんのアパートへ向かいました。時刻は夜の8時でした。 

部屋に入ると、青ざめたYさんとJが待っていました。
僕は爺ちゃんに教えられてとおり、部屋中の窓と、玄関のドアノブに、札を貼りました。 
そして落ち着かないまま、3人で時間を待ちました。 

緊張していたせいか、時間がたつのはあっという間でした。 
時計の針は、1時55分を指していました。 
「・・・・!」 
一番最初に異変気付いたのは、Yさんでした。 
「来た!!」
震えながらYさんは、自分のベッドに潜り込みました。 
「・・・・カッ、コッ、カッ、コッ・・・・」 
足音です。 
同時に僕の背中に、冷たい電流が走りました。 
ものすごく、嫌な感じがします。 
「・・・・カッ、コッ、カッ」 
足音が、部屋の前に止まりました。 
そこで、僕は重大なことに気がつきました。 
なんと、間抜けなことでしょう! 
一番肝心なポストのフタに、札を貼ってありません! 
かといって、今から貼る勇気はありません。 
何かが投函されるのかと、僕とJはポストを凝視していました。 


「コンコン、コンコン!」 
しかし意表をついて、ポストではなくドアがノックされました。 
「K○さ~ん、郵便で~す」
ドアの向こうからは、張りの無い無機質な男の声がしました。 
「K○さ~ん、郵便ですよ~」
ノックと、声は続きます。
僕たちは声を潜めて様子を伺いました。

しばらくノックと声が続いた後、ふっと音が止みました。 
そして、 
「カッ、コッ、カッ、コッ・・・・」 
足音が歩き出しました。 
そしてそのまま小さくなり消えていったのです。 

ほっとして、僕らはその場にへたり込んでしまいました。 
布団に潜っていたYさんも顔を出し、安堵で泣きじゃくっていました。 
「ふう・・・・」 
僕はため息をつくと、立ち上がりながら、なんとはなしに目をドアの方へ向けました。 

「・・・!」 
僕は恥ずかしながら、腰を抜かしてしまいました。 
僕のただならぬ様子に、JとYさんもドアの方を向きました。 
ドアのポスト。 
フタが上がり、ギラギラした2つの目がこちらを睨みつけていました。 
「なんだ・・・いるじゃないかよお」 
先程とは打って変わって、野太いしわがれ声が部屋の中に向かって放たれました。 
「ガンガンガン! ガンガンガン!」 
激しく、ドアを殴りつける音! 
「ガチャガチャ!」 
ドアノブも、もげてしまいそうな勢いで激しく上下しています。 
同時に、部屋中の窓という窓がガタガタと音を立てて震えだしました。 
「キャーーーーーーーーーー!」
Yさんは悲鳴を上げると、気を失ってしまいました。 
僕とJは、Yさんの上に覆い被さったまま何もできずにいました。 


どのくらいの時間が経ったでしょうか。 
気が付くと、あたりは明るくなってきていました。 
音も止んでいました。 
「・・・・Yさん!」 
僕とJは、慌ててYさんを確認しましたが、Yさんは気を失っているだけで、命に別状はなさそうでした。 

あれほどの騒ぎにも関わらず、1階の大家さんも、隣の部屋の住人も、全く夜中のことは気付いていませんでした。

Yさんは、その後、そのアパートを引き払い、別の場所に引っ越しました。 
その後は何もないようです。


 
後日談ですが。 
なぜ、変なモノがYさんの処にきたかというと。 
おそらく、これが原因でないかと思うのですが・・・。 

僕は知りませんでしたが、僕らの高校では、変なおまじないが流行っていたようです。 
場所は詳しく書けませんが、ある場所にあるポストに、夜中の2時49分に、
憎い相手の名前を書いて、縁を黒く塗り、投函すると。 
その相手に不幸が起こる・・・・と。 
Yさんは、そのまじないをやってしまったようです。 
相手は、Yさんの好きな先輩の彼女・・・ 
僕は、あんな屈託のない明るいYさんが、そんなことをしたのに驚きを隠せませんでした。 
よく、このスレでも出てきますが・・・『一番怖いのは人間の心だな』と。 

みなさんも、お気をつけください。
人を呪わば穴二つということです。

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『かんひも』について。 

僕の母の実家は、長野の山奥。信州新町ってとこから、奥に入ってったとこなんです。
僕がまだ小学校3、4年だったかな?その夏休みに、母の実家へ遊びに行ったんですよ。 
そこは山と田んぼと畑しかなく、民家も数軒。
交通も、村営のバスが、朝と夕方の2回しか通らないようなとこです。 
そんな何もないとこ、例年だったら行かないんですが、
その年に限って仲のいい友達が家族旅行でいなくて、両親について行きました。 

行ってはみたものの・・・案の定、何もありません。 
「デパートやお店に連れて行って」とねだっても、
一番近いスーパー(しょぼい・・)でも車で1時間近くかかるため、
父は「せっかくのんびりしに来たんだから」と、連れて行ってくれません。 


