怖い話らぼ −怪談・都市伝説まとめ−

怖い話をまとめたサイト。2ちゃんねるやホラーテラーの怖い話、意味がわかると怖い話、実話の怖い体験談、都市伝説などを毎日更新。3ヶ月に1度は怖い話のランキングも作成。

タグ:家の怖い話

これは俺が2年前の6月14日に体験した本当の話です。 
俺が前住んでたアパートでの出来事。

その日、俺はバイトで疲れて熟睡していた。 
「ガタガタッ」という異様な音で俺が目を覚ましたのは、午前3時半を少し過ぎた頃だった。 
新聞には早すぎるな・・・?と俺は思ったが、眠かったので無視してそのまま寝ようとしたが、 
いつまでたってもその音は鳴り止まない。
不審に思った俺は、上半身を起こして玄関の方を見た。 
まだ夜も明け始めていなかったので、部屋の中は真っ暗だった。 
まだ暗闇に慣れない目を細めながら、玄関の方をじっと見ると、新聞受けのあたりで何かが動いているのが見えた。 
背筋が寒くなるのを感じながら、俺は意を決してベッドから起き上がり、 
まだ「ガタガタッ」と音をたてている玄関の方に近づいた。 
玄関でその光景を見た俺は言葉を失った。

新聞受けからドアノブに青白い手が伸びていて、それがドアノブを執拗に上下させていたのだ。 
えっ!なんでこんなとこから手が出てるの?!と俺が絶句して立ちすくんでいると、 
その青白い手はグニャ~っとあり得ない方向に曲がり始め、
ドアノブの上の閉めてある鍵まで伸びてきて、その鍵を開けようと手首をグルグルさせ始めた。 
恐くなった俺は、立てかけてあったビニール傘の先で、その手を思いっきり何度も突き刺した。 
リアルな肉の感触が傘を伝わってくるのを感じながら、それでも思いっきりかさを突き刺していると、 
その手はふっと引っ込んで、それっきり静かになった。 
玄関の外には人の気配はなく、覗き穴を見ても人らしき影はない。 
うわー、出たー!と思いながら、その日は布団を被って震えながら眠りに付いた。 

夕方頃に目を覚ました俺が、バイトに行くため恐る恐る玄関に近付くと、玄関に無数に小さな丸い跡が付いていた。
それは昨日、俺が何度も青白い手に突き刺したはずの傘の先の跡だった。 
俺は確かに手だけに刺していたはずだった。一度も金属音はしなかったし、そんな感触もなかった。
(大家さんにはメチャクチャ怒られたけど・・・。おまけに弁償した)
だが、おかしなことはそれだけではなかった。 
外にはくっきりと、玄関の方を向いて立っていたであろう足跡が付いていた。それも泥まみれの! 
その日も前の日も雨なんか降っていなかったし、階段には足跡どころか泥さえも付いていなかった。

その出来事から2週間経って、俺は今のアパートに引っ越した。 
今でも、あの日のことを夢に見て跳ね起きることがある。 
あれは幽霊だったのだろうか?それともストーカー? 
あの時は本当に洒落にならんぐらい恐かった。

俺が昭和台という団地に引っ越して間もない頃の話です。 

引越し後のダンボールから荷物を一つ一つ手にとって整理していた時、見慣れた卒業写真集が出てきました。
中学の時のでした。
自分は写真とかを種類別にまとめてしまうのがクセみたいだったのか、
その卒業写真集のページの間には、中学時代に撮った覚えのある写真が何枚か挟まっていました。 
荷物の分別の手を休めて、思い出に浸りながら写真を一つ一つ見てました。 
一つ一つと手にとって見てたんですが、ある写真を手にとったとき妙な感覚が走りました。 
自分は霊感とかまったくないけど、写真=心霊写真的な思考回路もありましたので、
そういう前提も重なってか「うへ~なんかヤベーなこれ~」と、
何の変哲もない写真を「怖い怖い」と言ってたのを覚えてます。それを霊感と呼ぶのかも知れませんが。
その写真は、自分と友達5人が揃って写ってるだけです。
他に写ってないか探しまくったけど、なんにもありませんでした。

それで、家族にもそれを見せて回ったんですが、
妻はそういう系の話を信じるタイプなので、面白がって(怖がって)、
これが顔に見えるだの、なんとなく全体が霧かかった写真だから、ああだこうだ言ってましたが、無視しました。

引っ越して休みでも取れば良かったんだけど、丁度会社も忙しい時期だったので、
何とか早めに荷物の整理を終わらせようと、夜遅くまで頑張りました。 

2時か3時ぐらいに風呂入って、歯磨きしたんですが、ず~と何かに見られてるような感覚が消えませんでした。 
引っ越したばかりの家ってのもあって、マジでこの家出るのかな~って、かなりビビりまくってました。 

それから1週間。
何か起きたかっていえば何にもなかったんだけど、その嫌な感じというのが段々強くなっていると感じてました。
最初は見られてる感じがする、とかいう第6感みたいなもんでしたが、
廊下をするような足音がついてきたり、
部屋にいるときに部屋の扉の前に何かが来た、という感じがしたり、(確かに足音が部屋の前で止まる感じ)
まぁとにかく、自分が家にいる間はずっと誰かに見張られているような、そんな感じがしてたんです。 

そんな感じで2週間ぐらい過ぎたある日。自分の人生最大の恐怖が襲います。 
その日も残業で夜遅くに家に帰ってきたんですが、
風呂入って飯食って、さて歯を磨いて寝ようかな、と洗面台に行きました。 
洗面台の前で歯を磨いているとき、鏡に映る自分の顔を見ながら歯を磨くわけですが、
その時、自分の後ろの影が、なんか濃いような感じがしたんです。 
洗面台の照明が自分に当たると、自分の後ろの影がどれぐらいの濃さなのかは判るんですが、
それがいつもと違って濃いのです。 
一気に酔いが覚めました。マジで。
自分のすぐ背後に誰かがいるのです。
それの背は自分の肩ぐらいしかないような気がします。 鼻息みたいなのが俺の背中に当たりました。
とにかく、それが人じゃないのはわかりました。 
俺と壁の間は人が一人入れるスペースしかないはずなので、
俺と触れてないってことは、ソレが薄っぺらの人じゃないかぎりは、
壁にめり込んでるか、いわゆる幽霊ってことしか考えられない。
俺の左腕のあたりからソレの長い黒い髪が見えました。 
俺が逃げようとすれば、鏡に反射したソレの顔が見れてしまうわけで、
とにかく、顔を見ないようにしなければ、って本能が働きました。 
見てしまったら、その場でショック死するか、一生恐怖に震えながらすごさなければならない、って瞬時に思ったからです。 
俺は目をつむって自分の部屋にダッシュで戻りました。
部屋の扉を閉めて布団に潜って、ずっと震えてました。 
そしたら、扉に顔を擦っているような音が聞こえたんです。
ソレが息をして、その息が扉に当たっているのが窺える音がしました。 

俺は生まれて初めて失神ってのを体験しました。気が付いたら朝でした。 


これだけ怖い思いをしたんだからもうカンベンしてくれよ、という思いが通じたのかどうかは知らないけど、
それっきりその女(みたいなの)は現れませんでした。 
じゃあアレは一体何だったの?と、ここで話が終わればワケ解らなくても俺はそれでよかったんですが、
残念ながらオチがあります。 

俺が家に着て荷物を整理してるときに出てきた写真。 
今では妻がしつこく言うのもあって寺に預けてあるんですが、その何の変哲も無い(いや、無かった)写真。
事が収まってから、ふと見る機会があったので見回してたところ、素人でもはっきりわかる違いがありました。
自分と友達5人が写ってるはずでしたが、自分と友達4人が写ってました。
不自然に中央が開いて、見間違いじゃなく、そこに誰かがいたようにポッカリ空いてました。 
友達がポッカリ空いたところに手をかけて、(丁度肩に手をかけるように)
よくその友達は倒れないな、っていう不自然なポーズ。 
そのポッカリ空いた部分に居た一人が、俺の後ろに立ってた女でした。 
写真から抜け出して来たのか・・・