唯一救いだったのは、隣の家に、僕と同じ年くらいの男の子が遊びにきていたことでした。
あの年頃は不思議とすぐに仲良くなれるもので、僕とK(仮にKくんとします)は一緒に遊ぶようになりました。
遊ぶといってもそんな田舎でやることは、冒険ごっこと近所の探検くらいしかありません。 

1週間の予定で行って、確か3日目の夕方くらいだったと思います。午後3時を過ぎて、日が落ち始めるころ。 
夏とはいえ、西に山を背負っていることもあるのでしょうか。田舎の日暮れっていうのは早いもんです。 
僕とKは、今まで入ったことのない山に入っていってみました。 

始めは人の通るような道を登っていたのですが、気がつくと獣道のような細い道に入っていました。 
「あれ、なんだろ?」
Kが指差す方を見ると、石碑?が建っていました。 
里で見る道祖神ののような感じで、50センチくらいだったでしょうか。 
だいぶ風雨にさらされた感じで、苔むしていました。 

僕とKは良く見ようと、手や落ちていた枝で、苔や泥を取り除いてみました。 
やはり道祖神のような感じでしたが、何か感じが違いました。 
普通の道祖神って、男女2人が仲良く寄り添って彫ってあるものですよね? 
でもその石碑は、4人の人物が立ったまま絡み合い、顔は苦悶の表情?そんな感じでした。 

ぼくとKは薄気味悪くなり、「行こう!」と立ち上がりました。 
あたりも大分薄暗く、僕は早く帰りたくなっていました。 
「なんかある!」
僕がKの手を引いて歩き出そうとすると、Kが石碑の足下に何かあるのを見つけました。 
古びた4センチ四方くらいの木の箱が、半分地中に埋まって、斜め半分が出ていました。 
「なんだろう?」
僕は嫌な感じがしたのですが、Kはかまわずに木の箱を掘り出してしまいました。 


取り出した木の箱はこれまた古く、あちこち腐ってボロボロになっていました。 
表面には、何か布?のようなものを巻いた跡があり、墨か何かで文字が書いてありました。 
当然、読めはしませんでしたが、何かお経のような難しい漢字がいっぱい書いてありました。 
「なんか入ってる!」 
Kは箱の壊れた部分から、何かが覗いているのを見つけると、引っ張り出してみました。 
なんて言うんですかね。ビロードっていうんでしょうか? 
黒くて艶々とした縄紐みたいなので結われた、腕輪のようなものでした。 
直径10センチくらいだったかな?輪になっていて、5ヶ所が石のような物で留められていました。 
石のような物はまん丸で、そこにもわけのわからん漢字が彫り付けてありました。 
それは、とても土の中に埋まっていたとは思えないほど艶々と光っていて、
気味悪いながらも、とても綺麗に見えました。 


「これ、俺が先に見つけたから俺んの!」 
Kはそう言うと、その腕輪をなんと腕にはめようとしました。 
「やめなよ!」 
僕はとてもいやな感じがして、半泣きになりながら止めたのですが、Kは止めようとはしませんでした。 
「ケーーーーー!!!」
Kが腕輪をはめた瞬間に、奇妙な鳥?サル?の妙な鳴き声がし、山の中にこだましました。 
気が付くとあたりは真っ暗で、僕とKは気味悪くなり、慌てて飛んで帰りました。 

家の近くまで来ると、僕とKは手を振ってそれぞれの家に入っていきました。 
もうその時には、気味の悪い腕輪のことなど忘れていてのですが・・・。 


電話が鳴ったのは、夜も遅くでした。 
10時を過ぎても、まだだらだらと起きていて、母に「早く寝なさい!」と叱られていると、 
「ジリリリーーン!」
けたたましく、昔ながらの黒電話が鳴り響きました。 
「誰や、こんな夜更けに・・・」 
爺ちゃんがぶつぶつ言いながら電話に出ました。 
電話の相手は、どうやらKの父ちゃんのようでした。 
はたから見てても、晩酌で赤く染まった爺ちゃんの顔が、サアっと青ざめていくのがわかりました。 

電話を切ったあと、爺ちゃんがえらい勢いで、寝転がっている僕のところに飛んできました。 
僕を無理やりひき起こすと、
「A(僕の名)!!おま、今日、どこぞいきおった!!裏、行きおったんか!?山、登りよったんか?!」 
爺ちゃんの剣幕にびっくりしながらも、僕は今日あったことを話しました。 

騒ぎを聞きつけて、台所や風呂から飛んできた母とばあちゃんも、話しを聞くと真っ青になっていました。 

婆「あああ、まさか」
爺「・・・かもしれん」 
母「迷信じゃなかったの・・・?」

僕は何がなんだかわからず、ただ呆然としていました。 
父もよくわけのわからない様子でしたが、爺、婆ちゃん、母の様子に、聞くに聞けないようでした。 


とりあえず、僕と爺ちゃん、婆ちゃんで、隣のKの家に行くことになりました。 
爺ちゃんは、出かける前にどこかに電話していました。 
何かあってはと、父も行こうとしましたが、母と一緒に留守番となりました。 

Kの家に入ると、今までかいだことのない嫌なにおいがしました。 
埃っぽいような、すっぱいような。 
今思うと、あれが死臭というやつなんでしょうか? 
「おい!K!!しっかりしろ!」 
奥の今からは、Kの父の怒鳴り声が聞こえていました。 
爺ちゃんは断りもせずに、ずかずかとKの家に入っていきました。 
婆ちゃんと僕も続きました。

居間に入ると、さらにあの匂いが強くなりました。 
そこにKが横たわっていました。 
そしてその脇で、Kの父ちゃん、母ちゃん、婆ちゃんが、(Kの家は爺ちゃんがすでに亡くなって、婆ちゃんだけです)
必死に何かをしていました。 
Kは意識があるのかないのか、目は開けていましたが焦点が定まらず、口は半開きで、
泡で白っぽいよだれをだらだらと垂らしていました。 
よくよく見るとみんなは、Kの右腕から何かを外そうとしているようでした。 
それはまぎれもなく、あの腕輪でした。
が、さっき見たときとは様子が違っていました。 


綺麗な紐はほどけて、よく見ると、ほどけた1本1本がKの腕に刺さっているようでした。 
Kの手は、腕輪から先が黒くなっていました。 
その黒いのは見ていると動いているようで、まるで腕輪から刺さった糸が、Kの手の中で動いているようでした。
「かんひもじゃ!」 
爺ちゃんは大きな声で叫ぶと、何を思ったかKの家の台所に走っていきました。 
僕は、Kの手から目が離せません。
まるで、皮膚の下で無数の虫が這いまわっているようでした。 

すぐに爺ちゃんが戻ってきました。 
なんと、手には柳葉包丁を持っていました。 
「何するんですか!?」
止めようとするKの父ちゃん母ちゃんを振り払って、爺ちゃんはKの婆ちゃんに叫びました。 
「腕はもうダメじゃ!まだ頭まではいっちょらん!!」 


Kの婆ちゃんは泣きながら頷きました。 
爺ちゃんは少し躊躇した後、包丁をKの腕につきたてました! 
悲鳴を上げたのはKの両親だけで、Kはなんの反応も示しませんでした。 
あの光景を僕は忘れられません。 
Kの腕からは、血が一滴も出ませんでした。 
代わりに、無数の髪の毛がぞわぞわと、傷口から外にこぼれ出てきました。 
もう、手の中の黒いのも動いていませんでした。 

しばらくすると、近くの寺(といってもかなり遠い)から、坊様が駆けつけて来ました。 
爺ちゃんが電話したのは、この寺のようでした。
坊様はKを寝室に移すと、一晩中読経をあげていました。 
僕もKの前に読経を上げてもらい、その日は家に帰って、眠れない夜を過ごしました。 


次の日、Kは顔も見せずに、朝早くから両親と一緒に帰って行きました。 
地元の大きな病院に行くとのことでした。 
爺ちゃんが言うには、腕はもうだめだということでした。 
「頭まで行かずに良かった」と何度も言っていました。 
僕は『かんひも』について爺ちゃんに聞いてみましたが、教えてはくれませんでした。 
ただ、『髪被喪』と書いて『かんひも』と読むこと、
あの道祖神は『阿苦(あく)』という名前だということだけは、婆ちゃんから教えてもらいました。 

古くから伝わる、まじないのようなものなんでしょうか? 
それ以来、爺ちゃんたちに会っても、聞くに聞けずにいます。 
誰か、似たような物をご存知の方がいらっしゃいましたら、教えていただけるとありがたいです。 
あれが頭までいっていたらどうなるのか・・・?

以上が、僕が『かんひも』について知っているすべてです。 
失礼しました。



こんばんは。 
前スレの『かんひも』のものです。 
大勢のみなさんにお気に召していただいて、ありがとうございます。 
でも、みなさん『かんひも』についてはご存知ないようですね。 
僕も、書き込んでから改めて気になり、この土日で母の実家まで行って、自分なりに調べてみました。 
残念ながら、爺ちゃんはすでに亡くなっているので、文献と、婆ちゃんの話からの推測の域をでませんが・・・ 
この年になって、久しぶりに辞書を片手に頑張ってしまいました。 


結論から言うと、『かんひも』はまじない系のようです。 
それも、あまり良くない系統の。

昔、まだ村が集落だけで生活していて、他との関わりがあまりない頃です。 
僕はあまり歴史とかに明るくないので、何時代とかはわかりませんでした。 
その頃は、集落内での婚姻が主だったようで、やはり「血が濃くなる」ということがあったようです。 
良く聞くように、「血が濃くなる」と、障害を持った子供が生まれて来ることが多くありました。 
今のように科学や医学が発達していない時代。 
そのような子たちは『凶子(まがご)』と呼ばれて、忌まれていたようです。 
そして、凶子を産んだ女性も、『凶女(まがつめ)』と呼ばれていました。 


しかし、やはり昔のことで、凶子が生まれても、生まれてすぐには分からずに、 
ある程度成長してから、凶子と分かる例が多かったようです。 
そういう子たちは、その奇行から、やはりキツネ憑きなど、禍々しいものと考えられていました。 
そして、その親子共々、集落内に災いを呼ぶとして殺されたそうです。 
しかも、その殺され方が、凶女にわが子をその手で殺させ、さらにその凶女もとてもひどい方法で殺す、
という嫌な内容でした・・・
あまり詳しいことは分かりませんでしたが、
伝わっていないということは、余程ひどい内容だったのではないでしょうか? 