案の上その友達は、数年前に首吊って自殺してました。 
何で自殺したのか。
その理由も信じたくないし、俺の体験したことも信じたくないので、詳しくは書きませんが、
この世の者が原因じゃあないらしいです。

中学校の時、先生に聞いた話です。

幼い2人の姉妹が家で留守番していました。両親は夜にならないと帰ってきません。 
暇をもてあましていた姉は、家でかくれんぼをする事を思いつきました。 
ジャンケンで負けた姉が鬼になり、妹は姉が数え始めると、一目散に姉のいる2階から1階へ降りていきました。
そして押入れに隠れました。

やがて2階から、「数えたよ。今からみつけるからね」と言う姉の声がし、1階に降りてくる足音が聞こえました。
おそらく、妹が階段を降りる音を聞いていたのでしょう。

それから、いろんなところを開けては閉める音が聞こえてきました。 
妹は見つからない自信がありました。
押入れの奥に隠れて小さくなっていれば、例え押入れを開けられても、中を良く探さないと見つかりっこありません。 

そしてしばらく時間がたち、妹が暗い押入れの中でウトウトし始めたとき、 
「あっ。みーつけた!」と言う姉の声が聞こえました。 

そんな馬鹿なことはありません。押し入れすらまだ開けられていないのですから。 
多分これは姉の作戦で、見つけたことを聞こえるように言えば、見つかったと思って顔を出す。
それを狙っていると妹は思いました。 

そのままじっと押入れの奥で隠れていると、外から姉の声が聞こえてきました。 
「見つけた。出てきなさい」
「はやく出てきなさい」
姉の声は最初は穏やかでしたが、だんだんと妹をだそうとやっきになっているのか、声が荒々しくなってきました。
「はやく出てきなさいよ」
「いいかげんにしないと怒るわよ」
「はやく出なさい!!」 
そのうち壁を叩くような音も聞こえてきました。 
妹は姉が自分を見つけれずに怒り出したと思って怖くなり、しょうがなく押し入れからこっそり出ることにしました。 

姉は洋服のクローゼットの前で立っています。 
そこで妹が見たものは、クローゼットの中から出ている『白い小さい手』を、必死になって引っ張っている姉の姿でした。 
妹が叫び声をあげて、それに姉が気づくと、小さい手はクローゼットの中に引っ込んだそうです。 

夜に帰ってきた両親に泣きながら話をしましたが、信じてもらえませんでした。 
その後。2度とその小さい手を見ることはなかったそうです。

バイト先に、1こ下の男でよくシフトが一緒になるヤツがいたんだ。 
そのバイト先ってのがカラオケ屋で、
カウンターにお客様が来ない限りは、タバコ吸ってようが喋ってようが比較的自由でよく、
その1こ下のM(仮名)と喋ってたのよ。

喋ってる内にMは霊感持ちだと判明した。 
「この店『居る』から、たまに具合悪くなる」とか言ってたんだよね。 
確かに新しく入ったバイトの子が、
「閉めたはずのドア(カラオケの部屋なのでノブがロック式)が掃除してる間に開いてた。怖い」
とか言ってバイト辞めちゃうとかあったくらいだから、
Mは確かに霊感あるかもと思ってたの。
だからMに訊いてみたんだよ。「今まで1番怖かった話は?」って。 
そしたら、「つい、この間の話なんだけど」と教えてくれた。 

Mは車が好きで、海岸線を走るのが好きだったので、その日もドライブに行きたくなった。 
しかし、その海岸線は、地元では結構な心霊スポットで有名。その上、時間は深夜1時過ぎだった。 
けど、どうしても走りに行きたかったMは車を出した。同伴者は無し。 
Mは独りで走るのが好きだったようだ。(喪男だからとかではなく、Mはむしろイケメン)
海岸線は心霊スポットとしても有名だが、走り屋(当時流行ってたw)が好むカーブと直線がほど良いドライブコースでもあった。
ただ、『深夜2時に渡ると女の幽霊が出る橋』というのも、その海岸線にはあったんだ。 


Mは幽霊話なんて忘れて気分良く海岸線をドライブしていたが、
件の橋の直前まで来た時、ふと幽霊話を思い出して時計を見た。
ジャスト2時だったらしい。 
やばい、やばい、やばいって思って、Uターン切ろうにも中央分離帯はあるし、横道も無く、急な減速もできず、
Mはその橋を渡るしかなかった。

Mはとにかく橋の向こうに視線を置いて、絶対サイド、バックミラーを見ず、鼻歌を歌いながら橋を渡りきろうとした。 
すごく嫌な空気だとは思ったけど、何とか渡りきった。 
こういう幽霊話なんて所詮噂にすぎないなと思い直して、Mはドライブを楽しんだ。 

一通り海岸線を満喫して、Mが帰宅したのは午前4時頃だった。 
ドライブは楽しかったけど、少し疲れたのでMは寝ることにした。 
Mの部屋は少し変わっていて、実家の敷地内に離れみたいな感じ。
アパートのような入り口で、玄関も付いてるらしいが、実家の敷地内なので普段はドアに鍵をかけないとか。
Mが布団に入ろうとすると、突然ドアノブがガチャガチャガチャガチャガチャと鳴った。 
家族が用事なら、鍵が開いてるのは知っているし、
友達の悪ふざけにしては、午前4時に訪ねてくるような人は居ないし、やはり鍵が開いてるのは知っているはず。 
心臓止まりそうなくらいビックリしたMが固まっている間も、ドアノブはずっとガチャガチャガチャガチャガチャいっている。 
どうすることもできなくて、Mはドアノブを見つめていたが、急に音が止まった。 
そして、ドアノブがゆっくり回り始めたので、Mはドアノブに飛びついた。 
回りかけたドアノブを力ずくで戻し、鍵をかけた。 
Mがドアノブから手を離すと、ドアノブがまた狂ったようにガチャガチャガチャガチャガチャといいだしたので、
Mは布団を被って夜が明けるまで耳を塞いでたらしい。 

「もしかしたら友達だったのかもしれないじゃない。ドアスコープ付いてるなら覗いてみれば良かったのに」
と私が言うと、Mは真っ青な顔をして言った。 
「あれは生きてる人間じゃなかったよ。怖くてそんなの覗けなかった。 
 多分だけど、覗いたら、血まみれの女が居たと思う。覗けないよ」

新築のマンションに引っ越しました。 
1階の角部屋。立地条件もよく、日当たりも良好。文句なしです。 
引っ越した初日は、手伝ってくれた友人たちと飲み明かしました。 

翌日の昼過ぎ。友人たちが帰った後シャワーを浴びました。 
友人たちの中にたばこを吸う人がいたので、髪についた臭いが気になっていたんです。 
髪は私の自慢でした。パーマもカラーリングもしたことのない、まっすぐな黒髪。手入れも欠かしません。 
その日もシャンプー、トリートメント、リンスを済ませて、さっぱりした気持ちで浴室を出ました。 

さて、昨夜の後かたづけです。
ちらかったスナック菓子の袋や空き瓶を片付けて、掃除機をかけていると、おかしなことに気が付きました。 


676 :674 :02/05/07 22:40 
長い髪の毛がやたらと落ちているのです。 
ちょうど私と同じぐらいの長さでしたが、髪質が違う。 
友人たちの中に髪の長い女性はいなかったし、引っ越したばかりの部屋に・・・? 
少し不思議に思いましたが、自分の髪だろうという結論に落ち着きました。 