しかし、凶女は殺された後も、集落に災いを及ぼすと考えられました。 
そこで、例の『かんひも』の登場です。 
『かんひも』は前にも書いたように、『髪被喪』と書きます。 
つまり、『髪』のまじないで、『喪(良くないこと・災い)』を『被』せる、という事です。 
どうやら、凶女の髪の束を使い、凶子の骨で作った珠で留め、特殊なまじないにしたようです。 
そしてそれを、隣村(といっても当時はかなり離れていて、交流はあまり無かったようですが)の地に埋めて、
災いを他村に被せようとしたのです。 
腕輪の形状をしていたものの、もともとはそういった呪詛的な意味の方が大きかったようです。 
また、今回の物は腕輪でしたが、首輪などいろいろな形状があるようです。 

しかし、呪いには必ず呪い返しが付き物です。
仕掛けられた『かんひも』に気がつくと、掘り返して、こちらの村に仕掛け返したそうです。 
それを防ぐために生まれたのが、道祖神『阿苦』です。 

村人は埋められた『かんひも』に気づくと、その上に『阿苦』を置いて封じました。 
『阿苦』は本来『架苦』と呼ばれており、石碑に刻まれた人物に『苦』を『架』すことにより、 
村に再び災いが舞い戻ってくるのを、防ごうと考えたのではないでしょうか。 

そして、その隣村への道が、ちょうど裏山から続いていたそうです。 
時の流れの中で『かんひも』は穢れを失って、風化していったようですが、 
例の『かんひも』は、まだ効力の残っていたものなのでしょうか? 

僕の調べた範囲で分かったのはこのくらいです。 
また、詳しい方などいましたら、ご教授願います。 


最後に。 
婆ちゃんに、気になっていたものの聞けなかった、Kのその後を聞きました。 
Kは、あれから地元の大きな病院に連れて行かれました。 
坊様の力か、そのころにはすでに髪は1本も残ってなく、 
刃物の切り口と、中身がスカスカの腕の皮だけになっていたそうです。 
なんとか一命は取り留めたものの、Kは一生寝たきりとなってしまっていました。 
医者の話では、脳に細かい「髪の細さほどの無数の穴」が開いていたと・・・。 

みなさんも『かんひも』を見つけても、決して腕にはめたりなさいませんよう。
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俺の実家、岩手県のとある地方なんだけどさ、毎年帰省するんだけどね。 
よく田舎って、『本家』みたいなのがあるのは分かるかな? 
その一族の本家っていうかさ、要は親戚縁者を統括する家みたいなの。 
血筋の出所って言えば適切かな。まぁそういうのがあるんだわ。 
その本家はね、三百年くらい歴史がある、その土地の権力血筋だったんだ。 
あまり詳しくは書けないけど、立派な造りなんだよ。ボロっちいけどね。 

その本家で俺がまだ当時小学生だった時、夏だったかな、
大人達が囲炉裏のあったっていう(今はない)部屋で、何かゴソゴソ話してるの。 
もちろん俺といとこは気になっちゃって、こっそり盗み聞きしようとしたんだ。 
大人達っていうのは親戚のオサーンとか、俺のじいちゃんとか、そこら辺の親戚の人間ね。
田舎はコミューンが小さいから、結構血が繋がってるんだ。人口少ないし。 
「…どうすん…部屋…」
「空いて…近づくしかね…閉め…」
みたいなこと話してたんだ。あまりよく聞こえなかったんだけどさ。 
まぁ盗み聞きはソッコーでバレたんだが、親戚のオサーンが、
「おめら、何もきぃてねぇべな!!きぃてねぇべな!!」って、凄い剣幕で俺らに言ってきたんだ。
いつもは超優しいオサーンだったもんだから、その形相に俺らはビックリしちゃって、
「何も聞いてない」って言ったの。
そしたら、オサーンはいつもの優しいオサーンに戻って、
「そうか…」って胸をなでおろしていたのを、今でもハッキリ覚えてる。 


時期はお盆でした。
風習も面白いところなんだが、俺らガキは大人達から、 
「お盆の海では絶対にお酔いじゃダメだぞ」みたいな事をいつも言われてた。
まぁシカトして泳いでたし、そういった霊体験みたいのは何もなかったから、全然平気だったんだけどさ。
まぁよく言う、海で泳ぐのは危険だから、お盆特有の霊現象みたいなので、
子供を海へ近づかせない常套句だったんだろね。
これは全国各地である話だよね。 

話がちょっと脱線したけど、いつもの夏通りに海へ出かけて釣りしてたの。 
釣りへ出かけて楽しんでるとさ、釣りへいつも連れて行ってくれてる親戚のオサーンが元気ないんだわ。
さすがにガキながら心配になり、「どうしたの?」みたいな感じの事を言ったんだ。
そしたらオサーンは、「どうもしねから、どうもしねから」って、上の空みたいな返事しかしない。
この時点で今ならかなり怪しいと思えたんだが、なにぶん、当時は小学生のガキだったもんで、
そこまで気にせず釣りを楽しんでたんだよね。 

俺らは釣りにすごくハマってて、夜釣りもしてたんだけど、
いつも通りオサーンに、「夜釣りに連れて行ってくれ」って、俺らは夕方くらいに頼んだの。 
オサーンは何故かかなり拒否して、「今日はやめとくべ」って言ってきたんだ。 
いつもはね、「あべ、あべ」(←行こう。の方言だよ)って自分から言ってくる人なんだけど、
何故かかたくなに拒否されたんだ。
もうこの時は、確か盆の入り直後だった思う。 
不思議だなと思ったんだけど、俺らはコッソリ夜釣りに黙って出かけちゃったんだよね。


夜釣りを楽しんでるとさ、いとこの一人が俺に言ってきたんだ。 
「A(俺)、何かあっちさ人たってねは?」 
あっちって方向を指差したのは海のど真ん中。
コの字型の岸壁のど真ん中で、確かに人らしきのが海の上に立ってるの。
最初は、舟の上で漁師のオサーンが何かしてるんだろうなって思ったけど、そんな気配はない。つーか、舟がない。
きっと幽霊だと思って、なんか俺らは怖がらずに、逆にテンションあがってワイワイやってたんですよ…。
アホだ…。

そしたら、オサーンとじいちゃんとかが、俺らが釣りしていた岸壁にかなり飛ばして来た。
俺ら見つかって、オサーンとじいちゃんにかなりその後しぼられたんだ。 
車の中で「何か見たか?何か見てねぇべ!?」って言われてさ、 
俺らはその幽霊らしきのを見たとは言わず、また事実を隠しちゃったの。 
そしたら、また大人達が胸をなでおろしたのが、マジで印象的だった。 

車の中で本家に帰る途中、ずっと大人達は無言だったんだ。
俺らはそれに不思議がったんだけど、俺は勝手に釣りに出かけたら怒ってるんだろうなって思ってた。

家に着くと、大慌てで婆ちゃんが俺らんとこに来て、
「何も見なかったべな!!何も見なかったべな!!」って、オサーンと同じ事を言ったのよ。
で、まぁ「見てない」みたいな事を言ったら、婆ちゃんフラフラ~って崩れ落ちて泣き出した。
悪いことしたなぁって反省したんだが、何がそこまで大人達をさせるのかなって気になったんだよね。
すぐ後に婆ちゃんが「くわっせ、うまかっつぉ」って言ってくれて、夕顔の煮たのを出してくれた。
郷土料理だよ、美味しいよ。 
いつもの婆ちゃんに戻ってたね。さっきのテンパってた婆ちゃんじゃなくて。 
だからなおさら気になったんだよね。 


夕顔食いながらさ、ふと気になってたから聞いちゃったんだよね。 
「何か部屋が開くだの閉めるだのみたいなのを、この間話してたでしょ~」みたいな感じで。 
そしたらまた空気が変わっちゃってさ、
婆ちゃん泣き出す、オサーンはテンパる、爺ちゃんは電話しだす、オヤジ&おかんはうなだれる、みたいな感じにね。
俺らはさすがに怖くなって、二人とも泣いちゃった。
阿鼻叫喚とはまさにこの事…

で、オサーンに別の部屋に連れて行かれてね、盆棚がある部屋なんだけどさ、そこで10分くらい拝まされて、
「今日は寝ろは…」って言われたんだけど、気になって寝れない。
まだ婆ちゃん泣いてるし、近所から人来るしさ、寝れるわけねーだろみたいな場だったんですよ。
まぁ寝たんだがw 

朝起きたらいつも通りの朝で、取り合えず一安心。けど、爺ちゃんは難しそうな顔をしたままだった。
起きてソッコーで寺に連れて行かれて、剣舞(字は合ってるか分からん)を見せられた。
ケンバイっていうのは、何か背中に旗さして踊ってる、よくわからんもの。 
この地域では、子ども会みたいなのに入ってるヤツらが踊ってるの。
学校の帰りとかに公民館みたいなところに寄って、夏に踊る為に練習してるんです。俺はやらんかった。 
見せられた後に、寺の本堂の中に連れて行かれて、坊さんに長々とお経をあげられた。 
以降は爺ちゃんとオサーン、坊さんの会話ね。うる覚えだからあれだけどさ…。 
あと、方言が意味不明だと思うので、訳して書きます。
爺ちゃんをJ、オサーンをO、坊さんをBとします。 