今日は、昨日の引っ越しの手伝いに来れなかった友人が訪ねて来ます。 
友人から最寄り駅に着いたという電話を受けて、私は駅に向かいました。 

その友人は霊感が強いことで有名だったのですが、 
髪の毛のことは特に気にしていなかったので、とりとめもない話をしながらマンションへ帰りました。 
・・・? 
部屋の床に再び長い髪の毛が落ちていたのです。ま、さっき取り忘れたのでしょう。さっさとゴミ箱に捨てました。
友人は県外から訪ねて来たので、当然泊まるつもりです。
「シャワー借りるねー」
勝手知ったる他人の家、友人は早速浴室へ。シャワーの音が聞こえます。 
と、いきなり蛇口を閉める音が聞こえたかと思うと、友人が慌てて浴室から出てきました。 


「お、お風呂場に・・・」
友人は真っ青です。とりあえず落ち着かせてから話を聞きました。 
「お風呂場に髪の長い女がいたの!」 
ここは新築のマンションです。幽霊なんているはずがありません。 
しかし説明しても、友人は帰ると言って聞き入れませんでした。 
とはいえ、なにしろ遠くからきたので、この時間では帰れません。 
「とにかく私はこの部屋にはいられない。
 私は近くのファミレスで夜明かしするから、あんたも何かあったらすぐ電話するのよ」
そう言って友人は出ていってしまいました。 


一人残された私。昼間の髪の毛のこともあってさすがに心細い。 
大丈夫。ここは新築よ。
友人に言った言葉を自分に言い聞かせ、私はシャワーを浴びることにしました。 

『霊感が強い』なんていうのも考え物ね。人の引っ越しを台無しにして。
心の中で友人に悪態をつきながらシャンプーをしていると・・・頭に違和感があります。 
頭皮を傷つけないように爪を立てずに、指の腹でマッサージをするように・・・いつも通りのやり方です。でも、おかしい。 
・・・・?
私はシャンプーの手を止めました。 

・・・! 
私は頭に置いていた両手を、おそるおそる目の前に持ってきました。 
・・・! 
爪を立てずに、指の腹でマッサージをするように・・・ 
もう一つの手が私の髪を洗っています。 
「誰!?」
振り向くと、顔の焼けただれた女性(でしょうか?)が私の頭の上に片手をのせたまま・・・ 
「・・・きれいな・・・か・・・み・・・ね・・・」 
確かに女性の声でした。

シャワーの音で気が付きました。
私はシャンプーの泡を流さないまま気絶していたので、髪の毛がごわごわです。 
そんなことを気にしている場合ではありませんでした。
さっと泡を洗い流し、着の身着のままマンションを飛び出しました。 

電話ボックスから友人のケータイに電話し、ファミレスで合流。 
「やっぱり。明日、不動産屋に聞いてみましょう。付いていってあげるから」 

翌日、不動産屋に聞いた話はこんな感じでした。 


マンションが建つ前、そこには1件の家と花屋さんがあったそうです。 
花屋の娘さんは、長い髪が自慢の美人でした。 

ところが、その家で火事が起こってしまったのです。
お風呂場のガス釜が爆発したのです。 
居合わせた娘さんは顔を大やけどし、自慢の髪もほとんどが焼けこげてしまいました。 
娘さんは恋人にもふられ、ひきこもりがちに。 
一掴みだけ残った髪の毛をそれはそれは大事にしていたそうです。 
シャンプー、トリートメント、リンスを1日に何度も繰り返し、 
鏡の前で髪をとかしながら、 
「・・・私の髪、きれい?」
「・・・私の髪、きれい?」 
何度も母親に尋ねていました。 

ところがそのわずかな髪も、精神的ショックと手入れのしすぎで抜け始めてしまったのです。 
娘さんはお風呂場で手首を切って自殺しました。
お母さんが買ってきてくれた新しいリンスをまるまる1本、1度に使い切ってから。 


「ちょうどお嬢さんのような、髪のきれいな娘さんだったよ」 
不動産屋は私を懐かしそうに見つめて、そう言いました。

これは今から13年前に起きた出来事です。
今でもあれが何だったのか分かりません。早く忘れられれば良いと願っています。 

当時私は上京してきたばかりで、右も左も分からない状態でした。 
祖父からもらったぼろぼろでいつの時代かわからない東京マップを手に、見知らぬ都会をさまよいました。
上京の理由は職探しでした。
地方で職にあぶれていた私は、遠い親戚を頼って来たのでした。 
「職は知らんが、住む場所なら安く提供してやろう」 
叔父にあたる其の人は、電話でしか話したことも無く、まったくもって不安でした。
しかし今になって思えば、あのときの不安な気持ちは、虫の知らせだったのかもしれません。 

目的のアパートに着いたときは、日が暮れかかっていました。 
そこには大柄なおばさんが立っていました。 
「ようこそおいでました。お疲れでしょう。案内します」 
私は案内されるがまま、その薄暗いアパートへと入っていきました。
入り組んだ場所に建っているだけでなく、建物自体がさらに奥まったところへ伸びている為か、
私はなにかいいしれぬ圧迫感を感じました。雑草も伸び放題。 
実際、日は暮れかかってましたが、まるで暗い洞窟に入っていくような錯覚すら感じました。 

いつのまにかおばさんの背に止まっていた蝿が妙に恐ろしく、私は荷物を握り締め、 
「いやー、東京は始めてなので、人がおおくって」と、声を大きめに云いました。
するとおばさんは振り向いて、「静かに!!!」と怒鳴りました。
私はそのとき、そのおばさんが女装したおじさんだと分かりました。
とっさの怒鳴り声が男の声だったのです。 


私は意気消沈し、そのときは都会の恐ろしさを感じました。
今となっては、そこが異常なところであったと自覚しています。 

部屋は生臭いのを除けば、家具も揃っており文句の言いようがが無かった。
しかし東京の家賃は、いくら親戚価格で提供してくれているといっても、9万と高かった。 
六畳が一間と、床板のめくれた台所。水は耐えず濁っていた。
だが、私専用のトイレは有り難かった。
しかし和式トイレの穴は、夏の熱気によって凄い匂いだった。フタをしても匂ってくる・・・ 
おばさん・・・いや、おじさんの厚化粧はぎらぎらと輝き、むっとする化粧の匂いがいつまでも吐き気を催しました。

そして化粧を落としてきたおじさんが、今度は何事もなかったかのように再び訪れて来て、挨拶をしました。
「遠いところご苦労様。所用で迎えに行けなくて申し訳無い。女性が応対しただろう?どうだった?」 
「え?」
「綺麗だったか?」
そういうと小太りのおじさんは、私の目を除きこみました。
アイラインと言うのでしょうか?目のあたりが、まだ化粧が落ちずに残っていました。 
「なんとも・・・」
あいまいに口だけで返事すると、おじさんはあからさまに機嫌が悪くなりました。 
部屋に漂うすえた匂いと、私の脂汗と、おじさんの化粧の匂いが、風も無い六畳に充満していました。

その夜、備え付けのほこり臭くゴワゴワした布団に入り、疲れていたのでむりやり眠りました。 

どれくらい時間がたったのでしょうか。暗い部屋の中に複数の動く物があります。
気配というか、音というか、腐ったような匂いと言うか・・・とにかく、何かが私の布団の周りにいるのです。
しかし、私は強引に目を瞑って眠りました。相当疲れてもいたようです。

次の日、いくつかの場所をあたってバイトを探しました。 
しかしなかなかに見つからず、喫茶店でコーヒーを頼み、街の喧騒に怯えながら小さくなって寂しい思いでした。 
ふと私は、自分のコーヒーカップを持つ手首に目がとまりました。
・・・歯型?
良く見ないと気づかない。しかしはっきりと歯型がついていました。
私は寝ぼけて噛んだのだろうと思いこみました。 
私のものよりはるかに小さな歯型がついた手で飲むコーヒーは不味かった。 
正直、帰りたかった。

しかし帰る場所はアパートでした。
おじさんに会うのではないか?と怯えながら、部屋に足早に戻り鍵をかけました。 
血なまぐささは幾分収まりましたが、化粧の匂いが新しく残り香として部屋に漂っていました。 

その夜、私がたくさんのよだれのついた布団をかぶり眠っていると、またもいくつかの気配が感じます。
猫だと思いますが、私は熱帯夜のような(実際にはまだ夏ではなかったです)蒸し暑さの中で、
汗をたらしながらも布団の中でふるえていました。
しかし私は逆に耐えきれず、暗闇の中布団からいきなり手を出し、その黒い塊のほうへブン!と布団を持って払いました。 
気のせいだと確かめたかったのです。
しかし、私の手の甲はある冷たい物にぶつかり、それは勢い良く壁にぶつかり畳に転がったようでした。 
私は手に感じた感触に背筋が凍りました。
昔、若い頃に喧嘩をして殴った頬の感触と同じだったからです。
黒い塊がころころと転がってとまりました。そのときふいに、それが人間の頭部であると理解出来ました。
その刹那、
「ここどこ!!」
突然それが低いドスの聞いた声で叫びました。
その叫び声を聴いて私は気を失ったようです。 

目覚めると、たくさんの頭部は消えていました。
私は汗びっしょりだったので、体を拭くためにシャツを脱ぎました。そして驚愕しました。 
・・・全身歯型だらけだったのです。自分で寝ぼけてやったのではありません。
その証拠に、私の頬に血が出そうなほどの歯型がついていました。
しかもその歯型は、大きいのから小さな物までさまざまでした。 
私は悲鳴をあげて出ていこうとしましたが、髭を剃るのは忘れませんでした。 

おばさんおじさんは現れませんが、私はどんどん追いこまれていきました。 
実際このころの私は、今思っても行動がおかしいです。 
その最たる理由は、相変わらずその部屋で寝ていたことでしょうか。 

私の体重は10キロ以上減り、傍目から気味悪がられるほど青白くなっていました。
そのせいか仕事もまったく見つからず、疲れ果てて帰るという毎日でした。
歯型は1日消えることなく全身に及び、面接官のひとりから「その歯型は?」と質問されましたが、 
さしてうまい良いわけも見つからず、そのまま「噛まれているようですね」と言ったところ苦笑されました。
彼女にやられたとでも思ったのでしょうね。

しかし、私の限界は近くなっていました。
幻が見えるようになり、歯型を隠すため全身に包帯を巻いたりもしました。
そのくせ表を出歩き、見知らぬ人に「おはようございます!」などと大声で言ったりしてました。
気が狂う直前だったようです。

その夜、おじさんからさし入れと書いた紙と、栄養ドリンク剤が部屋に置いてました。
私は疲れていたので、遠慮なくゴクゴク飲みました。
そして私はいつもより深い眠りにおちたようです。 
そのおかげか、夜中に目が覚めたとき、すっきり頭がさえてました。
そして、私の体にとりついている10数個の黒い塊が私を噛んでいる事を、異常だとはっきり気づいたのです。
怖がってる場合じゃないと。
まぁそうですね。そう思っている私は冷静なつもりでしたが、ピークに達していたのでしょう。 
ムクっと起きあがると、暗い部屋の中で黒いかたまりがズズズっと畳を転がるように進み、
台所に消えていったのを感じました。

私は「待てぇ!!!」と、今まで上げたことの無いような声を上げると、台所に行きました。
そして、それらの影がなぜかトイレに逃げたような気がして、トイレにかけこみました。
トイレは和式でしたが、中は真っ暗です。
電気をつけようとしましたがつかず、私は荷物箱をひっくり返し懐中電灯を手にしました。 
そして笑いながら、トイレの中にライトを向けました。
闇に照らし出される汚物。目を凝らすとウジがうごめいているのが分かります。
そして其の中に、うつろに見上げるたくさんの腐った生首や、白骨した頭部が私を見上げていました。
私の糞尿にまみれて・・・
ぎゃぁああああ
私は悲鳴を上げ、なぜか帽子を手にとると、下着姿のままドアを蹴破るように飛び出しました。 
「ぎゃ!!」
ドアの向こうに誰かがいたようでした。
振り向くと、女装したおじさんがマスターキーとノコギリをもって倒れていました。 
「いきなり開けるな!!」
そう怒鳴られ私は無償に腹が立ち、近くの石をどんどん投げつけました。 
おじさんは悲鳴を上げうずくまりました。
私はいつしか、投げている石が人の頭であることに気づきました。
それらがおじさんにどんどん噛みついています。
おじさんは肉を食いちぎられているのか、悲鳴を上げ続けてました。
私は怖くなり、アパートを飛び出しました。 

あれ以来、おじさんとは連絡をとっていませんし、連絡も来ません。
あの頭部が幽霊であってほしいと思っています。
そうじゃないと私は、あのアパートにいる間、ずっと毎日、糞尿を・・・ 

あれから13年がたち、今では遠い記憶になりましたが、
私の首元に残る一つの歯型は、しばらく消えませんでした。 
私が殴った生首が噛んだ跡だったのかもしれません。

以前住んでたアパートでの体験。

30歳の上限で社宅を出て行くことになり、東大阪に2DKの部屋を借りた。 
住み始めて1ヶ月後、飲み会で終電落とした先輩を泊めることになった。 
寝入ってしばらくして、「うわっ」と顔色を変えている先輩に、「どうしたんです?」って聞くと、 
「・・・もう、いいよ。俺、タクシーで帰る」って、何にも具体的なこと言わずにさっさと帰ってしまった。 

翌日、無理に聞いてみると、足つかまれて、体に沿って上ってきそうだったって。 
俺には霊感ないので、危害が無ければまあいいかとほっといてた。 

後日、風呂の掃除をしていると、排水口から女性用のネックレスが出てきた。 
ただの忘れモノとは思ったが、気になったので、毎日水を供えて供養代わりにしてみた。 

その持ち主が、先輩を掴んだ人と関係があったのかどうかは今も分からない。 
ただ、そのあと少し気になることがあった。 


663 :2/2文盲ほんのり :2008/05/31(土) 18:49:44 ID:Vd4OBVa30
しばらくして間違い電話が掛かってきた。 
『Aさんですか?』
「ごめんなさい。違います」 
午後11:00ぐらいで、相手は初老の女性だったように思う。 
それが1~2週間の間隔で、ほぼ同じ時間に掛かってくる。 

ある日相手が、『お宅、番号06****ね?』と。 
「そうですが、Aさんではありませんね」
『・・・そうでしたか。いつもごめんなさいね』
番号まで言われてさすがにぞっとしたが、
Aさんが番号変えたのが伝わってないんだろと、勝手に切り捨ててた。

入居1年後、転勤で引っ越すことになった。
持ち主不明のネックレスも、寺に託して供養をお願いして、
転居の準備も整ってほっとしていたら、例の電話が掛かってきた。 
『Aさんですか?』
「残念です。違います」 
俺はここで、ずっと気になっていたことを相手に聞いてみた。 
「私もう引っ越すんですが、もしかして、お昼の時間はAさんとお話出来ていたんですか?」 
『・・・ええ。でもお気になさらないで下さい。ずっとごめんなさいね』

結局、もう一人の人は、ずっとここに居たんだなあと。

こういったところに書くほど怖くはないかもしれませんが、一家心中のあった別荘の掃除がありました。 
ただ、血糊がべったりとかはありません。
死体とかそういうのは特殊清掃といって、衛生的に安全な手順を踏んだり特殊な薬品を使うため、
うちみたいななんでも屋では引き受けなったようです。

依頼人はN県のリフォーム屋さん。
「一家心中のあった家の片付け掃除をしてほしい。家具や調度品など一切全て運び出して、そちらで処分してくれ」
新聞にも載った大きな事件だそうで、地元の職人たちからは気持ち悪がられて、全て断られたとか… 