O「何も見てなかったって言ってました」
B「だとしたら安心だけど油断は出来ないな」
O「こっちはこっちで何とか出来るとは思うんですが」
B「じゃあ、T(本家の屋号)に行くから」
J「お願いします」

みたいな感じ。もっと沢山話してたんだけど、こんな感じでした。 


で、爺ちゃんが俺にね、話してきたの。 
俺の言葉で話しちゃうから、この通りに話していた訳じゃないけどね。 
内容的にはこんな感じでした。 

「お前は、この家の造りはだいたいわかるだろ?部屋が何個ある?
 その部屋で物置にしてる部屋があるだろ?その部屋の奥に襖があるだろ。
 そこには昔から『近づくな』とは言われてたと思うけどな、そこの襖がちょっとだけ開いたんだ。最近。
 そこにはな、錆びた槍の先がしまわれてるところなんだ」

本家の部屋は8つくらいあって、縁側が2こある不思議なつくりなんだけどね、 
俺が本当に小さい時から言われてたのが、「裏の縁側に回るな」ってことと、「物置の部屋には行くな」って事。
まぁ物置にしてる部屋なんて、確かに暗がりで薄気味悪いから行かなかったんだけどさ、そうやって言われてたの。
その奥に襖があるのはなんとなーくは知ってたんだけど、その前には荷物やら何やらが山のように置かれてたから、
行くにも行けないようになってたんだよね。
俺は薄気味悪いから、物置部屋には近づきもしなかったし、そんな襖のことはどうでもいいと思ってた。
今これ書きながら考えると、あの荷物群は絶対に意図的なものだったんだろうなって思う。

で、また爺ちゃんが、
「その槍の先はな、爺ちゃんの爺ちゃんの(ry のな、ずっと昔からあるもんなんだ。
 爺ちゃんもな、前から『あれは近づいても見てもダメだ』って、お前くらいの時には言われてたんだけどな。
 近づくなって理由は定かではないけど、爺ちゃんが爺ちゃんから聞いた話だとな、
 あの槍は昔、ここで飢饉があった時に、あの槍でみんなどんどん死んでいったんだ。
 何であの槍で自殺したのかは分からないけど、そうやって爺ちゃんは聞かされた。
 聞かされたのは、お前よりもっと大人になってからのことだったんだけどな。実際はどうかは分からん」


「その槍は、昔からこの家が預かることになっていてな。
 お前もわかるだろ。ここら辺で中心的な家がここだってことくらい。だから、その槍の先を預かってるんだ。 
 押入れの中に、ただ槍の先がコロンって転がってるだけなんだが、本当に危ないものなんだよ。
 襖にはおまじないがしてあって、開かないようになってるんだ。 
 もちろん、こっちから開ける事は御祓い(?)の時以外は絶対にないからな。
 お前も見たことあるだろ。坊さんがたまに来て物置部屋に入っていくの。あれは御祓いをしていたんだよ。
 お前ら『子供には見せちゃダメだ』って、坊さんから言われてたしな。
 お前も坊さんから、爺ちゃんやオサーンから言われた通りなことを、そのまま言われたことあるだろ?
 『物置部屋には近づくな』って。 
 けど、いい子だったよ、お前は。ちゃんと近づかなかったしな。
 お前の父ちゃんは悪がきだったから、子供の頃近づいて襖付近まで行ってしまって、その後大変だったんだ。 
 とにかく、大変なものが入ってるんだよ。そっから先は婆ちゃんに聞け」 

のような事を言われて、何か気分がさすがに悪くなっちゃってね。
婆ちゃんに聞く気にもなれずに、割と放心状態でした。ガキながらに流石にこれは怖かった。
けど、婆ちゃんが聞きたくもないのにこっちに来てさ、言うんだよね。
また俺の言葉による、内容のまとめになっちゃうけど…。 


「その飢饉ではな、いっぱい人が死んだし、自殺もしたし、とにかく楽になりたかったんだ。 
 天国に行って、のんびりしたかったんだ。
 けど、本当はもっと婆ちゃん達みたいに、もっと長生きしたかったんだと思う。
 だからお前も、ちゃんと食べられる事に感謝して、毎日元気にしてなきゃいけない。
 嘘もつかずに、真面目に生きなきゃダメだぞ。嘘つきはダメ。
 女の人も子供も、その飢饉では沢山死んだんだ」 

俺は夜釣りで幽霊らしきのを見たって、ハッキリ言おうと思ってさ、 
「海の上に人立ってた」って言ったんだよね。
二人はこの前みたいにテンパらずに、「やっぱりな…」って言った。 
俺は怖くなっちゃって、ガクガク震えちゃったんだけど、
婆ちゃんが「大丈夫大丈夫、婆ちゃんついてるから…」って言ってくれた。 
けど婆ちゃんは実際、かなり不安そうな顔をしてた。
爺ちゃんは「お寺に行ってくる」って言って出かけていったんだ。 