4tトラックとワゴン車で、バイト4人+社長の5人で向かいました。
20年程前に事件があって以来、誰も管理していないので、庭は雑草というより雑木林のよう… 
まずはバイトで、鎌と草刈り機で雑草を刈り取ります。
穴を掘って雑草を燃やしながら別荘の中へ…

別荘の中は、ネットで見る廃墟とか廃屋そのもの。
事件のあった日付のまま、家具や調度品全てが残されてました。
それらをとにかく家の外に運び出す。
その途中、家鳴りが凄いのなんのって…
家のあちこちから、ビシィ!…ギシィ!…バァン!と鳴り響く。 
急激に外の風を入れたからだろうと思いこもうとするものの… 
ワゴン車のCDで、社長の80sディスコをガンガンかけながら作業しました。 

1日目はこんな感じ。
日暮れと共に里に帰り、商人宿に泊まり… 

 
商人宿に帰ると、そこのおばちゃんが頼んでもないのに、 
「あの事件はこうだった、ああだった」と詳細に教えてくれるんですよ… 
夫婦2人、幼い子供2人が無理心中したって、いらない情報インプット。
おかげで社長を除く全員が、その夜は怖い夢を見たり金縛りに遭い… 

次の日は、全員早起きして朝7時30分から現地入り。
とにかく早く終わらせて、明るいうちに帰りたい一心w 
家鳴りは昨日ほど酷くなかったので、
やっぱり昨日のは気圧とか湿度の関係だったんだろうな、なんて思いつつ作業していたら…
なぜかカラスがグワァグワァとうるさい。
その上、パタパタ…とスリッパで駆け回る音が何度も聞こえる。 
我々は全員がゴム底の安全スニーカーだから、パタパタ音なんかするわけがない。 
壊せる木製家具やカーペット類を庭の穴で燃やしていると、
一人のバイトが、「炎の中に子供が見えた!」とか半狂乱状態になるし… 

俺たちバイトもとにかく、何も聞こえないように絶叫しながら作業を終わらせました。 

で、ギャラは、2日拘束で16,000円+出張手当で計20,000円。 

後日談としては、「子供が見えた」と半狂乱になったバイトくんが、
その後、毎晩のように金縛りに苦しみ、お祓いをしてもらったとか。
作業中は寡黙だったバイトくんが、実は霊感持ちで、
「作業中、ずっと血だらけの中年夫婦が、我々を睨んでたんですよね」 
「真っ白な煙みたいな子供が、作業中の我々の周りを楽しそうに駆けていた」 
と告白したぐらいですかね…

俺は実害はなかったけど、以後、その手の現場は絶対にお断りしました。 

俺の実家は古い木造で、仏間がなんだか妙だったんだな。 
そこだけ妙に空気が重かった。 
窓がなく四方をふすま戸で、開けたままにしてたらやけに怒られた。 
他の部屋の戸なら怒られないのに、何故仏間だけ?と不思議に思ったもんだが、何年も暮らすうちに理由がわかった。

誰もいない閉めきった部屋の中を、ぐるぐる歩き回る音やら、ぼそぼそと人の話す声がしたり、視線を感じて振り向くと、
少しだけ襖が開いていて、それがすーっと閉じるのを見たり、
中からバン!バン!と凄い力で襖を叩かれたり、襖がたわんでミシミシいい出したり…
そんなことが年に何度かあった。
仏間の中に何か居る!と家族に訴えるたびに、「あそこに近付くんじゃない!」とだけ怒られる。 

そのうち、敷地内に家をもう一軒新築することになったんだ。 
その際なぜか、邪魔になる訳でもガタがきてる訳でもないのに、古い家の“仏間だけ”がきれいに壊された。 
仏間のなくなった家屋は、見違ったように明るい雰囲気になった。 
あそこには何が居たのか、親や祖父母に聞いてみたが、
「判らないが、ご先祖様って雰囲気じゃなかったね。なくなって本当によかった」と笑って答えが返ってきたので、
やっぱり家族も、あれを見たり聞いたりしてたんだなーと思ったよ。

小学校低学年の頃、学校から帰ると叔父がいた。
叔父は青ざめてて生気がなく、俺の顔を見ても「おかえり」としか言わない。
叔父は関東の隅っこの山の麓で嫁さんと二人暮らしのサラリーマン。
小学生が帰っている時間に都内のうちにいるのはおかしい。
子供心になにかよくないことがあると思って聞けなかった。 

夕食。叔父も父も母も妹も、一言も喋らずに黙々とご飯を食べた。
突然叔父が箸をおいて口を開いた。こんな話。
一週間ほど前、
「うちの犬が毎日昼の決まった時間になると狂ったように吠えて、ご近所に肩身が狭い」
と嫁さんが言い出したらしい。
叔父は「犬には犬の社会があるんだよ」とテキトーに流した。
それからも犬の奇妙な行動は続いたらしく、少し恐くなった嫁さんは昼時には家をあけるようになった。
叔父はくだらないことで脅える嫁さんに腹が立って、
今朝「今日は早く帰ってくるから、家にいろ」と言って家を出た。


昼前に会社を出て、嫁さんの言う午後1時頃に家につくようにした。 
バス停から田んぼだらけの田舎道を家に向かって歩いていると、なるほど、気の狂ったような犬の鳴き声がする。
威嚇するような、おびえるような声。
面倒臭い、とため息。 
遠目に家が見えてきた。と、なにかが庭を走っている。
犬が吠えてる相手かな?キツネか?タヌキか?と足を速めるが、ぴた、と足が止まった。冷や汗が吹き出る。
庭を走りまわっているのは子供だった。和服を着た小さな子供。
走り回るというか滑るような感じで、家の周りをぐるぐるぐるぐる回っていた、らしい。
振り回してる腕は、ビデオの二倍速のように速い、不自然な動きだったらしい。

化け物だ!と思ったが、常識人の叔父はにわかには信じられず、遠目に何か他の物ではないかと目を凝らしたらしい。
が、紛れもない青い(赤だったかな?)和服を着た子供だったらしい。
犬は子供に向かって狂ったように吠えていた。 
叔父は嫁さんが家にいると知りながらも、どうしても家に近づく気になれず、
走って駅まで引き返し、とりあえずうちに来たのだと言う。 
家に電話をしても嫁さんは出なかったらしい。 

明くる日曜、朝一番に父が叔父を家まで送った。
幼心に、心配とちょっとした興奮があった。
昼前に親父が叔父の住む駅前から電話してきて、
『一応家までは送っといたよ。でも犬はもうおらんかった』と言った。
鎖も首輪も残して消えてしまったらしい。

親父が帰って、夕方ごろに叔父からも電話があって、
『○○(俺)話きいたか?犬には可哀相なことしたなあ。なんかオレのせいでどっかいっちゃった気がするよ。嫁さんも大丈夫。迷惑かけたなじゃあ、元気で』って変な挨拶をされた。
 
この叔父とはこれっきり。 
行事にもマメな人だったけど、それからなんの法事も葬式も出なくなった。
もう10年になるけど、家族であの叔父の名前を出すのはタブーになってる。
昨日妹と話したけど妹も覚えてて、二人で不思議がった。 

恐い話じゃないかも知れないけど、叔父のこと思うとシャレんならん。すまん。
『子供』はなんだったのかなあ。
叔父は山梨なんですけど、地元の人、なんかそういうの知りません?