で、坊さんが来たのは、その話を聞いた次の日だったと思う。いや、思い出した。次の日だったわ。 
初めて俺はその時に、襖付近へ行く事を許されたんだけど、
荷物群を全部取っ払って、何か棚の準備をしたのを手伝わされた。
ちょっとしたお寺の拝む棚みたいなのを、作るのを手伝わされた。

坊さんはあちこちをブツブツ何か言いながら歩いてね、その棚の前に行くとお経を上げ始めて、
俺は出て行くように言われた。
襖はたしかに、ほんの10cmくらい開いてた。 

1時間後くらいだったと思う。
坊さんが部屋から出てきて、その間に親戚がみんな集まってて、近所の人も来ていてね。
何かみんなで拝んで、また剣舞見てその日が終わった。 


坊さんがさ、俺に言ってきたんだけど、
「たぶん、今日はちょっとだけビックリする事が起きるかもしれない。 
 けど、大丈夫だから。たとえそれが起きたとしても、そのままそこにいなさい。 
 もう大丈夫だから、何が起きてもその場を離れちゃダメだよ」 
って言われたの。俺は素直に「ハイ」って答えました。夜釣りも行く気になれなかった。 

その後に坊さんは、オサーンや爺ちゃんに話してた。
オサーンが坊さんに、
「大丈夫なんでしょうか。アイツは大丈夫なんでしょうか。心配です」みたいな事を言っていたんだけど、
坊さんは「大丈夫、その場を離れなければ」って言ってた。 

案の定、爺ちゃんやオサーンに俺は念押しされて、坊さんからの言付けを必ず守るようにって言われた。
その後は普通に飯食って、楽しく花火をして、夏を満喫したんだよ。 
まぁ怖かったから、無理やり花火やって楽しもうとしてたんだけどね。忘れたかった。 


花火も終わり、お風呂も入ったし寝る事にしました。またオサーンに、「早く寝ろは…」って言われたし。 
で、寝ようとしたんだけど、坊さんの言った事が気になって、なかなか眠れなかったんだよね。 
俺が寝ている部屋は、ちょうど物置部屋の斜め隣なんだけどさ。
何でいつもは気にせず寝てるのに、流石にこの時ばかりはこの位置が気になって眠れないの。
そしたら急にコココココ…って、何かが小刻みに何かに当たってる音が、物置部屋のほうからからしだして、
人間の声が、壁のほうからボソボソって聞こえてくるんだよね。
それはどんどん増えていって、あちこちから聞こえきだすの。 
もう今でもちゃんと覚えてる。 

「腹…腹…」 
「やんた…やんた…生きて…生きてぇ…」 
「腹…は…」 
「死にたぐね…やんた…」 
「腹…腹…」 
「やんた…やんた…やんた…」 
「お寺さ…やんた…」 
「水っこはやんた…も…」 
「腹…水っこは…」 
「取ってけっつぇ…死にたぐね…生きてぇ…」 

って声があちこちから聞こえてくるの。もう怖くて怖くて仕方なかった。発狂しそうだった。


けど、坊さんの言付けを守らなきゃって、頑張って自分に言い聞かせて、震えながら寝れずにじっとしてた。
声はやまなくて、どんどん増えていったんよ。 
そしたら俺の寝ている部屋でも、何かがコココココ…て聞こえ出してさ、
さすがにそれには閉じていた眼を開けちゃって、その音の方向を見ちゃったんだよね。 
そこにはさ、般若の刺繍(?)っていうか、そういった布で出来た飾りみたいなのが額縁に入れられてあるんだけど、
それが揺れてるんだよね。
しかも、その般若の刺繍の眼のとこが動いてるの。 
さすがに、口を閉じたり閉めたりまではしてなかったとは思うんだけど、
般若の刺繍のとこらへんからも、同じ言葉が出てきてるんだよね。
「腹…腹…」「やんた…水っこは…」って。 
たぶん、それ見て気絶してました。気づいたら朝だったし。 

ちゃんとそれを爺ちゃんと坊さんに言って、お寺でまたお経をあげてもらいました。 
坊さんは褒めてくれた。爺ちゃんも褒めてくれた。よく頑張ったなって。 

何か長くなってしまい、イライラさせてしまいましたが、こんな感じです。 
俺が確かに体験して、今でも帰省すると、その話を坊さんや爺ちゃんとします。
で、ちゃんと拝んで過ごしています。
取り合えず、ここで終わりますが、何か聞きたいことあったらどうぞよろしくです。 
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私が小6の時の夏休み、薄暗い明け方のこと。 
私はその日眠れずにいて、テレビをボーッと眺めていた。 
すると突然、外から笛の音が聞こえてきた。 
こんな朝早くになんだろうと思い外を見ると、白い着物を着たガリガリの髪の長い女が、家の前の道を歩いていた。 
女はしばらくこっちを見ていたが、また道を歩きだした。 
そして私がまたテレビに目をやったその瞬間、階段をトン…トン…と上ってくる音がした。 
その時私の部屋は二階で、扉が少し開いていた。 
私は不気味な気配にビビリ、布団に潜って布団の隙間から様子を見ていた。 

しかし、しばらくしても何も来ないので、相当ビビって、隣にある母親の寝室に逃げ込んだ。 
入ったその瞬間、私は呆然とした。 
その部屋は真っ暗で、奥の方で首を吊って天井からぶら下がっている、母親の影が見えた。 
私は何もできず、それをしばらく眺めていた。 
すると耳の奥底で、「生きてて楽しい?」という女の声がした。 

母は次の日、普通に起きて仕事に行ったし、今も生きてる。 
でも、母はその日から1ヵ月くらいで、20キロも痩せるという異常な痩せ方をした。 

今から十年ほど前の事です。
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これはキングオブコメディっていうお笑い芸人の、高橋健一っていう顔の腐ってないほうが、
体験した話を楽屋で伊集院が聞いて、それをラジオで話したもの。 

小学校3年生の高橋少年は団地に住んでて、その団地からだいたいの子供が同じ学校に通っている。
ある日、高橋少年がいつもどおり学校を終えて、友達何人かで団地に向って歩いてると、
1人の友達が、上のほうにむかって指をさす。 
「あれ、あんな子いたっけ」 
高橋少年も指差す方向を見ると、マンションの階段踊り場に同い年くらいの男の子2人がいて、
こっちを見ながら笑っている 
「なんだ、あれ」 
高橋少年は不思議に思う。
まず、この地区にいる子はだいたい知ってる子だし、年も近そうなのに知らないわけない。
それに、笑っている。
こっちの集団や友達何人かをではなくて、
あきらかに高橋少年にむかって、マンションの階段踊り場5階あたりから顔をだして、笑っているのである。 
「なに、笑ってんだよ」
高橋少年も少しむかついてくる。
「あんなやつみたことあるか?」 
友達がみんなに聞く。
「それにあいつら、高橋見て笑ってるぜ」 
もう1人の友達も言う。
「引越しとかしてきたんじゃないのかな。もう帰ろう」 
高橋少年はそう言って、早歩きにもなりながら自分のマンションへ帰った。

次の日。
「またいる」 
同じ場所から、昨日と同じく高橋少年に向って笑っている。
「今日学校にあいつらいたか?」 
「いや、みないな」 
「学校いってないのか」 
みんなで話し込む。ちらっと踊り場のほうを見る。やっぱり自分のほうを見て笑っている。
「いいよ、相手にしないで」
高橋少年はそう言って、また自分のマンションへ帰った。


一週間後。
「うーん」
「あ、鈴木くんあいつら」 
「ああ」
「今日もいるな」 
「やっぱ高橋を馬鹿にしてる」 
今日はクラス1強くて勇気のある鈴木くんも、一緒にこっちの帰り道に来てもらった。
鈴木君は団地とは反対方向に住んでるので、いつもは一緒に帰らない。
「ふーん」
鈴木君は踊り場の笑ってる2人を見る 
「んじゃ、ちょっくらいってくる」 

鈴木君は走って階段を上り、5階の踊り場に着く。 
「なんの話ししてんのかなー」 
「喧嘩にならなければいいけど」 
鈴木君と踊り場の2人は、なにかを話している。
と、いきなり鈴木君が笑い出した。
「ん、どうしたんだろう」
「仲良くなったのかな」 
ハハハハと鈴木君は、高橋少年にむかって笑い出す。
「・・・なんだよ」
高橋少年は嫌な気分になる 
「ちょっと俺もいってくる」
別の友達が階段をあがる 

そして、少し話す。
で、やっぱり高橋少年に向って笑い出す。
「んじゃ、俺も」
「俺もー」

次々に上がっていく。
そして、みんなで自分にむかって笑う。
高橋少年は怖くなってきた。
「いったいなんなんだ。俺がなにしたんだ」 


とうとう階段の下にいるのは、自分ひとりになってしまう。
高橋少年が呆然としていると、笑い声が止まっていて、踊り場にはだれも居なくなっていた。
みんなを探すと、団地にある公園でドッチボールをしている。
笑っていた2人も混ぜて仲良く。完全に意気投合している様子だ。
高橋少年が怒鳴り声になりながら言う。
「なんなんだよ!おまえら!いったいなんだっつーんだよ!なんでそいつらなんかと遊んでんだよ!!」 
場が静まり返る。
鈴木君が言う。
「なんとなく」 

高橋少年は猛ダッシュで自分のマンションに戻り、ドアを開けるなり母親に、 
「お母さん!!包丁貸して!!あいつら殺さなきゃいけないんだ!!!!!」

それから何日かの間も、友達たちはそいつらと遊んでいた。
高橋少年はそのあいだ1人で行動していたが、ある日突然、その2人が姿を見せなくなった。
高橋少年も、「何故笑ってたのか」と友達に聞きたかったが、 
なんだか、聞いちゃいけないような気がして、それ以降忘れようとした。

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