家屋の解体作業などをしていると、たまに奇妙な造りの家に出会うことがある。 
たとえば、天井まで階段が続いていて行き止まりになっていたり、袋小路になっている廊下などにたまに出会う。
こういうのは、増改築をしているうちにできてしまうんだろうと想像がつく。
また、たまに解体中に、隠し部屋と思しき小部屋を発見したりする。
これは明らかに家主の趣味だろう。

ところで、このあいだ出会った家屋は、そういった理屈のつかないおかしな物件だった。 
それは平屋の日本家屋で、長い間空き家になっていたらしい。
かなり古びてはいるが廃屋というほどのものではなく、壊してしまうのはもったいない気がしたのだが、
家主は全て壊してしまって更地にしたいという。
そこで、油圧ショベルで崩し始めたのだが、その途中で六畳ぐらいの大きさの部屋を削り当ててしまった。
その部屋は天井以外は壁も床も瀬戸物のタイルが張ってあったので、最初はただの風呂場だと思った。

しかし、それにしてはおかしい。
中央には排水口らしき金属のふたの付いた穴はあったが、浴槽が無い。水道などの配管も無い。
だから風呂場ではありえない。
それより何より奇妙だったのは、四方の壁に出入り口が無いこと。
入り口の無い孤立した空間だったのだ。 

タイルを張った職人は、一体どうやって外に出たのか?
まあこれは、タイルを張った壁を外から嵌め込めば作ることは可能だ。
しかし、そんな手間をかけて作る理由が想像できない。
それを言えば、何のための部屋なのか、それも想像がつかない。 

なんとなく嫌な感じがしたが、深く考えずに崩してしまった。
その跡地は今でも何も無い更地のまま放置されている。
そこを見るたびに、更地のまま放置しているのは、
そこに何があったのかを家主は知っているのではないか、
そこに何か建てると良くない事が起こるのを恐れているのではないかと、
今も疑いがよみがえってくる。


引用元:ほんのりと怖い話スレ38

私の父がまだ子供だった時分の話ですので、今から60年以上昔のことになります。 

当時、長崎県S市に住んでいた父は、家族に頼まれて回覧板をお隣に出しに行きました。 
季節は夏、暑い昼下がりで、家の中から外に出るとぼうっと頭がかすんだほどだったそうです。 

通りに出ると、ふいに背後から声をかけられました。 
「おい、○○」
名前を呼ばれた父が振り向くと、少し離れたところに同級生のA君が立っていました。 
父はそのA君とはそれほど親しくもなく、ほとんど話をしたこともなかったので、
何の用かと不審に思いながらも、「なんだAか。どうしたんだ?」と訊ねると、
「ちょっと俺と一緒に来てくれないか」と答えるのです。

「今、回覧板を隣に出しに行くところだから、ちょっと待っててよ」 
「そんなのあとでいいから、早く来いよ」 
「そうはいかないよ。すぐに済むから」
などどと言いながら、父はA君の姿を見やりました。 
父の家の前の通りは長い坂道になっていて、A君は坂道の上手側に立っていました。 
そのため、何となくA君を見上げるような姿勢になってしまったそうですが、 
そのA君を見ると、ランニングシャツを着て、白い半ズボンに高下駄という格好だったそうです。 
A君はしきりに父を誘いましたが、そのわりには父のそばに来ようとせず、少し離れたところに立っているばかりでした。
父は「じゃ、急いでお隣に出してくるから!」と返事をして、 
ソッコーでお隣の玄関先に回覧板を回し、また通りに戻ってきたところ、さっきまでいたはずのA君がどこにも見えません。
前にも書いたとおり、通りは長い坂道になっていますので、あきらめて行ってしまったとしても、その姿は見えるはずなのに。

首をひねりながら家に戻ると、父の両親が話をしていました。 
「かわいそうに。それじゃ、まだいっぺんも意識が戻らないんだね」 
「○○病院に入院したらしいけど、多分もう助からないだろうねえ」 
何の話かと聞くと、A君が2日ほど前に車にはねられて頭を打ち、ずっと入院中らしいことを知らされました。 
つい今しがた知り合いの人から電話があったとのことで、
今のように連絡網もない時代、夏休み中で学校もなかったために、父もようやくこの日初めて知るところになりました。

結局、それから3日ほどしてA君は亡くなったそうです。 

父が見たA君は、父をどこに連れていこうとしていたのでしょうか? 
さほど仲がよくなかったというのに、なぜ父に声をかけたのでしょうか? 
そんなことを考えると、なんとなく薄気味の悪さを感じます。 

さて、この話には後日談があります。 
A君の家族は、そのころ父の家から15分ほど離れたところに住んでいたそうですが、 
A君の葬儀のあとほどなくして、あたらしく中古住宅を買って引っ越していきました。 
それまでは長屋みたいな狭い家に住んでいたそうですが、あたらしい家は広くりっぱなものだったそうです。
父のお父さん(私の祖父)が一度、菓子折持参で挨拶に行ったところ、
S駅のそばの高台の一等地にあり、見晴らしもよくとてもいい家だったらしいです。 

ところが、その家に越してから、何故かA君一家は次々と葬式を出すことになりました。 
A君はすでに亡くなってしまっているわけですが、 
A君の3歳違いの弟は、遊んでいる最中、家のへいの上から落ちて頭を打って亡くなりました。 
A君のお母さんは精神的な病にかかり、台所のガス台で自分の頭部を燃やして自害しました。 
A君のお兄さんは(何の病気か不明ですが)重い病気にかかり、闘病の末に亡くなりました。 

ただひとり、A君のお父さんだけは何事もありませんでしたが、
父の近所の人たちは、
「あの家に越したから、こんなことになったんだ」
「あの家にいる限りは、多分おやじさんも死ぬだろう」
などと噂していました。 

その後、A君のお父さんはとうとう家を捨ててしまい、以来行方知れずだそうです。 

何年か経ってから、父が祖父と一緒に見に行ってみると、
草ぼうぼうに荒れ果てた廃屋が、一軒ぽつんと残っているだけだったといいます。 

父はもう70歳を超えていますが、 
「今でも夏が来るたび、あのときのA君の声や履いていた高下駄を、何故か思い出してしまうんだよなぁ」
と言って静かに笑います。
生真面目で冗談ひとつ言わないような父ですが、
この話はよほど印象的だったのか、よく繰り返し私に話して聞かせてくれました。


引用元:ほんのりと怖い話スレ 23 


結婚を期に一人暮らしのワンルーム(3階建ての1階部屋)から同じ町内に引っ越しました。 
2年くらい経ったある日、夫と散歩中に、
「前に私が住んでた部屋どうなってるかな?どんな人が住んでるのかな?」 
と、ふと思い立って15分ほど二人で歩いて行ってみると、 
路地に面した窓にはカーテンも無く、一瞬『空家なのかぁ・・・』と思い帰ることに。 
しかし、夫が覗き込み、
「ホームレスが住み付いてるよ~、すごい散らかってる。じいさんが寝てる」と衝撃的な発言。 
私は自分の思い出がいっぱいある部屋なので、そんな様子を見たくなくて覗かなかったんだけど、 
いくらなんでも不動産屋にちゃんと管理されてるだろうし、勝手に入って住める訳無いよ~と言おうとしたら、 

夫「なんか・・・おかしいな・・・」とドア開ける。カギはかかってなかった。 
私「勝手に開けちゃだめだよ~、帰ろうよ~(小心者のため半泣)」 
夫「すいませ~ん、だいじょうぶですか~?」 
爺「・・・」 
その後、K察へ通報しました。

結局、『老人の孤独死』だったわけですが、亡くなった後そう日は経っていなかったようです。
(夫談。私は怖くて見なかった) 

引越後はじめてふと思い立って見に行った以前の部屋で、
そんな現場に遭遇したのって偶然なんでしょうかねぇ


引用元: ほんのりと怖い話スレ その21


昔、大学時代にアパートで一人暮らしをすることになった。
そのアパートは、太陽の光が当たる二階の部屋と、駐車場に近い一階の部屋が空いてて、
俺は駐車場が近い一階の部屋に住むことにした。
管理人に「本当にここでいいの?上(二階)空いてるよ」と言われたが、
俺は別にどっちでもよかったんで、管理人の言葉に耳を貸さずに一階に決めた。 
部屋自体は3部屋もあって、家賃5万円にしてはすごくいい部屋で、
よくこんな物件がよく空いてたな~と喜びにふけっていた。
部屋に荷物を持ち込み、本格的に住み始めてから気づいたが、部屋のある壁に引っ掻き傷がたくさんついていた。 

そんなことを気にせず暮らしていてある日、
部屋の引っ掻き傷が気になって、なんでこんなについてるんだろ~と思い、
引っ掻き傷のある壁の下のカーペットをめくってみた… 
すると一枚の写真が出てきて、そこには2人のカップルであろう若い2人が写っていた。 
それと共に、なぜかすごい量の茶色い髪の毛?が出てきた。
見つけたときは気持ち悪くて、なんで管理人は俺が住む前に掃除しとかねえんだよ!と腹を立てた。 
この写真を見つけてから奇妙な事が起こり始めた。
夜中カリカリカリって音がする… 
結構古めのアパートだったんで、俺はネズミかなんかがいるんだろうと気にもしなかったが、
毎晩毎晩その音は聞こえていた。 

ある日、夜中にトイレに行きたくなって起きあがった。
カリカリカリって音は引っ掻き傷の近くでしているようだった。
俺はトイレに行くついでに見てみた… 
そこには何もなく、突然音が消えた…
はあ?と思いトイレに行く…
トイレに入ってると、またカリカリカリって音が聞こえてくる。
俺はネズミだと思い、トイレから出てまた見てみた。
するとまた音が鳴りやんだ… 
なんか気持ち悪くなって、寒気が全身に走ったのを覚えてる。 
で、寝室に向いて歩き出した。
引っ掻き傷の壁を通り過ぎ、なぜか振り返ろうとした時、
部屋は電気を消していて暗かったんだが、床を一直線に黒い丸い影が走ってったのが見えた。
その瞬間、『振り返ったらダメだ』と何者かに言われたような感じがした。 
そのせいでまた全身に寒気がした。

すると音がまたし出した。
俺は振り向いてしまった… 
すごくおびえた顔をした白い女の人が、何かから逃げてるような感じで、後ろ手のまま爪で壁を引っ掻いてた… 
俺は、なんでこんなもんが本当に見えるんだ?と理解できないままそこに立ちつくした。
その女は数秒壁を引っ掻き、なぜか突然、煙が消えるように消えていった。
俺は見てしまった。変なものを見てしまった。生まれて初めて見た。
興奮しまくってたが、気味悪くその夜は眠れなかった。 

このことを管理人に話してみたところ、
ドメステックバイオレンス(夫が妻に暴力をふるう)?そんな家族が前に住んでいたらしい… 
部屋から出てきた写真を見せようとしたが、なぜか見つからなかった。 

俺はその後も2週間住み続けたが、カリカリって音は毎日のように聞こえてきて、怖くて寝れない日が続いた。 
そのころから寝不足とかも伴い、学校生活がうまくいかなくなってきたので休学し、実家に帰ることにした。
それと共にアパートは住むのをやめ、実家から学校に通うようになった。 
怪奇現象はそれ以降は起こってないが、あのアパートの前を通ると寒気がする。

結局写真は行方不明で、カーペットの下にあった茶色の髪の毛がどうなったかなどは全然分からないが、
あの部屋はそれから1年経っても空き家のままだった。 

まあ、これが大学時代に体験した不思議なできごと。 

休学したのに学校に通ってるところがオカルト・・・・ 
もしや墓場にふらふらと誘われてるとか・・・

それより、その女性は家庭暴力時代の生霊なの?死んだって書いていないよね。 
凄く気になるんだけど。

少しの間、休学して実家に帰ってました。それから学校に実家から通うようになったということです。
ややこしい文章ですいません。 

生霊とか、そう言うものは全然意味が分からないけど、
管理人さんには、夫が妻に暴力をふるっていた家族が前に住んでいた、としか聞いてないです。 
もしかしたら…かも知れないけど…。
俺が見たのは、白い煙?白いビーニール袋?って感じの白いようなもので、
はっきりと何かから逃げようとしている女性の姿が見えました。 

まるで映画の回想シーンのような感じでした。 
けれど、女性は俺とは目を合わせなかったし、
なんか、その部屋の過去の記憶?を俺が見た?って感じでした。
ほんとよく分からないですが、はっきりと見えたんです。 
けど、それ以降はなにも見てないし、音はしてたけどそれが何だったのか…説明できないです。


引用元:一人暮らしの怖い話…part2


高校時代、先輩と8ミリ映画をよく作っていた。 
僕以外はみんな1年先輩の仲間だったが、映画のこと以外でもよく一緒に遊んでいた。 

みんなで撮影したフィルムが現像からあがってきて、T先輩の家でアフレコをすることになった。 
T先輩の部屋は二部屋ぶち抜きになっていて広く、フィルムを映写しやすいのと、人がたくさん入れるからだ。 
しかし、その先輩の家はユーレイが出るということが常々話の種になっていた。 
ウワサではなく、住んでいる本人からもいつも聞かされていたのである。

「階段の上をふっと見るとさ、人が通るんだよ。廊下なんてないのにさ」 
「この部屋泊まるだろ?ザコ寝してるとさ、誰かが邪魔なんだよ。まったくよ~と思って起きると、近くに寝てるヤツなんていないの」 
そんな話ばっかりなのである。

その部屋に映写機などの機材をセッティングし、すべてが整って、さあ始めようという時。 
映写機が動かない。ウンともスンとも言わない。
「おっかしいなあ、持ってくる前は大丈夫だったのに・・・」 
どうにかしようと色々試したが、一向に動く気配がない。原因不明である。 
あとで診てもらうことにし、その日の作業は中止になってしまった。 
それから持ち主の先輩が家に持ち帰ると、何事もなかったように動いたのだった。 
「やっぱり・・。ユーレイに邪魔されたんじゃないか?」 
そう言ってかたづけるしかなかった。

そのT先輩がとうとう引っ越す事になった。 
「なんで?やっぱりユーレイがいやで?」 
「そう!もうだめだっていう事があった。
 俺の部屋はね、人が入って来るの。3人。女の人。 
 寝てるとさ、一人づつ部屋に入ってきて、俺の耳元で何かボソボソ言ってから、こたつの方に行って座る。 
 3人がみんなボソボソ何か言うんだよ。そしてみんなコタツのところに座るの。
 いっつもだからさあ、半分慣れたっていうか、そんな感じだったんだけど、
 あるとき、何言ってるかはっきり聞こえたんだ。 
 Tさん・・・どこか連れてって・・・ってよう、そう言ったんだよ。もうダメさあ!」 

その後その家はどうなったかは知らないが、自分の名前言われるとそりゃ怖い・・・。


引用元:ほんのりと怖い話スレ その2


中学生の頃、家が火事にあいました。
全焼で家を失ってしまったのですが、父の商売の関係でどうしても同じ町内で家を見つけなければなりません。 
新居を見つけるまでの間、私達は斜め前のお家に間借りすることになりました。 

 その家は、1年ほど前に相次いで老死した夫婦の家でした。
本来なら家は遺族が住む筈でしたが、
その息子夫婦も郊外に家を持っている人達で、今更その老夫婦の家に移り住む気もなく、
また、人に貸す気もないと言うことで、そのままにされている家だったのです。 
もちろん、斜め前に住んでいた私達はその老夫婦のことも知っていたし、その家の状況も知っていました。
だからこそ、こんな事態のときに家を貸してくれたくれた息子夫婦の申し出を有難く思い、
感謝の気持ちでその家に移ったのです。

しかし、初めてその家に入ったとき、私達一家はちょっとした戸惑いを感じていました。 

家は1年前に主を失ったと言うのに家財道具がすべて残されており、何一つ処分されたものはなかったのです。
月に一度は遺族が掃除に来ていると言うことで、冬らしくコタツの上には老夫婦の湯のみ茶碗が置かれている、
そんな状態で家は保存されていました。
まるで老夫婦が亡くなってこの世にいないことが嘘のようです。
無人のはずの家に妙に生々しい生活感があるのが、何か不思議な感じでした。 
私達一家は元々火事で焼け出されているので、必要最低限な物しか持っていません。
食器類などこの家のものをすべて借りつつ、当面は生活していくことになります。 

この家に移り住んだその初日、引越しのあわただしい中で、私一人がこの家の留守を任される場面がありました。
手持ち無沙汰の私は居間にぽつんと残り、部屋を眺めていたのですが、その部屋に据えられている仏壇に興味を持ちました。
私の家は無宗教なので仏壇の無い家でしたが、
仏壇のある家では何かとそれに手を合わせる習慣があるのを見聞きしていました。 
この家にお邪魔している身なのだから、仏壇に手を合わせるくらいはしたほうが良いのではないか?
子供ながらもそう考えたのです。
早速お線香に火をつけ、仏壇に向かって手を合わせました。
しかし、線香の匂いが立ち上ると、妙に私は落ち着かなくなってきました。
何か視線を感じるのです。
仏壇からじっと私を見ている気配が感じられます。
その視線は冷たく、明らかに私を疎ましがっている視線でした。 
私は急に怖くなってしまい、仏壇から逃げるように居間の中央まで移動しました。
お線香の匂いは部屋中に充満し、じっとりとした嫌な雰囲気になっています。
私は何か自分に出来る仕事は無いかと思いました。
何か動いてないと不安だったのです。 

私の目に映ったのは、昔の柱時計でした。
昭和初期が舞台のドラマなどに良く出てくる、振り子の付いた螺子巻き式の時計です。
それはとっくに動かなくなったまま、ただのオブジェと化していました。
しかし電池式ではなく、螺子巻き式です。
螺子さえ巻けば動くのなら、せめて動かす努力位してみようと思いつきました。
ちゃぶ台を柱の横まで移動させ、その上に乗って時計をはずすと、試しに2回ほど螺子を巻いてみました。
するとその途端、 
ボーンボーンボーン 
物凄い大きな音でなり始めたのです。
その音はとても陰気で、ただでさえ怯えかけていた私は余計に怖くなってしまいました。
何とかして止めなくてはいけない。
焦り、ただ闇雲に秒針を回していると、 
ガタン
すぐ耳元で物音がしました。
慌ててそちらを見ると、なぜか鴨居に掛けたあったこの家の持ち主おじいちゃんの遺影が外れ、
宙ぶらりんに紐で引っかかって揺れているのです。
鴨居の溝は結構深く、そこにはめ込むように掛けてあった遺影が外れるのは、なにか不自然な気がします。
私はすでに恐怖で半泣きになりながらも、とりあえず時計を掛けなおし、
大きく揺れているおじいちゃんの遺影も立てかけなおしました。
が、その瞬間、 

ガタン

次はおばあちゃんの遺影が外れ、私の目の前で大きく揺れていました。 
何も手を出していないのに、なぜ・・・?
おばあちゃんの遺影を直す私。 
が、
ガタン
またおじいちゃんの遺影が外れてしまいました。
まるでわざと遺影を鴨居から落としているようです。
そしてまた突然鳴り出す柱時計。 
突然のこの騒ぎに怯えながら、
老夫婦は自分達の家に入り込んだ私達に対して怒っているのではないか?という危惧が生まれてきました。 

これはすべて私一人がいるときに起きた出来事です。
今回の火事の件、引越し先のこと、色々と大変な問題が起こっているときに、
『もしかしたら、ここの家の死んでしまった二人は幽霊としてここに残り、私達の侵入に対して激怒している』
など親に言っても、馬鹿にされるどころか説教すらされかねません。
私はこの出来事を誰にも言わずに黙っていようと思っていました。 

その夜、初めての家での就寝。
しかも昼間の出来事が私の気持ちに影を落としていたせいか、なかなか寝つけないでいると、
不意に金縛りがやってきました。
まるきり体が動かない状況に、恐怖する私。
その時、枕もとの襖一枚で仕切られている廊下から、ゆっくりと踏みしめる音が聞こえてきたのです。 
ギシ、ギシ、ギシ
決して急がない、ゆっくりとした足取りが廊下の板張りに響きます。 
その足取りは、老人の歩くテンポの遅さを想像させるものでした。
この家にはこの時、私を含めた家族5人が寝ているはずですが、
足音は状況やその他から考えても誰にも当てはまりません。
この家から早く出ていけ。 
老夫婦がそう言っているかのようでした。 
なぜ、自分だけがこんな思いを・・・。 

翌朝、日の光の中でこの家を眺めながら、私はため息をつきました。 
朝になれば昨日の出来事はすっかり忘れて、新しい気持ちになれると希望していたのです。
が、その考えは甘く、家は陰気な雰囲気に包まれていました。
ほとんどの時間を外で過ごしているほかの家族に比べ、中学生の私は帰宅時間も早く、
一人で家の中にいる時間も多かったのです。
家の中の怪現象はそんな私を狙いすましたかのように、一人になったときによく起こりました。 
突然脈絡も無く鳴り響く柱時計。
いくらはめ直しても音を立て、外れてしまう老夫婦の遺影。
金縛りには毎夜遭い、その度に廊下を歩き回る音がします。 

ですが、現実問題として家の無い私達がここを出ていくことは不可能な話でした。
現に今、両親は次の住居を決めるため、仕事の合間に不動産屋を回る日々を送っています。
私は毎夜金縛りに遭うたびに、そのことを説明するように念じていました。 
『この家にいるのは一時的なものです。すぐに出ていきますから、お願いですからしばらくの間ここに居させて下さい』
しかし、老夫婦の霊はそれを理解できないようでした。
いくら嫌がらせをしても出ていこうとしない私達に苛立っているように、日々怪現象が起こります。 

そんなある日、いつもの金縛りが起こり廊下を歩く音が聞こえました。 
毎夜のこととはいえ、いくら経っても慣れない私は恐怖に震えていると、
その日は廊下の足音が部屋の前でぴたりと止まったのです。
スッと襖を開ける擦れた音がしました。
私は怖くて必死に目をつぶります。
その時、 
 
ドスン
 
胸に衝撃が走りました。
急に胸が圧迫され、苦しくなります。まるで上に人が乗っているようでした。
そのあまりの苦しさに思わず半目を開けた私が見たものは、白い着物を着たおばあさんの後姿。 
正面を向いていなくて本当に良かった。そう思いながら私は気絶していたようです。 

次の日、たまりかねた私はようやく親に相談をしました。 

「この家、ちょっと変じゃない?」 

そんな私の言葉を受けて、母親の顔が曇ります。 

「そうなのよね。最近、意味も無く柱時計がなったり、やたらに写真が落っこちてくるのよ」 

私だけに嫌がらせをしても埒があかない。老夫婦の霊はそう思ったのでしょうか。 

それから数日後。
いつまでも人の家にお世話になっているわけには行かないと言う理由で、私達一家は別の場所に引っ越しました。
次の家も別に本格的に住む気の無い、いわば仮の住居だったので、
今となってみると、親もあの家には何かを感じていたのかもしれません。 

老夫婦の家はそれから数年後に取り壊されてしまいました。 
生前の彼らに対して特に私は記憶が残っていません。
ただ近所に住む二人と、その程度の認識でした。
多分あちらもその程度にしか思っていない、淡い近所づきあいだったと思います。
だからこそ、急に上がりこんできた私達一家に怒りを覚えたのでしょうか。
私にはそこのところが分かりません。


引用元:ほんのりと怖い話スレ その2

↑このページのトップヘ